植田晴人

短編小説を投稿しています。ジャンルは主に社会派。たまに恋愛/青春/ファンタジー。物語の…

植田晴人

短編小説を投稿しています。ジャンルは主に社会派。たまに恋愛/青春/ファンタジー。物語のアイディアはジョギング中に思い浮かびます。不定期投稿。(現在、活動休止中。再開は未定)詳しくは固定記事まで。

最近の記事

  • 固定された記事

noteの基本方針【重要】

この度、note始めました。フォロー前に読んでもらえるとありがたいです。 noteに投稿を始めたキッカケ学生時代から原稿用紙に小説を書いていました。小説と言っても原稿用紙10枚程度です。もともと読書好きでは無かったのですが(それでも数冊は読んでいましたが)、東野圭吾さんの『手紙』を読んで、読書の深みにハマりました。月に何冊(10冊以上)も読むので、読書数は100冊を超えました。読書を始めてからというもの、色々とアイディアが思い付き始める→自身の作品を自身の中で止めておくの勿

    • 音【小説】

      音が聴こえる。この音は機械で作られた電子音だ。自分の両耳から伝わる。イントロで分かった。この曲は20年以上前に爆発的に流行った曲だ。いまでも忘れるわけもなく覚えている。当時、爆発的人気だった3人組グループの曲だ。自分自身も流行に流された一人だった。流行りに乗って、このグループの他の曲も沢山聞いていた。曲のテンポが良くて、思わずリズムに乗ってしまう。音楽って最高なんだよ。 僕は寝る前の楽しみとして、深夜ラジオを聞いていた。『懐かしの曲』というラジオコーナーで、リクエストされた

      • 二人日記【小説】

        ・4月21日晴れ 突然ですが、交換日記をしませんか?私の名前は沙也加です。あなたの名前を教えて欲しいです。返事を書いてもらえたら、朝8時に同じ靴箱に入れて欲しいです。一日に一人のペースで交換したいです。って突然こんなことを言われても戸惑うよね。嫌だったら、この交換日記を捨ててもいいよ。 ・4月22日晴れ 僕はタカシといいます。朝、普通に登校してたら、このノートが合った。突然過ぎて動揺しています。何から聞けばいいのかな?これでいいのかな。お返事お待ちしています。 ・4月23

        • 思い出まんじゅう【小説】

          僕は父と母が嫌いだ。二人は、いつも喧嘩ばかりしているからだ。大きな声で怒る父とヒステリックに喚く母。夜中に聞こえてくる二人の喧嘩の声を布団の中で蹲って聞いている。そのせいで、なかなか寝付けない。そんな夜はイヤホンで好きなバンドの曲を聞いていた。この瞬間だけが、現実世界から離れられる。それでも喧嘩の声は少し聞こえてくるので、音量を最大限にする。チャキチャキと鳴らすエレキギターの音。低音ベース。ドラムのリズム。まさにロックンロールの集大成。中学生になったばかりの僕は他の同級生より

        • 固定された記事

        noteの基本方針【重要】

        マガジン

        • これだけは読んで欲しい!おすすめ作品まとめ
          7本
        • 小説・シリーズ物
          8本

        記事

          人身事故【小説】

          ※この小説はショックの強い表現が使われているシーンがあります。苦手な方や心臓の弱い方・パニック障害を発症した方などは閲覧をお控えください。 プロローグ 機械的な音を鳴らしながら電車が近づいてくる。この場所に来るように言われたけど、どういうことだろう。何故このホームで待ち合わせなのだろう。駅前にある潰れかけの喫茶店でも良いではないか。指定された時刻に言われた通りに来てみた。ホームに立っている人はまばらで、ざっと30人くらいか。反対側のホームも同じような人数が居る。スーツ姿の

          人身事故【小説】

          原因【小説】

          プロローグ今日も会社が終わった。3時間ほど、残業したので、いつもより遅い時間の帰宅となった。遅くなるので、妻にLINEを送った。『今日は遅くなるから』とメッセージを打つ。去年から新しく始まったサービスなのだが、なかなか使い勝手がいい。ユーザー数も右肩上がりで増えてきている。2010年代に入って便利な世の中になって来た。2008年に登場したスマートフォンという機種が人気急上昇中だ。 いつものように満員電車を降りて、暗い夜道を歩く。駅前の店はシャッターが閉まっていて、人通りは少

          原因【小説】

          あなたのことが嫌いでした【小説】

          「おなたのことが嫌いでした」 言葉にしてハっとする。いや、頭の中では好きという感情なのにどうして私はこんなことを言ってしまうのだろう。 私の頭の中には、感情が高ぶった時に、考えている事と言葉に発した時の言葉が真逆になる仕組みが宿っている。例えば、頭の中では好きと考えていても、言葉に発すると『嫌い』と言ってしまう。自分でも制御できない、この気持ち。うまく伝えれなくてもどかしい思いをしてる。どうしたら本当の気持ちを分かってくれるのだろう? 第一章 頭の中の気持ち私が小さい頃

          あなたのことが嫌いでした【小説】

          竹藪演出事件【小説】

          人を殺してしまった・・・ 北海道の八雲町。雪が多く降る日、人を殺してしまった。なして。殺意なんて無かったのに。 殺すまでの5分前 僕は海の見える町の路地を歩いていた。昼の光が眩しい。大きな魚が釣れなくて、こわくって気分転換の散歩をしている。歩けば雪を踏む音がする。雪を見ながら歩いていたが、別の足音に気付いて顔を上げると前方に黒ずくめの大きな男が居た。痩せていて180cm近くある。その姿から大きな鉛筆を想像した。 その男と目が合った。その瞬間、直感的に殺される恐怖を覚え

          竹藪演出事件【小説】

          氷山の一角【小説】

          第一章 学生生活 周りを見ると真っ白な世界が広がっている。雪の冷たさと白さを感じながら立っている。地平線とまでは言わないが、この広大な土地に終わりがあるのか分からなくなりそうなくらいに広い田んぼが連なっている。ここは東北のとある田舎町。長いスカートを穿いているのに、膝から下が寒くて凍りそうになる。無意識に吐く息が白く染まる。その煙から父の吸っていたタバコを連想する。突然の風で長い髪がなびく。今日は卒業式の日。短いようで長い三年間が終わった日。人生の時間という概念では短いかも

          氷山の一角【小説】

          変身鏡【小説】

          お気に入りのカップを左手に、右手に歯ブラシを持って、鏡に向かって歯磨きをする。鏡は自分の本当の姿を表してくれる。鏡の前に立っている姿は、どういう表情をしているのかを鮮明に写し出す。そこに虚像は無い。目を閉じると聞こえるのは歯を磨く音と、止まることのない水の音。朝はどうして憂鬱になるんだろう。十分な睡眠時間を確保しているはずなのに、気分が晴れないのだ。 なぜ憂鬱なのか。この短い朝の習慣の中で自己分析をする。何回も考えたことがあるので答えは分かっている。そして、何回考えても同じ

          変身鏡【小説】

          地平線【小説】

          プロローグ 長い長い道を走っている。この道を表現するなら地平線という言葉が最もふさわしいだろう。車の助手席に乗っている須田賢治は、右アシストグリップに掴みながら右窓の外に見える砂漠に目を向けた。遠くを見つめても終わりがないみたいに砂漠が続いている。空は青い。まさに大自然の中を走り抜けている。場所はアフリカ州のスーダン辺と思っている。正確な場所は分からない。ただ、ハルツームは超えている。なぜ分かるのかというと運転手から聞いたからだ。よってスーダンを南下している途中であると予想

          地平線【小説】

          onceagain〜きっと上手く行く〜【小説】

          『人』に『生きる』と書いて人生。産まれてから死ぬまでを人生と言う。電車に例えると線路(レール)である。その道を自分という電車で進んでいく。進めば進む程、分岐点という名の選択肢に触れていく。基本的に電車は前に進む。それは人生も同で、前に進むか止まるしかない。止まって動かなるというのは何を意味するのか分かるだろうか。止まって動かない=死だ。生きている限り進んで行く。電車進行を人生で例えると過去には戻れない。もし過去に、いや人生を最初からやり直せるならあなたは何をするだろうか?

          onceagain〜きっと上手く行く〜【小説】

          南極大地【小説】

          空から雪が降る。結晶が落ちてくる。まるで雨みたいに落ちてきて雪が積もって雪景色になる。草や木の緑がある大地がそれによって辺り一面が白い世界になる。自然というのは不思議で神秘的で魅力的だ。皆さんは、そんな冬の季節は好きだろうか?寒くて凍えそうな時でも生きていかないといけないと感じる。そのような人間の生存本能が夏よりも一層強くなる。僕はそんな冬が好きだ。 1,雪が降ったここはどこだろう?寒さから目が覚めてしまった。地面は雪。どうやら雪の上で寝ていたようだ。大の字で寝ていて、目が

          南極大地【小説】

          カメラ【小説】

          一眼レフカメラを覗く。そこにはレンズを通して映し出された景色が見える。 ここは渋崎綾子というファッションモデルのマンション前だ。マンション前は公園になっている。その公園の端には大きく生えた草がある。そこに身を隠している。最近、俳優の高田と熱愛関係になっている情報を編集長から聞いた。俺の名前は真田真也。今年で30になる。編集社に勤めていて、週刊誌『スクープ事実』のカメラマンをしている。仕事内容は芸能人の不倫や熱愛を撮影してスクープ記事にすることだ。 カメラ好きの俺はカメラマ

          カメラ【小説】

          梅雨前線【小説】

          風が吹いた。 南から吹く風は自分のことを『生きているよ』と教えてくれるみたいだ。肌に風が来たよとメッセージを送ってくれる気がする。今日も、いつもの河川敷で空を見ている。春から夏にかけての季節では風が生暖かく感じる。空には雲が一つもなくて青い空が広がっている。思わず空に向けてポエムを呟きそうなくらいに自然を感じる。その風でキレイにセットしている長い髪が揺れた。 天気を眺めるのが好きだ。明日も晴れるといいな。心と天気は間接的に関係していると思う。雨の日より、晴れの日の方が機嫌

          梅雨前線【小説】

          幻交【小説】〜初投稿から二周年記念作品〜

          新条光子サイドNo.1 いつもの毎日 雪が空から降っている。キラキラと光る雪はたちまち地面を真っ白にした。季節は冬。ガラス張りなので仕事中に外を見渡せる。外を見ると薄く積もった雪の上をコートに身を包んで歩いている人が沢山居た。ここ東京・銀座では何日間か続けて雪が降っている。クリスマスが近づいているせいか、カップルが街を歩く姿が多くなったような気がする。宝石店で結婚指輪を探し求めているのかと推測する。ほとんどの人が幸せなそうな表情をしている。帰り際、あのカップルやこのカップル

          幻交【小説】〜初投稿から二周年記念作品〜