ひとり飲みをしたら、わがままな自分を好きになれた話。
ひとり飲みが好きだ。
美味しいお酒が飲みたい。
だれかと話たい。
ひとりでぼーっとしたい。
じぶんの欲望に素直になれる、この時間がたまらなくいい。
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「静かにおいしいワインが飲みたい」「少しはだれかに話を聞いてもらいたい」
こんなわがままを満たしてくれるお店がある。
東京の北参道にある、自然派ワインとおつまみのお店vinmari(ヴァンマリ)。
大通りから一本入った小道に、ひっそりとたたずんでいるお店のなかには、
店主のアンさんがこだわった「北欧らしさ」が、壁の色や、インテリアのひとつひとつに現れていて、居心地がとんでもなくいい。
ワインに興味をもち始めたこともあって、去年のおわり頃からお店に通っている。
ある日の夜も、仕事を早めに切り上げて、お店に向かった。
「いらっしゃいませ。」「あ、こんばんは。」
カウンターと二人がけのテーブルがひとつの、こじんまりとしたお店。
扉をあけると、ひとりでお店を回しているアンさんがやさしく声をかけてくれた。
いつものように、カウンターに座ると、
「お腹は空いてる?」
とカウンターの向かいから聞いてくれた。
ひとりでお店に入ると、店員さんに話しかけるのが緊張したりするから、何気ない声かけがとってもうれしい。
食事の注文と一緒に、ワインもオーダーする。
「白のちょっとシュワっとした感じがいいかな」
ワインの知識がないわたしでも、なんとなくの感じを伝えると、料理とわたしの好みに合わせてワインを選んでくれる。アンさんはソムリエの資格も持っているらしい。
ワインを待つ間は、目の間にあるキャンドルをぼーっと眺めていた。
(何も考えずに、こころを開放できる場所が、家のほかにあることは大事だったりする。)
少しして、ワインが運ばれてきた。
この日はフランス産の辛口白ワイン。
口の中にすっと入ってきたと思ったら、舌にそっとハチミツのような甘さがのこっている。
そんなちいさな変化を、だれかのことを気にするでもなく、いつまでも楽しんでいられるのが、ひとり飲みのよさだ。
ただ、ひとりで飲んでいても、だれかと話したい時はある。
そういうときに、アンさんは付かず離れずの距離感でつきあってくれる。
「頑張ってるんだね。おつかれさま。」
その言葉だけでいいときってある。
友達だとついつい自分の話をしてしまったり、
家族に話すと心配されたり、素直に聞けない自分がいる。笑
普段の自分がいる世界とは、いい意味で違う場所にいる人の前だと、余分なプライドもないから、意外と何でも話してしまう。
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2杯くらい飲んだところで、この日は帰ることにした。
ひとりだから、好きなときに帰れる。この自由さもいい。
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わがままな自分をゆるして、お店をでた後は、ちょっと自分のことが好きになっている。
ひとり飲みで、わたしはご機嫌になる。
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よかったら、のぞいてみてください🤲
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文 ちゃんはる @chanharutosake
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