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喫茶店で2時間もつ異性

昔、齋藤孝さんと倉田真由美さんの共著で、「喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな!」という本があった。
当時、タイトルにとても興味を持ち、読んでみて「なるほど!秀逸な考え!」と納得した。
詳しくは覚えていないが、たしかカラオケも酒もなしで、あえて喫茶店というコーヒーを飲むだけの空間で、楽しく話題が2時間もつ相手とは、相性が良いからつきあう価値アリ、という内容だった気がする。
当時はスマホもタブレットもない時代なので、今なら「スマホもタブレットもなしで、喫茶店かサイゼリアで2時間もつ相手はOK!」みたいなことか。

これ、ホントそうだろうなと思うのだ。

コーヒー飲みながらだけで、2時間しゃべるというのは、よほど趣味の引き出しが似ているか、どちらかが雑談が得意か、二人の間に共通の思い出がなければ、結構きびしい。

最初こそ盛り上がっても、共通項が少なかったり、話し下手どうしだったりすると、まあ1時間くらいで「そろそろ店でようか」となるだろう。

しかも、異性であれば、同性同士より共通項がすくなくなるから、女子会ランチみたいな盛り上がりにはなりにくい。
更には、アルコールも入らないとなると、シラフなので男同士の飲み会のテンションのノリにもなりにくい。
喫茶店という人目のあるロケーションなので、手持ち無沙汰でイチャイチャしてなんとなく場を持たすなんてスキル(?)も通用しない。

齋藤孝さんいわく、たしか「話がつづくということは、お互いの中にある偏愛マップでつながりが多くなっているはず」みたいなことを言われていた。
偏愛マップとは、自分が興味があり愛してやまないことを紙に書き出し、そこからまた枝葉がわかれるように、連想するワードをひろげて書いていくような、自己探索の方法だ。

齋藤孝さんが教えている学生さんに、マップを書かせて、それを互いに見せながら話をさせると、共通項がおおいペアほど話が弾んだ、みたいなことだったとおもう。
齋藤氏の言葉を借りていうなら、「気持ちが絡むようなおしゃべり」ができるのだそうだ。そんな相手に出会えると幸せだ。
「あーそれしってる」みたいな、流行りの知識を確認するような会話とは全く違うだろう。

今の時代だと、好きな者同士であっていても、すぐにスマホをみながら話してしまうのではないだろうか。

それはそれで楽しいし、興味が広がるものだけど、たまにはスマホ無しで、喫茶店で話してみるのもいいかもしれない。

私と主人の場合ではあるが、結婚する前の交際時、そんなかんじだった。
育った場所はちがうのに、不思議と共通項が多く、話が尽きない。
さすがに今は、子供がいるから、二人だけで2時間話すような機会はないけれど、話しだしたらずっと話してて、子供が嫉妬して話に混ざろうとしてくるほどだ(笑)。

過去に御縁があった男性をふりかえってみると、どれだけ「素敵だな」と思っても、ふたりきりで話すとお酒がないと話が弾まない人もいたし、印象が良くてもお酒と食事があっても1時間しか場がもたないひともいた。
逆に、私が話し下手でも、相手の話してくれることが興味深くて勉強になって、聞いているだけでいつまでも楽しい相手もいた。特に本や映画や音楽の趣味があうと、いつまでも楽しかったものだ。

だから、タイトルのとおり、喫茶店で2時間もつ異性(もちろん、好きな相手なら同性でも)というのは、つきあうのにとても相性が良いと思う。

スマホが手放せない今だからこそ、時にはスマホをカバンにしまって、コーヒー片手に語り合うと、互いの深いところを知り合えてさらに好きになれるかもしれない。

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