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映画・ドラマレビュー

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観た映画とドラマのレビューをまとめたものです
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記事一覧

砂だらけのプールにあるものは「いま」 映画『水深ゼロメートルから』

郷愁でも青春でもない。水のない砂だらけのプールには、「いま」があった。 抜けるような青空…

9

天久真は「にんげん」である 『tourist』

これほど、三浦春馬さんファンとそうでない方の間で知名度に差のある作品も無いだろう。TBS、…

17

狂気の原子物理学者の弟・裕之が示すもの 映画『太陽の子』

2021年8月、今までにあまりないタイプの戦争映画が公開された。 『太陽の子』。第二次世界大戦…

はるまふじ
1か月前
14

ヤクザと変声期中学生の不思議な絆 映画『カラオケ行こ!』

激しい雨の中、男が1人歩いている。白いシャツはずぶ濡れの背中に貼り付き、彫り物が透けてい…

はるまふじ
2か月前
11

若き名優ふたりのボイスアクトが光る 映画『夜明けのすべて』

下ばかり見ていた山添くん(松村北斗さん)が、光降りそそぐなか空を見上げる。ヘルメットをか…

はるまふじ
2か月前
18

杉咲花「らしさ」を味わいつくす 映画『市子』感想

夏は、人を狂わせるのかもしれない。 ひっきりなしに飛び込んでくる蝉の声、体温より高い気温…

はるまふじ
4か月前
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【ネタバレなし】役者・高橋一生を味わう 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』

大人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』。 累計販売部数は、1億冊を超えているという。 その人気キャラクター・漫画家岸辺露伴を主人公にしたスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』が実写ドラマ化されたのは、2020年の年末。それから毎年年末に実写ドラマが放映され、今年5月26日、満を持して映画が公開された。選ばれたエピソードは、ルーヴル美術館バンド・デシネプロジェクト作品として荒木飛呂彦先生が描いた『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』。 年末の実写ドラマを楽しみに観ていたわたしは、原作を

2022年 印象に残った作品たち

2022年も残りあとわずか。 今年観た舞台、映画、テレビドラマの中から印象に残った作品をピッ…

2

丁寧。その一言に尽きる 『silent』

音の紡ぐ物語だ。 2022年の秋クールに放送されたドラマ、『silent』。主人公は目黒蓮さんと川…

10

共に味わう自然の恵みは、おいしい 『土を喰らう十二ヵ月』

松たか子さんの出演する新作だから、観てみたくなった。 時に冷酷に、時にキュートに、時に何…

4

最近の観劇&映画鑑賞記録など 

こころが震えた記憶はたくさんあるはずなのに、ちゃんと記録されていない。気づけばもう11月も…

6

映像作品と小説の素敵な「メディアミックス」は続く 『ガリレオ 沈黙のパレード』

映画『沈黙のパレード』が公開中だ。 2022年9月16日に公開された本作は、東野圭吾氏の小説・…

9

春の日の午後、下北沢のカフェでミカコさんに会いたくなる Paraviオリジナルドラマ『…

プリンが、食べたくなった。 毎週楽しみにしていたドラマが、最終回を迎えた。 Paraviオリジ…

5

大女優の”等身大”が映し出すもの 映画『オードリー・ヘプバーン』

全然知らなかった。金曜ロードショーで『ローマの休日』を放送していたなんて。 ちょうどその時間、ウォン・カーウァイ監督の『欲望の翼』を観ていた。のちに『恋する惑星』や『ブエノスアイレス』で有名になるウォン・カーウァイ監督初期の傑作である『欲望の翼』は、綺羅星のごとき香港映画界のスターたちのお芝居と、美しい映像を90分たっぷり堪能できる作品だ。 観おわってからTwitterを覗いて気づいたのだ。金曜ロードショーで『ローマの休日』を放送していたと。不朽の名作だし、最近は配信も充