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【詩・イラスト】躑躅(つつじ)

角を曲がると花の色

淡い桜色に溶けてしまえた季節は終わった
光は謙虚さを捨て 影はその濃さを強める
君の輪郭は否応なく露わになってゆく

世界は彩度を上げる、

角を曲がると花の香り

曖昧な温度でまどろんでいられた季節は終わった
風は熱をまとい 蜂の羽音がせわしない
君は否応なく走り出す

世界は明度を上げる、

君は夏に呑み込まれる。


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