深さの話

姉に赤ちゃんができてから街中でやたら子供を見かける気がするのだ、、
そういえばドクターマーチンのブーツを初めて買った頃はそこら中にマーチンを履いている人がいたし。

何かに興味を持つと今までも世の中に当たり前に存在していたそいつが急に目につくようになる。

お前、そこにいたのか現象である。(これは今適当に名付けたのでウィキペディアで検索してももちろん出てこない。)
それに近い感覚で現金な話だが、その物が高価だと判ると急に愛着や尊敬の気持ちが湧いてくる事とかもある。

今の会社に来る前、前の職場を辞める時、私が辞める2週間前くらいに入ってきたおじさんがいた。名前も覚えていないし、寡黙な方だったので私は勿論、他の人ともほとんど話さず愛想笑いだけしているようなおじさんだった。私はめげずに話しかけていたけど、さぞかし煩かっただろう。
前の会社は出入りも激しかったのでそんなに深い仲になっても辞めていく人も多かった。だからおじさんとも二、三言しか話さず辞める当日に辞める事を突然告げる形になってしまった。
おじさんは私の隣の席だったが、急に「餞別にこれあげるよ、結構いいやつだよ。」と言って何故か万年筆をくれた。
私は万年筆を使ったことがほとんどなかったし、そもそもインクが無かったので、帰宅後それをペンたてにぶち込んだままずっと放置していた。

一年ぐらい経った昨日、ペンたてに目が行き、万年筆を思い出した。急に使う気になり、インクを調べるためにメーカーを検索してみたのだ。
すると、モンブランという万年筆やボールペンの会社が出てきた。知識がないのでよくみてみると、持っている貰った万年筆と同じデザインの万年筆が載っている。値段が下に書いてある。。¥83,600。
すごくびっくりした。まず80000円のペンがそんな普通に売られていること、私が持っていること。
驚きすぎて何度も確認してしまった。

Twitterで教えてくれた親切なフォロワーさんによると偽物もあるが本物ならばそのメーカーで80000円の商品はお手頃のラインだそうだ。調べたら本当だ、他の万年筆12万とかするわ。。となった。

おじさんは一体何者だったんだろう。

でもとにかく、この万年筆は使えそうだし、偽物でも本物でも万年筆として大切に使おう。そう思った。

今日、インクが届く。楽しみである。

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