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熱と輸氣(愉気)と絵本と

 昨夕には、娘の熱も37度台前半まで下がったので、今日になれば幾分スッキリしているのではないかという期待も虚しく、朝、熱はあがっていた。

 熱が下がっていたら今日は、DVDを2つ借りて見放題にしようと昨晩約束した。
さらにレンタルショップにある、ガムのターゲットマシンボルケーノ(ハンドルを前後・上下に操作してボールをゴールまでたどり着かせる事ができたらガムがもう一個出てくる)を2回やっていいことにしよう〜と約束した。
 だから、熱が下がってるどころか上がってるということがショックで、娘はなんで=== どうして〜〜を連発。

 朝はパンを食べたりみかんの缶詰が食べたいと言って食べたりしたものの、熱はだんだん上がってきて、そのうち咳も出てきた。

 「まま 輸氣して〜」
うんうん
じゃぁ 下向いて寝てみて。
背骨を中心に背中を触って あっ ここかなという場所に輸氣した。

「まま もうちょっとだけ外側。  そうそう それでちょっとだけ上」

この辺?
「うん。そこ。」

娘に教えてもらって協働作業で輸氣した。
しばらく輸氣していたら。
咳が止まった。

うわぁ〜〜〜 すごい〜〜。
偶然かもしれないけど、いい。
二人で大喜びした。

「まま すご〜い。次は熱をさげてほしいの」
えっ・・・
えっ・・・えっと・・・。

集めようと思っていたわけでもないのに、振り返れば20歳の頃から集めていたというほかない数の「体」に関する本や雑誌の子どものお手当資料を読み直して探して見つけた記事を見せながら

足の裏にテルミーかけるといいらしいよ〜
「えっ テルミー。・・・・・。わかった。熱くしないでね」

テルミーをかけて 一眠りして でもあまり熱が下がらず
「ままー 輸氣してほしい」

整体で習った輸氣を思いつくところいろいろして、その度にスースーと寝息を立て始めるとホッとして、でもまたすぐ目を覚まして
「ままー 寝たいのに眠れない もう疲れたー 」

うーーーん
どうしようか
休日診療に行こうか・・・。

「ままの輸氣がいい。お医者さんはいきたくない〜」

わかった。やってみるよー。

 予定通り出発できていたら、今日は横須賀のライダーハウスで午前中に友人が整体のモニターをしてくれることになっていた。
2年前に、子どもの習い事のように楽しんでゆっくり学び始めた「二宮整体」。
ぼんやりと学んでいた。
ぼんやり。それでも許してくれる、懐の深さに甘えるように毎月通っている。
 ぼんやりしていたのにここ最近、習い事としてではなくて、いろいろな人の体に向きあいたい気持ちが膨らんできていて、4月にイベントで 「てるみん整体〜からださんありがとう」をしてみようと思っている。

 それで、せっかく神奈川へ行くならばモニターで整体させてほしいと友人にお願いしたのだった。
突然思いついてお願いしたのに、8人の友人が手を上げてくれたので、こりゃこのままじゃヤバいと急に慌てて、この1週間毎日整体の本を読んだり、バスタオルを人に見立てて練習したりしていた。

 でも行くことができなくなって、結果。
はるちゃんで今日一日 今までで一番真剣に整体をした。
主に輸氣。

輸氣しながら、手の角度とか指が目指す場所とか、姿勢とか、こんなに自分ひとりで感じようとしたことはなかった。
整体を学ぶ場はいつも優しくて暖かい。
でも一人になったら1本の丸太の橋を渡ってるみたいな感じだった。
それは不安だとかそういうんじゃなくて、この一点だという場所に自分の足を置いて前に進んでいくような、そんな感じがした。

 でも 解熱剤のように即効性があるのではなくて、
体に内蔵されている本能的な自然治癒の力を呼び起こし、体の中の働きを高める手当てなので、すぐ熱が下がるわけもなく、不安になった。

 何かに頼らずに私の責任で今、娘をみていると思ったら、とてもこわくなった。
それで思わず整体の勉強会で色々教えてくださる方に
「娘が熱で、今の私にできることはなんでしょう」と聞いた。
いくつかのアドバイスが返ってきて、少し落ち着いてまた、輸氣した。

 「寝たいのに寝れないよーままー」と言っていた娘が
輸氣しているとスースーと寝る。
また起きる。
また輸氣するとスースーと寝る。

これは私の輸氣が届いているのか、私がそばにいて体に触れている安心感が娘を眠りに誘うのか、わからない。
私と娘の関係では それはどっちでもいい。
私が娘の体に触れていたら寝息を立てて寝入っていくということが、なんだかとても幸せな気持ちにさせてくれる。
それが大事なことなのかな。

朝から晩まで、こんなに娘のそばにいたのは赤ちゃんの頃以来かなというくらい、べったりそばにいた。
少し台所に立つと「ままー」と呼ばれて
台所は、まさしく娘が赤ちゃんだった頃のような、どれもこれも、何もかも途中で中断している台所になった。
懐かしい。

「ままー 絵本読んでほしい」
久しぶりのリクエストで本棚の奥にしまってあった絵本を数冊持ってきた。
読んだのは2冊。
そのうちの1冊は、私が子どもの頃に買ってもらった絵本。
私のおかーさんが私に読み聞かせしてくれた絵本。
絵本はすごい。


さて。
明日はDVD 借りに行けるかな。



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