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ひとはなぜアートを必要とするのか#02

ハルキハウスインタビュー#02 小林よしみさん 2017.10.15


多喜 以下「多」:ハルキハウスの絵画を買っていただいたお客様にどういった理由でお買い上げいただいたのか、絵画をどう楽しんでおられるのかなどお話をうかがっていきたいと思います。よろしくお願いします。

よしみ先生以下「よ」:よろしくお願いします。

多:よしみ先生には、(9月に開催された)ハート展に来ていただいて、このプリンセスハートを買っていただいたのですが、そもそも絵画を買われたことは今まであったのでしょうか?

よ:あんまりないんです。でも初めてではないですね。ずっと以前に切り絵を買ったのが初めてでした。

多:切り絵だったんですね。

よ:細かい細工の七福神の絵でした。これも原画というか、一点モノですね。

多:それはどういった理由で買われたんですか?

よ:知り合いのお寿司屋さんのご主人が趣味で切り絵をされていて。七福神だし福が入ってくるかなと思って。縁起が良さそうだし笑。

多:それが初めて買われた絵画だったんですね。

よ:かれこれ、18〜9年くらい前だったかな。

多:その次に買われたのが、このハートの絵ですか?

よ:そう。絵とかあんまり家に飾るタイプじゃなかったの。切り絵も飾ろうと思ったきり和室におきっぱなしで笑。

多:えー!飾ってないんですか。じゃあ、18年ぶりにこのハートの絵を買っていただいたってことですね。ありがとうございます。ハート展では37点のハートの絵を展示していたのですが、その中でなぜこのハートを選ばれたのですか?

よ:一目惚れよ〜。FBで写真が投稿された時から、これいいなぁって。

多:そんな早い段階から見て気に入ってもらってたんですか!

                                     ご購入いただいたPrincess heart

よ:多喜ちゃんの(コーディネートした)額だからっていうのが大きい。龍の時(5月に開催された百龍展)も見たけど、龍はちょっと強いからねぇ。ハートは、いいなぁって。このハート欲しいって一目惚れ。だから、買い出しの玉子を大量に持ってそのまま行ったのよ。あのハート残ってるかな、早く行かないとと思って。

多:そうですか〜!早い時期に来てくださいましたよね。玉子持って笑。じゃあ、もう買う気満々で来てくださったんですね。

よ:そうよ。買う気満々。まあでも、会場に行って他の絵も観てから決めようと思ってたけど、やっぱりこれしかないわ、と。白雪姫みたいなハート。

多:え?私、白雪姫って先生に言いましたっけ?

よ:いや、言ってないよ。私が白雪姫って思ったの。

多:えー!実は私は白雪姫をイメージしたから「プリンセスハート」とタイトルと付けたんですよ。ハート展では演出担当として絵のタイトルは私が全て付けたんです。絵描きの橘くんは、大人の白いハートをイメージして描いていて、シックな絵なのですが、この周りが鏡になっている額縁に合わせてみたらぴったりで上品で、白雪姫みたい見えたので。普段は地味だけどドレスを着たらとても目立って美しい女の子のような。

よ:私もハート展の時はワンピース着て行ったのよ。

多:そうでしたね。可愛らしい白いワンピース!普段はカジュアルですもんね。ハート展用にオシャレしてくださったんですか??

よ:そう。ハート展に合わせようと思って。すごい量の玉子持ってたけど笑。

多:どうして、プリンセス(ハート)が欲しいって思われたんですか?

よ:なんやろねぇ。憧れ?戒め?こういう女性になりたいわという対象かな。

多:理想のモデルみたいなものでしょうか?

よ:そうそう。だから、ひとに見せる場所ではなく、自分で眺めてこういう(プリンセスのような)心を持とうと思うための絵だから、ひとには見せられない笑。

多:女性らしく、可愛らしくいたい、ということですね?

よ:そう。今年の目標は妖精さんになることだから。妖怪ちゃうよ、妖精やでって笑。で、妖精の次はプリンセスになりたい笑。ねぇ、これ言って大丈夫かな?あたまオカシイってならんかな?

多:大丈夫ですよ笑。ちゃんとした先生なんで笑。先生がこの絵に重ねる白雪姫のイメージって具体的にどんなものでしょう?
よ:始めは一人で頑張っているけど、最後には王子様が現れて助けてくれる。みたいな感じかな。いろいろ物語ってるでしょ笑。

多:ところで、先生はいつもお忙しく発酵の講座をしたり自らあちこちで学んでおられますが、何がそのモチベーションになっているのでしょう?

よ:実際のお金よりも自分が学ぶということが財産だと思っていて、知識を蓄えたいの。その私の知識を必要としているひとがいれば、それを出してお渡しする。その循環が楽しいのかな。

多:確かに、先生の教室は毎回お土産や食事などいっぱい出してもらってますよね。こんな安い受講料でいいのかな、って思うくらい。

よ:伝授というか、そんな上から目線なものでもなくて、聞きたいと言ってくれるから、じゃあどうぞ聞いてね、みたいな感じ。でもね、昔の最初やりだした頃はそうじゃなかったのよ。なんで聞けへんねん!ちゃんと聞きなさいよ!と笑。でも、発酵生活をやり続けて、心が変わってきた。もともと男性体質の業界の仕事をしていて、ひとに負けたらあかんと思ってやってきたけど、今はもう全然変わってきて、負けるも勝つもないやん、と。価値観が変わってきて、好きなことをしてたらもう本当にそれが幸せなことなんだなと。このハートが欲しいと思えるようになったってことも、私の大きな変化の表れ。以前は無かったと思う。七福神の切り絵でも縁起担ぎの目的だったし、こういう理想の女性像のハートを見つけられたということがもう、すごい変化なのよ。昔から私を知ってるひとは、信じられないと思うわ笑。


多:発酵生活で心の状態が変わったから、感性が変わってきてこのプリンセスが先生の目に入って良いなと思ってもらえたのですね。このプリンセスハートが先生のアンテナにひっかかって、それでいてお金を出して買おうと思われたのはどうしてなんでしょうか?

よ:それは、作者が橘ナオキくんで額が多喜ちゃんセレクトだったから。同じものでも違うひとがやってたら買わないわ。そんなものなのよ。

多:ええ!そうなんですか。なんとまあ。鳥肌が立つくらい感動しています。

よ:心がある魂込めて描かれた絵は感じるものがあるし、欲しくなるのよ。このハートはひとに見せない私の心の部分なんだけど、それがいつかひとに見せられるくらいの女性になりたいと思っています。

多:そういう憧れの対象で絵を見る気持ち、わかります。今日は良いお話をうかがえました。ありがとうございました。


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