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process

5月の半ばから遺しておきたい想いを綴っては閉じ綴っては閉じを繰り返したnoteです

【emotion】
晴れた空、乳母の如き山の端、
穏やかに流れる雲、一段と濃い緑色を纏う樹々、
色とりどりに微笑む矢車菊、グレーチング越しに眩しいせせらぎ、
踊るように踏み入れた草むらの艶やかな茂みと匂い。
いつもの光景が、切なく切ない情景に変わる。
心地良いはずの薫風でさえ腫れた心を逆撫でし、同時にギュッと胸を締めつける。
かつてこれほどの喪失感を味わったことがあるだろうか。
鮮明に蘇るのは、この世の終わりとまで一途に思い詰めた恋。
その重い記憶すら、この想いには敵わない。

【compassion】
危うかったのはK。
「せめて作業は集中する。。」
それでも気づくと涙が頬を伝うのだという。
「何処に行ったんだよ。。。」
愛らしくて堪らない存在が居ない。
忽然と、居ない。
現実はあまりに残酷だ。
それは日々を共にした私だけが理解できること。
何も足すことなく引くこともなく。
いつでも何度でも涙すればいいと伝えた。
「お前は強い。でもそういうヤツが一番脆いんだぞ」
(・・・そうかもしれない・・・)
不意を突かれ、言葉が喉に張りついた。

【step by step】
”折り合いをつけていくこと”を覚えたのはいつだろう?
敢えて核心を逸らして射るように悲しみから目を逸らす。
上手くやり過ごせたような気がしたのは思い違いか、
流れに逆らうが故、決壊は突然に激しく深く胸を抉るのだ。
泣けど笑えど陽は登り、沈んで。
日にち薬も効いているのか悼みはゆっくりと変化してゆく。
だんだんと、だんだんと。

【sobbing】

雑踏で取った電話に臨場感がおかしくなり、堰き止めた筈のものが溢れ嗚咽する私に、
それは「正しい感情」なのだと何度も繰り返し諭してくださった恩師。
図らずも愛する家族を失った飼主同士として交わした言葉が胸に響く。
一緒に過ごした日々がどれほど幸せだったか、大切なのはその時間に思いを馳せること。

【calm】

こぶはいつもピタッと背中合わせ、ぶるちは体の一部だけをピトッと。
いつでも甦る温もり、そして愛らしさ。
右手にぶるち、左手にこぶを抱え一緒に眠る。
ふと過った感情「何て幸せなのだろう」
ぶるちの優しい優しい顔🩷
こぶに続いてぶるちにも腫瘍が見つかった頃。
乗り越える事しか考えていなかったものの本能がそうさせたのか、
無意識に洗いものの手を止めて撮影していた。
語り合うふたりがまるで聖母マリアとキリストのようで。
きっと、ずっと、一緒🐖🐖

【ability】

主治医として全うしてくださった恩師と最初で最後となったシャッターチャンス。
ぶるちはきっと分かっていたのだろう。この日のぶるちは達観したように落ち着いていた。
笑顔で終えられた日、そしてサヨナラの場所。
振り返れば最期まで全て仕組まれていたかのように物事が進んでいった。
もしも辿り着かなければ、出会っていなければ、
ふたりの犬生の幕引きは全く別の景色になっていただろう。
そして私も変われないまま彷徨い続けていたに違いない。
周りのヒト、モノ、コトに変化を生み出す天性のキッカケづくりとリーダーシップ。
次々と幾つもの光を放つ才能は私にまで影響を与え、人生に彩りや広がりを授けて頂いた。

【change】

偶然ではなく必然。物事は自らが動いたように進んでいくのだ。
ひと呼吸置きたいときによく立ち寄る場所。この日、自分の中の変化を悟った。






























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