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第一子を出産。育休を終え、仕事復帰しました!

第一子を出産しました。「初産は大変だ」と経産婦の先輩から聞いていましたが、分娩台にあがってからは想像よりも早く生まれてきてくれました。パートナーにも立ち会ってもらい、心強い環境で出産を迎えることができました。

仕事においても、コロナ禍のリモートワークだったこともあり、産休へスムーズに移行でき、育休が明けて、先週から復帰しています。

働き盛りの人が仕事を中断すること、特に女性の場合のハードル

20代前半で出席したあるカンファレンスで、女性の先輩起業家の方が「私は子供を産まない人生を選んだ」と話されていました。「起業という、ものすごく大きな挑戦を選んだことは、子供を出産し、育てていくことと両立はできない」と。「でも、少しずつ時代は変わってきているけどね」。そう付け加えてもくださいました。

憧れの先輩の言葉は重く響き、企業経営という自分の役割を果たすためには、捨てないといけない選択肢もあるのだ、と心に刻まれました。それからは、私を信じて一緒に会社を育てている仲間に対して、「休むなんて申し訳ない」という一心で仕事に集中してきたように思います。

29歳の時、突然、悪性リンパ腫を患い半年間の療養を余儀なくされ、初めて会社を長期で休まざるを得ない状況に追い込まれました。最初は社長としての責務を果たせない申し訳なさで、社長を降りるべきか、会社をやめるべきか、とても悩みました。でも、会社の仲間たちの獅子奮迅のサポートがあって無事に復帰を果たせました。仲間たちには感謝の気持ちでいっぱいです。

私の療養中も会社はしっかり成長していて、復帰してから私はエネルギー満タンで仕事に励むことができました。この経験から、休むこと=悪ではないのではないか、むしろ自分を見つめ直し、仕事を捉え直す機会を得た、とポジティブに捉えるようになりました。また、トップ不在の状況でも、目標を共有するチームの結束やメンバーの働きがあれば、会社を成長させるチャンスにもなると実感したのです。

「子供を産みたい」がん治療中に抱いた想い

「子供を産みたい」。がん宣告を受け、抗がん剤のつらい治療を乗り越えるために、自分はこの先何を目標に生きるのだろうか、と考えた時、真っ先に浮かんだことでした。2017年に寛解してから3年が経ち、少し早いですが、主治医から妊娠の許可が降りたタイミングで、すぐに経営陣に出産したいことを伝えました。そして、幸運なことに、子供を授かることができました。


チームメンバーはみんな、私の妊娠・出産を心から喜んでくれて、産休・育休の際にも全力でサポートをしてくれています。



ただ、キャリアを積み上げてきた女性が妊娠・出産で長期間仕事を離れるのはとても怖いことだと思います。特に、起業家・経営者はさまざまなステークホルダーの皆様に支えられていることもあり、迷惑をかけてしまうのではないか、と打ち明けることも厳しいと感じる人も多いのではないでしょうか。きっと、先述した女性経営者の方もそういう中での苦渋の選択だったのだと思います。

私も恥ずかしながら、がんの治療をする時に初めて、女性の妊娠率が35歳から大幅に低下してしまうことを知りました。同時に、キャリアを積み上げてきてアクセルを踏みたいタイミングと重なっていることに、出産と仕事の両立のハードルを感じたのです。

仕事と育児を両立することは並大抵のことではないということは、子育ての新米にしてすでに痛感しています。でも本来、どちらも両立することが個人の「少しのがんばり」で実現できる社会にしていく必要があるのではないでしょうか。そのために、私は経営者として、できることはもっとある、と感じています。

パートナーの育休取得

今回、私はパートナーと一緒に育休を取得することができました。パートナーも私もコロナ禍でリモートワークがベースとなっており、彼の出張がなくなったことで、一緒に子育てができそうだと実感できた。これは、このタイミングで出産を決断した大きな要因でもありました。

結果、男性であるパートナーが育休を取得してくれて本当によかったと感じています。出産前には知らなかったのですが、産後の母親の身体は全治一ヶ月の大怪我をおっているようなものだそう。また、「産後うつ」という言葉が知られるようになってきていますが、身体だけでなく、ホルモンバランスの影響で精神的にも不安定な状況にあります。そんな状態で育児をしていくのです。同じように子供の親である父親がともに育児に参加することは、母親の心と身体の負担を減らすことになるのではないでしょうか。

また、コロナ禍のリモートワーク中心の働き方の変化は、育児にも新しい可能性をもたらしてくれるのではないかと感じています。

「赤ちゃんはお母さんの声が聞こえます」「お母さんの顔をよく見ます」育児本にはこういった記述がたくさんあります。その本をパートナーと一緒に音読していたある日、「なんでお母さんしか登場しないの?お父さんは?」という疑問がふつふつと湧いてきました。

これまでは、お母さんが中心となって子供を育てることが「当たり前」だったのかもしれません。でも今は、男性も女性も同じように働く時代になりつつあります。かつ、リモートワークが導入されている会社においては、お母さん、お父さんも同じように家にいて、子供と一緒にいられるようになっている。これは人類誕生以来初めてのことかもしれません。変化の時代、「母親」という役割は子供にとって重要だけど、必ずしも世間(育児本)が伝える母親である必要はないとも思っています。

人生を豊かにする選択が当たり前にできるように

長期化するコロナ禍、窮屈な生活が続いています。一方で、リモートワークがベースとなった企業では、家族が一緒にいられる時間が増え、子供と関わる時間も増えた、という声も多く聞かれるようにもなりました。これはデジタル社会のプラスの面だと思っています(実は弊社は7月1日にオフィスを1/3に縮小し、リモートワークをスタンダードにする施策を行いました)。

弊社READYFORでも、この1年、8人が出産・育休を取得し(予定も含む)、今年の秋には初めて男性が育休を取得予定です。メンバーが人生を豊かにする選択を当たり前のようにできることは、経営者としてもとても嬉しく感じています。デジタル化がその選択を容易にしてくれました。

働き盛りと言われる時期と出産適齢期が重なり、働く全ての人にとって妊娠・出産は悩みが多いものだと思います。一方で、テクノロジーは人々の生き方の選択肢を広げてくれえるものであり、このコロナ禍が生み出したリモートワークのデファクトスタンダードは、私たちの生き方に大きな変化を与えつつあります。私はこの変化は素晴らしいものだと信じています。

療養中に読んだ本の中に「陽明学」が唱えた「知行合一」という説が書かれていました。考えていることは行動せよという、明治維新の際に西郷隆盛や河井継之助(越後長岡藩)が学んだ儒学の一派です。一度きりの人生、それぞれが自分にとって大切なものを思考し、行動できる選択あふれる社会であってほしい。まずは私も今回出産を通して考えたことを実践し、自社からこの価値観を広げていけたらと思います。

引き続き、READYFORの世界観を広げる旅と、新たに加わった子育ての旅を楽しみながら、日々の健康に感謝し、邁進していく所存です。

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