教育現場におけるデジタル化

〜長野県の高校生の視点から〜

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政府が推進する教育のデジタル化プロジェクト「GIGAスクール構想」によって、教育現場におけるインターネット環境は劇的に変わったのは間違いない。
実際私の高校にも、実測400Mbps程出るWiFi6アクセスポイントとcat6a LANケーブルによるネットワークが構築され普通教室においては、インターネットの利用が格段にしやすくなり、授業での利用も増えた。また、私のような役員などは、文書作成を教室でスマホ、pcで行ってネット上に保存出来る様になり、かなり時間の無駄が減った。
しかしながら、教育現場ではまだまだ多くの課題、問題が存在する。無論、僅かな知識しか持たないため間違っている事もあると思うが、現状を考えてみようと思う。

1、機器
まず、新入生から一人一台pc(本校はiPad)を持つ様になった事について。これは今後の事を考えると、とてもいい事だと思う。インターネット機器の扱いが苦手な人が多いが、今後社会は一層機器の活用が増えると予想される。そのため先に触れておくのはいいと思う。iPad(無印)という選択も、価格も比較的安く、しかしうまく使えば大学以降も使えるのでいい選択だと思う。ただし、これから使う機器としてWiFi6、Bluetooth5.0を積んでいないのは痛い気がする。ただ、今年中には新モデルが出ると言われているので、これからも購入し続けると考えると今年の学年はしょうがないとも思う。(そもそも今まで持ってすらいなかったから)

次に本校に先んじて導入された一つの学年の定員と同数のタブレット型pcについて。こちらは恐らく一人一台無い学年向けなのだが、個人的にこれの購入は必要だったのか?と思っている。GIGAスクールの条件は満たしているのだろうが、実際の使用感としては、ブラウザの立ち上がりが遅い、ウェブサービスの利用も遅い、wordは問題なく動かす事ができた。先生方の使用を見ていては、デジタル教科書が重い、など。正直高校教育では使いにくさが目立つ。以上から、昨年自分が参加したイベントで言及された、「形だけ導入した、目的の定まらない機器」と私は評価する。ただ、これは教師が使用する事を前提として考えたもので、生徒が使用するなら、県が教育で使用する大きなサービスとして、デバイス依存型のサービスを提供するMicrosoftではなく、web上でサービスを提供するGoogleのサービスを選択した事も踏まえて、十分ではあると思う。iPadと異なりWiFi6対応である事もこの点評価できる。

最後に、校内のネット環境整備について。
これは、他校はわからないが本校の状態を一部とても評価している。GIGAスクール構想使用ではアクセスポイントの企画をWiFi5以上と定めていたが、WiFi6対応モデルをケチらず配備したのは素晴らしい判断だと思う。今後接続台数の増加、速度の維持という点で効果が出てくると思われる。
ただし、一部と言ったのは配備された教室が限られている、という事だ。多くの特別教室や教師が普段いる部屋、会議室、自治会室と放送室、そして体育館には配備されていない。使用頻度と内容を考えれば、先生方のいる部屋や自治会関連の部屋の方が仕事で使うために必要だろうし、避難所として考えれば体育館にも配備するべきだろう。予算との兼ね合いもあると思われるが、進展がある事を祈りたい。

2、実際の使用
実際に使用する場面についての考えとして、最初は先生方の適応、対応についてから。
生徒にも機械を苦手とする人が多い中、生まれた時にはまだこんなものが無かった世代の先生方に苦手な人がいるのは当たり前と言えるだろう。これはしょうがない事だと私は思っているが、放置していい事とは思えない。北信では指導、使用時の対応に信大生をサポーターとして雇っているところもある様だが、こちらに大学生はいないので、県に予算を出してもらい周辺校を纏めて対応するスタッフをつけてもらうなどの対応が必要だと思っている。

ここから生じる問題として(個人的にはこれが一番大事だが)、学校としての活用が進まない、という問題がある。田舎の学校は、ここ数日のように雨雪やその他の原因で電車が止まった時、そして現在のコロナ禍では校内で感染があった場合、休校となる。ここで、すぐにオンライン授業を活用できればそのせいで夏休みを削ると言った事をしなくてよくなる。しかし現実は今まで実用に足るオンライン授業が行われた事がない(実験的には一度だけある)。ここを改善しないと、都市部との教育格差が開いてしまうと考えている。

そして最後に、生徒側の問題だ。
多くの生徒が無意識的にスマホを使いこなす一方で、オンライン〜と聞くだけで拒否反応を示してしまう生徒もいる。そういう生徒のフォローもしながらデジタル化は推進しなければならない。

以上のような事から、GIGAスクールは大きな一歩だと思う一方で、入札などに見られる経費が比較的安いものを求める今までの役所とは異なる見方が必要な部分も多いと考える(もちろん、税金を使う部分はあるから入札が無い方が問題だが)。また、先生方の本来の業務に重なってさらに講習などが増える事も予想できる。

そこをカバーするために私が始めたのは、校内に限った相談サービスだ。これはSNSを用いて相談を受け付けるもので、情報担当の先生が答えなくても、少し知ってる人なら対応出来るような案件を引き受ける目的を持っている。このプロジェクト?の最終目標として、卒業までに校内に新たな委員会、他校に存在するICT係のような組織を作る事を個人としては目標としている。この組織は、先生方の負担軽減と、生徒-先生両者のデジタル化への対応を促すという目標を持つ事になると思っている。

以上が、私からみた高校教育における実用的なデジタル化の課題、個人的評価、簡単な解決策である。何か見てくれた方の参考になればと思う。

私の情報収集能力が低いため、同じような事をやっている高校生や大学生のグループなど有れば、教えていただきたい。また、他県他校の話なども話していただける方はお話しをお聞きしたい。

文書は読みにくい所が多かったと思いますが、ご了承下さい。
最初の注意に加えて、教員、教委を非難するわけではなく、意見として捉えて頂きたいと思う。

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