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ひまわりのような女性(ひと)でした。



1.追悼アルバム「ひまわり」

アニメ『ARIA」シリーズの音楽を担当した河井英里さん。
私が所有している1枚は追悼版である『ひまわり』です。

『ひまわり』ジャケット。イラストはARIA原作者の天野こずえさんです


『ひまわり』CDブックレット。Clickで拡大表示されますので、プロデューサー福田正夫さんのメッセージに触れていただけたらと思います。



SUNFLOWER/河井英里(アルバム『ひまわり』収録*CDブックレット撮影


こんな言葉を私達に託して、河井英里さんは天上に羽ばたいていったのです。2008年8月4日のことでした。最初から最後まで、英里さんは優しい包容力を持っていた人でした。私の中で、今も生き続けています。河井英里さんファンの方も同じだと思います。

2.シンガーを支え包み込む声~冬のハイヌミカゼinオーチャードホール

 河井さんのご活躍は多岐に渡りますが、ARIA以外で私的に印象に残るひとつは「冬のハイヌミカゼinオーチャードホール」。アルバム『カッシーニ』に付属するDVDにコンサートの様子が収められています。

このコンサートのset list 15曲目は
『恵みの雨』作詞:HUSSY_R、作曲・編曲・プロデュース:菅野よう子 です。元ちとせ『恵みの雨』公式MVは以下をご覧くださいませ(なお、本来ならば河井英里さんがコーラスをしておられる音源を貼りたいのですが、それは叶わぬため、元ちとせさん個人の歌唱となります。ご理解頂ければ幸いです。他のMVも同様にお考え頂きたく思います)。

「冬のハイヌミカゼinオーチャードホール」で河井英里さんは6名のコーラス隊に参加しています。日時は2007年12月26日。河井さんのご逝去に先立つこと8ヶ月前のことになります。ですが、そうした影を感じさせぬ歌唱がそこにはありました。
特に『恵みの雨』では6名のコーラス担当のシンガーは「バックコーラスではなかった」と感じます。楽器、人の声、それぞれが元ちとせさんにぶつかっていき、「元ちとせという磁場」がそれを吸収して「音が天上に舞い上がる」。舞い上がった声が「恵みの雨」となり、聴衆に降り注ぐ。
そうした光景が、そこにはあったように(ディスク鑑賞を通し)思います。

そして「冬のハイヌイカゼinオーチャードホール」のラストを飾る曲は、「あなたがここにいてほしい」です。以下のMVも元ちとせさん個人の歌唱であり、河井さんはコーラスを務めておられませんが、参考までに貼付を。


作詞:岡本定義 作曲:岡本定義 編曲:COIL コーラスアレンジ:間宮工
歌詞情報は以下からご覧ください。


しっとりと優しく歌われた「あなたがここにいてほしい」。歌唱が終わりに近づくにつれ、アーティストがひとり、またひとりと舞台から袖にはけていきます。
やがて元ちとせ(以下アーティストの敬称略)が歌い終わり、レベランスの後に静かに舞台袖にはけて。最後はコーラス隊の6名、その歌声が静かに流れていきました。
 その6名が5名、4名と退場していきます。オーラス、トリを務めたのが河井英里(以下敬称略)でした。最後まで歌い続け全てのメンバーを見送った河井絵里が歌い終わり、レベランスの後に退場。舞台に立つ人は誰もいなくなり、静寂だけがオーチャードホールを包み込んでいました。

コンサートに参加した人がきっとそうであるように、私にとっても「忘れられぬコンサート」になりました。河井英里というシンガーを思い出す度、私は『恵みの雨』の飛沫を浴び、「あなががとなりにいてほしい」と思うでしょう。


3.河井英里さんへの尽きせぬ思い

等、拙い感想を綴ってきました。河井英里さんといえば真っ先に挙げられる曲は大島ミチルさん作『シャリオン』かと思われます。
大島さんがシャリオンについてポスト(X)されています。

シャリオンは名曲であり、それが河井英里さんの業績、その筆頭に挙げられることに何ら異存はありません。ですが、その一曲に集約されてしまうのは、一ファンとしてはどこか寂しく感じられるのです。故、それ以外の側面で拙くも綴ってきました。
河井英里さんのライブ活動については、ぴよ工房さまが纏められています。お目通し頂ければと(河井さんの人と成りが垣間見られる貴重な場所だと)思います。




河井英里さんへ。
あなたの歌声を、私は折に触れ聴いています。
あなたが参加し、愛したARIAもグランドフィナーレを迎えましたよ。


天上のScreenに写っていましたか?みんなの姿が、声が。
素敵な物語でした。見る事ができて、原作漫画を読むことができて、
私は本当に幸せでした。けれど、できるなら(元ちとせさんが歌ったように)「あなたがここにいてほしい」と思います。思い続けることを、どうぞお許しくださいませ。

アルバム『ひまわり』収録「たんぽぽ水車」より。明日話してくれること、楽しみにしていますね、英里さん。

では、またお逢いしましょう。その時まで、私は私の「ゴンドラ」を
漕ぎ続けていきます。どうかお元気で。

『ひまわり』の最後を飾る曲です。ショーロクラブさんの演奏が半分、後半から河井さんのスキャットが。最後までお聴き頂ければ嬉しいです。


4.最後に

↑上記は河井さんラストアルバム「Oriental Green」情報です。
ほぼ絶版になっており、私も所有していない1枚。
(Webショップでも価格高騰しているため)正規価格の商品を探しているところです。

末尾になりましたが、ARIA原作者である天野こずえさんへ
この場を借りて深い感謝を捧げます。

そして、ここまでお目通しくださった方へ、同様の感謝を。
全ての感謝に代えて、この一曲を捧げます(2023/05/30追記)

覚めぬ夢もいつかは終わります。さあ、また歩き始めましょう。私達の新しい道を。どこに続いているか分からない路であっても、光を目指して。

コミック&アニメ・ARIA(AQUA)について、記事に纏めています。よろしければ以下よりご覧いただけます。


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