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<9月レポート>日本酒マリアージュ料理教室〜ひやおろし特集〜

9月の料理教室も無事に終了しました!
先月はひやおろし特集でした^^

「ひやおろし」とは、冬に絞った新酒を一回だけ火入れして蔵で貯蔵し、秋口に出荷される日本酒。二回目の火入れを行わず「ひや」の状態で「卸す」ことが語源だそう。半年以上熟成しているため角がとれ、旨味が乗っているのが特徴です♪

秋の味覚と相性が良く、今回は秋の食材をたっぷりと使用した料理と合わせていきました。

秋刀魚の梅しそロールは「安芸虎 千本錦 ひやおろし / 有光酒造場(高知)」と。
安芸虎のすっきりと綺麗な酸+ふくよかな米の旨味が、秋刀魚の旨味+梅の酸のバランスにバッチリ!
脂ののった秋刀魚を綺麗に流しつつ、旨味を引き立ててくれます。
ご飯のような感覚で飲める日本酒は、ご飯に合う料理と相性がいいですよね。

後ろにチラリと写っている柿とルッコラのサラダは、みそドレッシングで頂きます。
柿の甘みにブルーチーズのピリッとした刺激、ひとクセある味わいがいい感じ♪
ナッツやレンコンなど具沢山なサラダで、一口一口味が違うのが楽しい一品です。

そんな柿とルッコラのサラダは、「輪島物語 / 白藤酒造(石川)」と一緒に。
一回火入れ、常温タンク貯蔵というクラシカルなひやおろしで、原酒のためアルコール度数は18度。ほんのり柿などの果物様の香りと甘みがありながらも、しっかりとしたアルコール感、米の旨みがあるため、ボリューミーな味わい。
ザクザクとサラダを噛み締めながら輪島物語を嗜めば、やはり一口一口違うマリアージュ。
ピンポイントで合わせペアリングも楽しいですが、このような変化のある組み合わせも楽しいものです。

そして、手前のイチジクのみりんコンポートは、砂糖を使わず、みりんの甘みだけで仕上げた一品。優しい甘みで、甘いものが苦手な方でもペロリと食べられます。
こちらに合わせたのは、「亀泉 高育63号 純米吟醸 / 亀泉酒造(高知)」。
フルーティーな香りのお酒が多い蔵ですが、この高育63号(風鳴子というお米の開発コード)を使用したものは、香り控えめな酵母を使用しており、ほのかで綺麗な吟醸香が特徴です。イチジクやメロンなど、様々な果物を思わせる香りと、キュンとした酸味があり、「これは絶対に果物に合わせたい!」と思ったのです。

余談ですが、初日は私の段取りが悪く、一からコンポートを作ったため、試食時に生温かい状態で提供してしまいました。
すると、亀泉のマリアージュに、皆さん微妙な表情。

「日本酒と料理のマリアージュは、温度を合わせることも大切!」と座学で言っておきながら、こちらの不手際です。亀泉は冷たいのに、コンポートが温かいから、うまく融合しなかったのですね。
そこで、一度コンポートを回収し、冷凍庫で急冷してから再度提供したところ、「さっきよりも断然合う!」との声をいただきました。

やはり温度を合わせることは大切だと、私自身も再確認したのでした…!!
(この反省を活かし、2回目以降は事前に用意したものを提供し、作り方はデモンストレーションのみにしました。)

そして最後は、チキンの栗入りガランティーヌ〜たまり醤油バルサミコソース〜。
ガランティーヌはフランス料理で、一般的には中に鶏ひき肉を入れて蒸し上げるのですが、今回はシンプルに甘栗だけを入れて蒸しました。
(「個人的に、なぜ鶏の中に更に鶏を入れるの!?」と思っており(笑)、ひき肉を入れると鳥感が強すぎて、日本酒の味に勝ってしまうと思うんですよね。)

ソースには、たまり醤油を使用。旨みの強いたまり醤油を入れることで、日本酒の旨味とがっちり手を組んでくれるのですよね。
今回は、愛知県の南蔵さんの「つれそい」を使用しました。
木桶仕込みの豆味噌のたまりを使用した、本物のたまり醤油です。
一般的な醤油と異なり、たまり醤油は小麦を使用しません。グルテンフリー!!

私も昨年蔵に訪問させていただきました。
大きな木桶がたくさん並んでおり、手間暇惜しまずに伝統のたまり醤油を守り続けている様子が印象的でした。現在、東京農大を卒業して蔵に帰ってきた息子さんの義之さん(イケメン)が、お父様の跡を継ぐべく奮闘中です!!

合わせたのは、「天の戸 夏越し熟成 / 浅舞酒造(秋田)」。
こちら、実は一回も火入れしていないため厳密には「ひやおろし」とは言えないのですが、変わり種として起用しました。

生酒の状態で熟成させることはハイリスクで、酵素が活性している状態で保存するため酒質が変化しやすく、下手すると「老ね香(ひねか)」というオフフレーバーが出てしまうことがあるのです。
しかし、浅舞酒造さんは厳選した原材料で綺麗な造りをされており、しかも氷温で熟成させているため、オフフレーバーは感じられません。上手に生酒熟成させると、特有のこってりとした濃厚さが生まれ、言うなれば赤ワインのように楽しめる味わいになりますね。白ワインのような日本酒は数あれど、赤ワインのような日本酒は珍しいので貴重です。

この「赤ワイン感」が、バルサミコソースの甘みと酸味にマッチ。
鶏モモ肉のような脂の多い食材も、しっかりと受け入れてくれます。

この組み合わせは、意外と男性に人気でした。

頑張って料理を作り上げた後の乾杯は、皆さんとてもいい笑顔♪
9月も楽しいレッスンでした!ありがとうございます!

計算してみたら、4月から始めたこの教室も、延べ114名の方にご参加いただきました!最初は人が集まらなくて一喜一憂しておりましたが、こうして続けられているのは他ならぬ、生徒様のおかげです。

今後、もっともっと分かりやすく、内容の濃いものを提供できるよう、努力を続けたいと思います!
そして、せっかくこのように、同じものに関心を持つ皆様が集まるのだから、生徒様のコミュニティを作り、情報を共有していける仕組みを作りたいなと考えています。

みんなで作り上げる、「発酵する料理教室」にしていきたいです!!
(…これに関しては、また別途詳しく書きたいと思います^^)

ということで、またまた直前ですが、今月の告知です♪
12月まで日程決まりました!!
今月から4日程に増やし、パワーアップして開催します!!

<10月度>肉料理と日本酒のマリアージュ編
10月18日(木)19:00〜22:00(満席)
10月19日(金)19:00〜22:00
​10月20日(土)11:00〜14:00(満席)
10月22日(月)19:00〜14:00

<11月度>燗酒特集
11月7日(水)19:00〜22:00
​11月8日(木)19:00〜22:00
11月9日(金)19:00〜22:00
​11月11日(日)11:00〜14:00

<12月度>新酒特集
12月2日(日)11:00〜14:00
​12月3日(月)19:00〜22:00
12月5日(水)19:00〜22:00
​12月6日(木)19:00〜22:00

▼詳細とお申し込み方法は、HPをご参照ください!
https://www.harukamano-jozo.com/sakemariage

今月も沢山の日本酒愛溢れる方々とお会いできるのを楽しみにしております♪

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