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私が私を励ます時間

よく晴れた冬の午後、生後2ヶ月の娘を抱っこ紐に入れて散歩に出かけた。
その日はえらく寒い日だったから、わざわざそんな日に抱っこ紐デビューしなくても、、、と思いつつ、小さな娘の温かい寝息を感じながら、短い時間歩いた。
息子を抱っこ紐で抱っこしなくなり約3年、久しぶりの感覚でなんだか胸がドキドキした。

冬の空は青くどこまでも澄んでいて、その日は雲一つなくて、冷たい空気を吸う度にキリッとする感じ。深呼吸が気持ちよくて、冬の散歩は大好きだ。

散歩の時は大抵空ばかり見て歩いている。
ただ、その日は久しぶりに抱っこ紐を使って歩いているので、何となく足元が心細く、下を見て歩いていた。

すると、久しぶりに見つけたものがあった。
ロゼッタだ。
ロゼッタとは、冬にたんぽぽなどが葉をペターっと地面に広げている姿をいう。
息子と一緒によくロゼッタを探しながら、歩いたな、と記憶がよみがえる。
そして、ふとロゼッタはまさに最近の自分の朝の姿、そのものみたいだ、と思ってにんまりしてしまった。

娘はもうすぐ生後3ヶ月、
夜間の授乳は辛い。
とにかく眠たいし、だるくて重たい身体を起こすこと。日に日に重くなる子をヨイショと持ち上げ、眠たい目をこすりながらなんとか授乳すること。
オムツもかえたり、げっぷをさせるために抱っこしていたり、少なくとも私は30分はかかること。
そして、横でぐーぐー眠る夫と息子、、、暗い部屋の中で、闇と闘いながら1人で任務遂行する感じ。

多少は慣れるよ、、、でも毎晩1人で戦ってるし、終わりはまだまだ来ない。
慣れても辛いものは辛い、と私は思う。

夜をなんとか過ごし、朝がやってくるが、これも清々しいものではない。
寝不足でぼんやりする頭、重たい身体、すっかりエネルギーをチャージして朝からテンションの高い息子、
朝はやることがたくさん。

そんな中で、なんとかコーヒー、余裕がなければお湯をカップに注ぎ、ベランダへ出る。
うちの家のベランダはとても狭いけれど、小さな丸椅子を出し、またヨイショと座って、カップから立ち上る湯気を眺める。

そして、太陽の方を向いて深呼吸。
紫外線なんて関係ない。目を閉じて、身体と顔、真正面から陽の光を浴びる。
手を目一杯広げてみる。いろんな方向に首や腕や脚を伸ばしてみる。ロゼッタのように。

私にもっともっと太陽の光を浴びさせてくれ!!!という気持ちで。

すると次第に、今夜も一晩、戦って、積もったわたしの中の暗闇が溶けるような気がする。
私が柔らかくなっていく。
タンポポたちもこんな気持ちかな。

もうすぐ春がやってくる。
日中にも優しい光をたくさん浴びられるようになるな。

しかし眠たい日々はまだ続く。

そのうち、夜間の授乳が終わる時がきても、
ロゼッタをみたら、冬の朝の日差しを浴びたら、
私はこれからも、私が私を必死に励ましていた朝たちを思い出すと思う。
今夜も頑張ろう。



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