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北海道編⑨【開陽台の地球は丸かった】四輪紀行

開陽台の地球は丸かった

2022年6月22日。R334 知床国道を北上、知床半島に向かった。オシンコシンの滝はトンネル入口の手前、国道のすぐ脇にあった。駐車場の端にある遊歩道を上がると滝のすぐ近くまで行くことができ、激しく流れ落ちる水しぶきがマスクをした顔にも感じる。滝つぼから国道をくぐってすぐのところが海。初日に見た雄冬岬の滝もそうだった。

オシンコシンの滝

道の駅 うとろ・シリエトク 近くのガソリンスタンドで満タンにした。こちらに来てからは、朝の早いうちにガソリンスタンドを見つけ、最初にピッとなにかを感じたところで満タンにして一日を走るパターンになっている。道の駅は横に長いキレイな施設で、近くには先日不幸な事故があった知床遊覧船の乗り場の案内があった。スタンプを押し早々に知床五湖方面に向かった。

知床五湖の駐車場(500円)に車を停めた。かなりの観光客が来ている。案内板を見ると遊歩道は長短いくつかのコースがあり、高架木道は無料で自由に散策できるが、それ以外はなんらかの規制がされているらしい。楽そうな高架木道のコースにして歩いていると、木道の両側一面に背丈の低い笹のような植物がずっと広がっている。経路の所々に展望所があり、どん詰まりの展望台からは第一湖がよく見えた。雲が切れだした空には知床の山並みが見え始めた。ベンチに座ってしばらくその景色に見とれていた。

木道高架のどん詰まりにある展望台

今の時期、カムイワッカ湯の滝への道は一般車の乗り入れができるようなので行ってみた(行こうとした)。入口からダートが始まるが、砂利が少し浮いている程度の路面。気にせず入って行った。しばらく走っていると凸凹が激しくなり、ストロークが短く固いサスの車体がバンバン跳ね、地上高が少し低い車体の底を打たないか心配になってきた。ナビを見ると滝までまだ 10km近くある。このまま進む自信がなくなり、残念だがくじけて引き返すことにした..^^

R334 に戻り標高をどんどん上げて行くと晴れ間に山の緑が織り成す景色がキレイ。知床峠の駐車場に車を停め降りると、帽子のような白い雲を被った羅臼岳が真っ青な空を背景にくっきり見えた。

知床峠からの羅臼岳

国後島の山並みが雲海の上に突き出ているのがすぐそこに見え、北方領土のひとつがこんなに近くにあることを気付かされた。近くにいたツアーのバスガイドが、これだけ綺麗に見えるのは珍しいとも説明していた。

雲海に浮かぶ国後島

峠を羅臼側に下りたところの道の駅 知床・らうす で昼食にしようと思い休憩。駐車場は満車だったがなんとか 1台分の空きがあった。店内に入ると知床食堂の前は長蛇の列。人気店とは知らず、確かにメニューを見ると値段も安くて旨そう。ただ待ち時間が分からないので並ぶのはちょっと..と思い、売店でホッケバーガーと知床深層水の青いソフト買って店の外へ出た。防波堤の前に座って軽い昼食にした。

野付半島の先にあるネイチャーセンターに向かった。海にずっと突き出た道を行くと、先端に近づくにつれて道路脇に広がる湿地からは白い煙のようなものがあがっていてちょっと不気味。

野付半島の湿地

センターでビッグホタテバーガーをテイクアウトし、前の海を見ながら追い昼食にした。センターの横には大きなトラクターが客車を引き湿地帯を遊覧するバスの乗り場があった。

ビッグホタテバーガー

駐車場に停めた車に戻り、明日の釧路の宿泊予約をしておこうと思いあちらこちらの宿に電話したが、道民を対象にした旅行支援をしているためかどこも満室。ようやく超安い宿がとれた。どんなところかは行ってからのお楽しみ^^

日没までまだ時間があり青空が広がっているので開陽台に向かうことにした。ナビの誘導に任せてまっすぐの道を行くと展望台に着いた。車を降りて見た景色の凄さに心の中でスゴイッ!と絶叫、360° 見渡せる緑の絶景が広がっていた。
ずーっと向こうまで広がる牧場には、黒と白の小さな粒になって見える牛たちが寛いでいる。地球が丸い星だというのが分かる濃淡のある緑の地平線というものを初めて見た。両腕にサブイボが出て言葉で言い尽くせないほどに感動する素晴らしい景色で、その場を立ち去り難かった。

開陽台 牛たちの粒


開陽台 緑の地平線

今夜は中標津泊。ホテルにチェックインしたあと、周辺マップを見ながら街をうろうろしようとしたが、結局ホテル近くの蕎麦の看板が出ているお店に入った。

カウンター席のひとつが空いていたので座った。私と同年齢ぐらいの先客グループが楽しそうに昔話をしていて居酒屋のような雰囲気。酒を飲まずに蕎麦だけでもよいかお店の人に聞くと、昼は蕎麦、夜はお酒と一品も出して営業されているとのこと。カレー南蛮蕎麦を頼んだ。

以前は、自宅では毎晩風呂あがりから寝るまで数種類の酒を飲み、旅に出たときには居酒屋に入って地場の日本酒を呑むのが好きだった。1年半ほど前にいつものように風呂上りの酒を飲んでいるとどうも酔い方がヘンな感じがして旨いと思わなくなった。そのときから酒をピタッとやめ、今のところ特に飲みたくなることもなく過ごせている。そのおかげかどうか分からないが腹周りの脂肪はかなり削げ落ち、ズボンの腹囲はスカスカになった^^

カレー南蛮蕎麦を美味しく頂き宿に戻った。

北海道編⑩【釧路湿原はグラデーション】に続く



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