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ラクスルのユーザビリティを評価する 【準備編 #1】

こんにちは、RAKSULでデザインインターンをしている川村です。
現在ラクスルでは、プロダクトの使いやすさを計るため、ユーザビリティ評価を行っています。今回、自分は評価で使用するラクスル独自のユーザビリティ評価シートを作成させていただきました。

このnoteでは、ラクスルのユーザビリティ評価シート作成のプロセスについて、2つの記事に分けて書いていきたいと思います。今回は【準備編 #1】評価をする上で必要な知識を身につけるぞ!です。


Step1. 評価に関する知識を身につける

ユーザビリティ評価シートを作成する前に、まず基本的な知識であるユーザビリティの各評価手法:ユーザビリティテスト、ヒューリスティック評価について調べました … 個人的にユーザビリティテストは実際に何度かやったことがあるのですが、ヒューリスティック評価は言葉を聞いたことがあっただけで、実際にどういう評価スタイルなのかまでは知らなかったので、この機会にまとめてみました:

ユーザビリティの3つの評価手法
ユーザビリティの評価手法
ユーザビリティ評価・分析方法の違い
ユーザビリティ評価・分析方法の違い

ユーザビリティ評価は、主に「ユーザー参加」による評価「専門家 / エキスパート」による評価の2つに分けられますが、今回は後者の評価方法で進めていきます … その代表的なものとして「ヒューリスティック評価 / エキスパートレビュー」があります。

ヒューリスティック評価 / エキスパートレビュー

ヒューリスティック評価 / エキスパートレビューは、インターフェースデザインやHCDの専門家がインターフェースデザインでユーザー操作の問題となりやすいポイントに関する経験則をまとめたガイドラインを参考に、ソフトウェアのユーザビリティを評価し問題点を明らかにする手法。

特に、基本的なUI上の課題を特定するために使用され、開発初期〜中期で実施することが望ましいと言われています。

ニールセンの10ヒューリスティックス

ニールセンの10ヒューリスティックス

ヒューリスティック評価のためのガイドラインとしてよく使用されているのが、ニールセンの10ヒューリスティックスです。このガイドラインは、30年ほど前までのソフトウェアでの経験則をまとめたものではあるので、評価のためのガイドラインとしては十分でなくても、ユーザーが誤りやすいデザインのパターンを人間の認知特性などを考慮しつつ整理してあり、今後も有益な知識であることには変わりないです。内容を簡単にご紹介します:

1. Visibility of system status|システム状態の視認性
システムは妥当な時間内に適切なフィードバックを提供して、ユーザーが今何を実行しているのかを常にユーザーに知らせなくてはならない … ユーザーに知らせることで、システムに対する安心感とブランドに対する信頼感が生まれます。

【システム状態の視認性】のデザイン例

2. Match between system and the real world|システムと現実世界の調和
システムはシステム指向の言葉ではなく、ユーザーの馴染みのある用語、フレーズ、コンセプトを用いて、ユーザーの言葉で話さなければならない、実世界の慣習に従い、自然で論理的な順番で情報を提示しなければならない。

【システムと現実世界の調和】のデザイン例

3. User control and freedom|ユーザーコントロールと自由度
ユーザーはシステムの機能を間違って選んでしまうことがよくあります。そのため、不調の状態から別のインタラクションを通らずに抜け出すための明快な「非常出口」を必要とします … 「取り消し(undo)」と「やり直し(redo)」を提供すること。

【ユーザーコントロールと自由度】のデザイン例

4. Consistency and standards|一貫性と標準化
異なる用語、状況、行動が同じことを意味するかどうか、ユーザーが疑問に感じるようにすべきではない。プラットフォームの慣習に従うこと … 内部 / 外部の一貫性を維持することで、ユーザーは学習しやすく、またユーザーの期待に応えることができます。

【一貫性と標準化】のデザイン例

5. Error prevention|エラーの防止
適切なエラーメッセージよりも重要なのは、まず問題の発生を防止するような慎重なデザインであること。

【エラーの防止】のデザイン例

6. Recognition rather than recall|記憶しなくても見ればわかるように
オブジェクト、動作、オプションを可視化すること。ユーザーが対話のある部分から他の対話に移動する際に、情報を記憶しなければならないようにすべきではない。システム利用のための説明は可視化するか、いつでも簡単に引き出せるようにしなければならない。

【記憶しなくても見ればわかるように】のデザイン例

7. Flexibility and efficiency of use|柔軟性と効率性
アクセラレータ(ショートカット)機能は、上級ユーザーの対話をスピードアップする。そのようなシステムは初心者と経験者の両方の要求を満たすことができます。ユーザーが頻繁に利用する動作は、独自に調整できるようにすること。

【柔軟性と効率性】のデザイン例

8. Aesthetic and minimalist design|美的で最小限のデザイン
対話には、関連のない情報や滅多に必要としない情報を含めるべきではない。余分な情報は関連する情報と競合して、相対的に視認性を減少させること。

【美的で最小限のデザイン】のデザイン例

9. Help users recognise, diagnose, and recover from errors|ユーザーによるエラー認識、診断、回復をサポートする
エラーメッセージは、平易な言葉(コードは使わない)で表現し、問題を的確に指し示し、建設的な解決策を提示しなければならない。デザインTIPS:

【ユーザーによるエラー認識、診断、回復をサポートする】のデザイン例

10. Help and documentation|ヘルプとマニュアル
システムがマニュアルなしで使用できるに越したことはないが、やはりヘルプやマニュアルを提供する必要がある。
そのような情報は探しやすく、ユーザーの作業に焦点を当てた内容で、実行のステップを具体的に提示して、かつ簡潔にすべきである。

【ヘルプとマニュアル - プロアクティブヘルプ】のデザイン例
【ヘルプとマニュアル - リアクティブヘルプ】のデザイン例

・・・

Step2 以降は、次の【準備編 #2】 … ラクスルのユーザビリティ評価実施に向けて評価シートを作っていくぞ!で書いていますので、ぜひそちらの方も読んでいただけたら嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございます。
Cya! 👋🏻


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