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"記録魔"からのメッセージ

何を書くか決めずに書き始める。

昨日は、先週まで「オトナのための文章教室」をやっていた美術アトリエでの受験生を相手にした国語授業の最終回だった。

この数年、ぼくは何をやるにしても最後に"ふりかえり"の時間を(たとえ短くても)しっかりとるようにしている。

昨日も最後に、今年度の授業のふりかえりを全員でした。

いつも思うことだけれど、若い人が、ぼくの授業を通じて、「本を読みたくなった」という感想を話してくれるのは、とても嬉しい。

そこでぼくがいつも話すのは、本というのは、かならずしも最初から最後まで順番に読み通さなくてもよいのだ、という話。

興味のあるところから読むとか、後ろから読むとか、つまみ読みとか、いろいろあっていい。なるだけ好き勝手に読むのがよい。

たとえば何かの歴史にかんする本だとして、興味が向くところをピックアップして読むというのでいい。そういう読み方で読んで、読み込んでゆくと、必ず何か物足りなさを覚える時がくるから、その時にはとっつきにくかった最初の方とか、避けていたようなところを読むと、その"何か"が書かれていたりする。

読んでみて、面白くなかったと思っても、何年もたってもう一度読んでみたら、こんなに面白い本だったのか! と気づく。そんなこともある。

大事なのは、気長に、時間をかけて"付き合う"ことだ。

それから、本の読み方の話からは逸れるけれど、こんな話もする。

各々が、それぞれ感じて、考えたことを、大事にしてほしい。一方で、肝心な時には貪欲に結果を求めてほしい。ただ、結果は出る時もあるし、出ない時もある。どんな時でも、"かたち"に残す、ということをぜひこころがけてみて。自分が取り組んだことを、とりあえずのかたちでいいからまとめておく、ということ。

そんな話をした後で、少し打ち上げていたら、久しぶりに会う大学生が来てくれて、下窪さんは昔の原稿でもすぐに出してくる、と言う。ぼくはいわゆる"記録魔"なのかなぁ。

(つづく)

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