「丁寧な暮らし」とは目の前にある大事なモノを大切に扱うことだと思った日の話
「丁寧な暮らしがしたい」
私は今までこの想いを持って生活していた。
そのために心がけることも多々あった。
器好きな会社の先輩に誘ってもらって島根県内の窯元巡りの旅に出た、先週末の出来事のこと。
正直、器にあまり興味はなかったのだけれども、何故先輩がそこまでハマるのか?気になった私は、お誘いにその場で乗ってみたのだ。
初めての島根。松江、出雲への旅。
一言で言ってしまうと、「丁寧な暮らし」とはこういうことなのではないかと感じる時間になったのだ。
これまでも思っていたことながらに、感覚的に言葉をアップデートし、研ぎ澄ましたような感じだ。
出西窯という、出雲市にある窯元でのこと。
ここは出西ブルーという蒼色の器が有名。
(写真では明るさで色が飛んでしまっているので、
ぜひ実際に足を運んでほしい)
確かに綺麗。
思わず息を飲んだ。
(ここでは見学をすることができ、職人さんが一つひとつ真剣に
向き合って作業されている姿にも感動した)
「とりあえずペアで用意しておけば大丈夫よ」
仙台で一人暮らしを始めるときに母からもらったアドバイス。
バタバタしていて、右も左も考える余裕がなかった当時、ニトリで家具と一緒に色々な大きさの白いお皿を揃え、今もそれを貫いている。
しかし大きいお皿を中心に、それらがフル稼働することもなく、今の家の食器棚はすでにほぼいっぱい。
ペアで買うこと前提にしていたからこそ、何だか手を出しにくいモノでもあったし、お皿ごときで…と思う私もいた。
でも違った。
もちろんニトリを否定する気持ちは全くない。シンプルでむしろ好き。笑
だけれども、買うことを決めた時に、(こんな気持ちで買った器であるという)宿った気持ちと共に、モノを末長く大切にすること自体が「丁寧な暮らし」なのだと感じたのだ。
所有するモノは少なくていい。
それよりもモノを選ぶときに、気持ちが傾くかどうかも気にしていきたい。
そう感じるようになっていった。
この気持ちになったのも、出西窯の裏手で経営しているカフェで先輩と話をしている時。
先輩も年齢を重ねるに連れ、興味を持っていったと聞いた。
今回、私の家に仲間入りしたモノはそんな気持ちになる前に買ったが、
・心休めたい時は少しかわいいマグカップでコーヒーでも飲みたい
・毎日温野菜を食べているけれど、週末は少し凝ったモノを食べたい
と思った気持ちは変わらない。
陶器デビューの器はこれから大切にしていくだろう。
10月から消費税も10%になった。
軽減税率も適用されているからなのか、そこまで2%の差を痛感する出来事はまだないが、モノの量にはこだわらず、あるモノを大切にしていきたい、そう思っている。
貧乏性な私だからこそ、安いから買っておこう・タダでいただけるモノもありがたい、もったいないという気持ちにもなるが、この価値観を見極める時が来たように思う。
食器類も使っていないモノは処分をして、また新たな生活をスタートすることにした。
初めての経験と共に、たくさんのことを考え、また新たな私に出会うことができた、2019年秋。
何だか少し大人になった気もしたのだった。
ありがとうございます。今の私はたくさんの人生の先輩方にお世話になったからこそだと感じています。いただいたサポートでは、後輩が迷った時に話を聞く際のカフェ代に恩送りさせていただきます。