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ひとはなぜアートを必要とするのか#01

ハルキハウスインタビュー#01 小西智美さん 2017.10.13


多喜 以下「多」:インタビューなんて堅苦しく思わないでくださいね笑。よろしくお願いします。インタビューの目的は、ハルキハウスで絵を買っていただいたかたのお話をうかがうことでギャラリーとして私たちの今後の参考にさせていただくためです。さて、智美さんに今回ハートの絵を買っていただいたのですが、今まで絵画を買われたことってあったんですか?


智美さん以下「智」:自分で買ったのは初めてですね。でも、うちの両親は結構絵を買うひとだったんです。例えば、新築祝いに絵をもらったり出産祝いにも絵をもらいました。今訊かれて、思い出しました。そういえば実家には沢山絵がありましたね。でも自分では初めてです。


多:そうだったんですね!実は私もだったんです。母はよく絵を飾っていましたし、母方の親戚には絵描きと収集家がいました。


智:実家の各お部屋にはそれぞれ合う絵が飾っていましたし、絵があることには全然違和感無く育ちました。結構私は一目惚れタイプなんです。アクセサリーとかカバンとか、わぁ、欲しい!と思ったらずっとその事ばかり考えて。衝動買いみたいですが、大きなモノでも欲しいとなるとすぐに買います。ただ、絵に対して欲しいと思ったのは初めてだったんですね。実は絵を買えるものだとは頭に無かったんですけど、(5月に開催していた個展で)龍の絵を見せていただいた時に、絵って買えるんやぁと、そこで初めて知って。で、このハートの絵(Rain heart)は7月にハルキハウスにたまたま行かせてもらったときに、部屋に上がってすぐ絵をみてワ〜っ!て思ったんですよ。このハートだけが目に飛び込んできて。ゆっくり見たかったけど時間があまりなくてバタバタと帰ってしまって、帰り道に「あ〜、あの絵ちゃんとみたかったなぁ。」って思いながら。


多:ええ〜!そんな前から気になっていらっしゃったんですか笑。

智:そう。その後ハート展の予告で絵の写真が投稿されてて、「あの絵って、絶対これやんな?!うわぁ欲しい〜!」って笑。

多:このハートだけが飛び込んできたんですね笑。たくさんある中からなぜこの絵だけだったんでしょうね?

智:なんでだろう。もともと青が好きとか全然なくて。なんでかなぁって思う。多分、一目惚れですかね。

多:一目惚れなんでしょうね。男の人とか、一目惚したりするんですか笑?

智:いえ、それは無いんです。意外に全然ないんです笑。見た目より中身重視で。あ、でも、離婚してるんです笑。

多:それはしょうがない笑。お互い変わっていきますからねぇ。

智:モノには一目惚れするのに笑。このハートには本当に一目惚れでした。

小西さんとRain heart

多:このハートはFBの投稿でも人気があったのですが、その中でも智美さんがコメントくださってて、かなり気に入ってくださってるんだなぁと感じて。それで、もし気に入ってくださっているのなら事前にご予約もできますよ、と声をかけさせてもらったんです。

智:そうなの!予約できるんや、ってびっくりして。9月は海外に行ったり忙しくて、ハート展は後半しか行けないし売れちゃうかなぁと気になってたから予約できるって出国する日に教えてもらって良かったしタイミングにびっくりしました。

多:ハート展に来られて他の絵も見て、結局このハートを選ばれた理由は?

智:タイトルはRain heartで、確かに雨に打たれている感じもあるけど、私は雨というより泣いているように見えたんです。

多:泣いているハート、ですか。

智:うん。でも泣いてるけど、強いんやで。みたいな笑。普段FBでは明るいよ楽しいよっていう投稿ばかりしたり、外見的にふんわりしてるとか小さいし可愛らしいとか言われるんですけど、実はそうじゃないんやで、っていう。そういうことがこの絵を選ぶ理由にあると思うんです。ハート展では他に明るい可愛いハートがいっぱいあって、実際見たら可愛いのを選ぶんじゃないかなと思っていたけど、寂しそうな青いハートを選んでました。寂しいってあんまり言わないようにしてたけど、ホントのところはまだこんな感じなのかな。でも、頑張ってる感じ笑。

多:なるほど〜。この絵が気になって欲しいと思って、その上にお金を払って買いたいと思われるまでの衝動って、どういったものなのでしょうか?

智:やっぱり、自分のものにしたい、所有したいということです。もうここに飾っているのがイメージできた。1日の終わりに毎日ストロング(缶酎ハイ)を飲むんですけど、その場所でほっとしながらこの絵を見たい、と思って。自分の行動をクリアにイメージしていました。

多:自分の相棒的な感じですか?

智:そうですね。娘もいるけど、主に自分の部屋で過ごしているし。絵を見ながら今日も頑張ったねお疲れ様っていうのが、ホッとできると思ったから。ストロングもご褒美だけど、この絵もご褒美。

多:この絵は幸せですね。来るべくしてここに来た。

智:ほんとに。事前にツバを付けてたから来れた笑。ただね、Flush Heartがもしまだ売れてなかったらあっちにしてたかもしれない笑。FBで写真見た時にはもう売れちゃってて、残念だった。なんで後で出てきたん?て笑。

多:そうだったんですか笑。Flush heartは展示してすぐに売れたんです。ハート展始まって3日目に出来上がった新作で、展示した次の日に。どうしてあの絵が好きだったんですか?

智:白いハートの真ん中に芯があるように見えて。芯があるのが好きなのかな。強さ、みたいに感じて。そこがキラキラしてるように見えて。

多:Flush heartも人気でした。値札を付ける前に売れました笑。買うひとって、めちゃくちゃ早いんです。決めるのが。好き・欲しいの反射神経がすぐに行動に出る。そういうひとって、絵だけでなく人生で望むものが手に入りやすい体質なんじゃないかなって、思うんです。逆のひともいて、そのひとたちは、欲しいものは手に入りにくいものだと思い込んでいるように見えました。

智:離婚してから思ったのが、自分でなんでも決められるし、欲しいものは手に入れていきたいと。手に入れたい自分のものにしたいものが自分で買えるのであれば、買う。多少高いものでも、本当に欲しいのなら買うでしょう?買えないものはないと思ってるから、それができている自分が好きなんです笑。

多:わかります〜!したいことして欲しいものが買えてる自分はイケてるっていう笑。

智:私できてるんだしっていう自信。ちっちゃい千円くらいのもので悩むこともあるけど笑。

多:そうそう。こっち100円高いなぁとか思うモノもあるけど笑。

智:そんな庶民としての感覚もあるけど、絵のような生活必需品じゃない高価なものでも欲しいものは私は買えるっていう。

多:そういうことって自己評価のひとつでもあるんでしょうね。今日は貴重な楽しいお話をうかがえました。今日から毎日このハートと乾杯してください笑。ありがとうございました。




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