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大企業からスタートアップへ転職して失敗した話①

2021年に人生初の転職をしました。

いきなりタイトルに反することを書きますが、転職して本当に良かったと思っています。ただ、残念ながら100%大満足の転職ではありませんでした。「この選択は本当に間違ってなかったんだろうか」とか「もっとこうしておけばよかったんじゃないか」と思うことがこれまでに何度もありました。

そこで、もしもう一度転職する必要が出てきたときの自分ために、あるいは、過去の自分と同じような境遇で転職しようか悩んでいる人のために、今回経験した転職についてまとめておこうと思います。

少し話が長くなりそうなので3回に分けて書いていきたいと思います。

  1. なぜ転職しようと思ったのか

  2. どのように転職活動をしたのか

  3. 何がなぜ失敗だったのか

今回は第1回目として、自分がなぜ転職しようと思ったのかについて書いていきます。

このままで良いのだろうかという漠然とした不安

まずはじめに、前職までの自分のキャリアについて簡単に触れたいと思います。

大学・大学院では機械工学を専攻していました(研究分野としては機械工学ではないのですが、今回のテーマとは直接関係ないので、そのあたりのことはまたの機会に触れたいと思います)。コンシューマー製品の開発に携わりたいという思いから、新卒で入社したのが前職の会社でした。売上数兆円、従業員数十万人の日系大手電気機器メーカーです。

幸い希望通りの部門に配属され、いろんな方の力を借りながらではありますが、入社5年目で自分が一から新規設計した製品を世に送り出すことができました。これまでの人生の中で一番幸せな瞬間でした。

順調に思われたエンジニア人生でしたが、次の担当製品の開発中に転機が訪れます。

次に担当したのは低価格帯の製品でしたが、メカ的にはほとんど新規要素のないいわば現行製品の焼き増しのような製品でした。前の担当製品に比べるとあまり楽しい開発ではありませんでしたが、少しでもコストダウンできないかなど自分なりに必死に開発を進めました。

ところが、以前からの事業業績不振によって製品開発計画が見直され、担当製品の計画がまるっと1年先延ばしになりました。それに伴い、それまで自分が1年かけた仕事の大半がやり直しになりました。

この件だけが理由ではないのですが、市場縮小に歯止めがきかない業界であったので、今後も同じようなことがあるんだろうなと考えたときに、このままこの会社で働き続けるので良いのだろうかという漠然とした不安を抱くようになりました

もやもやの原因は2つのギャップ

漠然としたもやもやを解消すべく、まずはじめに自分が行なったのは問題の明確化でした。その結果、自分が思い描く理想と現実との間の2つのギャップが自分の抱える一番の問題であるという結論に至りました。

2つのギャップ

ギャップ①|現在のギャップ

自分にとって理想的な働き方と今の自分の働き方のギャップです。

年収や人間関係など人によって仕事に求める条件のプライオリティはさまざまだと思います。もちろんお金も大事ですが、今の自分にとってはいかにワクワク仕事ができるかが一番大事だと思っています。

自分がワクワクを感じる要因はさまざまありましたが、流用設計ばかりでチャレンジングな仕事がほとんどできない前職では、ワクワクできる仕事はほとんどありませんでした。

ギャップ②|未来のギャップ

この先の将来(10年後20年後あるいはもっと先)のなりたい自分と、今の環境でこのまま働き続けたときになるであろう自分とのギャップです。

大企業では積み上げられたノウハウや完成された開発フローのおかげで、仕事をこなしていけばある程度技術が身に付きますが、細かい分業体制のためそのスキルは製品や分野に大きく依存します。成長産業のスキルであればまだ良かったのですが、自分がいたのは右肩下がりの斜陽産業でした。

将来的に別分野の製品開発に挑戦したいと思っていた自分にとっては、製品や業界にある程度依らず活躍できるエンジニアになるのが理想でした。しかし、前職の会社でそのまま働き続けた場合に、その会社以外では働けないエンジニアになってしまう可能性がありました。

解決手段の一つとして「転職」という選択

続いて、この2つのギャップを解消する方法について検討しました。

まず思いついたのは担当製品を変えてもらうことでした。
ひとまず上長に相談し、所属部門で新規分野の開拓を行なっているチームへの異動を希望しました。1年程度様子をみましたが、全く検討されている気配がなく、見通しの立たないこの方法は断念しました。

次に、社内制度を利用して他の事業部門へ異動することも考えました。
タイミング的な要因もあり、残念ながら自分が面白いなと感じる製品や職務はありませんでした。また、どうせ今の人間関係(この点に関してはとても満足していました)を捨てるなら、外に目を向けてもいいのではないかという結論に至りました。

まとめ

毎日ワクワク仕事をするため、また、5年後10年後に製品・業界に依らず活躍できるメカエンジニアになるために転職を決意した。

次回はどのような転職活動を行なったのかについて書きたいと思います。

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