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「ピーマンが嫌い」はヘイトなのか

表現の不自由展がホットトピックですねって話

みなさん、暑い中活発にツイッター政治ドッジボールなどされてますでしょうか。くれぐれも熱中症などにならないようにご自愛くださいね。
ドッジボールしてないあなたは賢明です。
こんにちは、みやもとa.k.a. 八朔です。

慰安婦像と「日本ヘイト」

一旦あいちトリエンナーレ2019の炎上までの経緯を確認。
上記では慰安婦像の話しか出てこないんですが、他にも昭和天皇の写真を焼いてみたりまあなんというかある特定の政治思想をお持ちの人には特に酷く刺さる内容の展示物が散見されたようで、出てきた言葉が「日本ヘイト」ということでした。
ツイッターの貼り方がわからないので貼ってないけど検索したらたくさん出てくるよ。

そしてこれは特にあいちトリエンナーレ2019だけに限らないけど、SNSで一億総パフォーマンス社会になった今、主張Aに対する「主張Aはヘイトスピーチだ」という批判、というのは本当によく見かけるんですよね。

「ヘイト」という言葉と僕の思い出

僕が中学生の頃通ってた塾での話。
「わたしはピーマンが好きではありません」を英訳しなさいという問題。
中学一年のテキストなのでdon't likeという表現で正解です。
が、同級生は知っている言葉を使いたかったのでしょう、hateという表現を使いました。

先生は「これはdon't likeでいいんだよ」と言うものの同級生は「でもhateも嫌いという意味のはずだ」と一歩も譲りません。
その時の先生の言葉が「もしも君がピーマンが八百屋で目に入るのも嫌なくらい、食べている人を許せないくらい、この世から存在を根絶やしにしたいくらい憎んでいるならhateと表現してもいいよ」というものでした。

同級生はドヤ顔で「じゃあhateでもいいですよね!」と繰り返していたので彼本人がよほどピーマンを憎んでいるか阿呆なのかどちらかだなと思ったのはよく覚えています。

言葉は意味を広くとればとるほど意味をなさなくなる

何を当たり前のことを言ってるんだって話なんですが、でも当たり前のことを人類は忘れがちなので適当なタイミングで繰り返し言っておいた方がいいです。
みなさんトイレから出る時流し忘れたことないですか?

24時間テレビ「愛は地球を救う」の「愛」を本気で受け止める人類なんて少なくともツイッター政治ドッジボールをやる層にはほとんどいないわけですよ。
今までいくつもの言葉が「これも◯◯にあたる」と雑判定で意味拡張され、そして薄ら寒くて中身のなく、ただただ他人の表現や価値観を縛り上げる言葉に貶められてきました。
差別という言葉もそうです、ポリティカルコレクトネスもそうです、性被害という言葉もそう。その言葉そのものはもはや何も意味しないレベルまで内容が薄くなっている。
個人的にはここに「ネット痴漢」や「ライトノベルの表紙を子供に見せるのは社会的な虐待」も含めたいですね。っていうか性“暴力”被害ならともかく「性被害」って何やねんお前は雌雄同体か?

その「意味をなさない言葉群」に今「ヘイト」も入る瀬戸際まで来ていると思う。それではヘイトスピーチと表現という干渉問題についての議論なんか程遠い。

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