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『鵺の陰陽師』(週刊少年ジャンプ連載)がクッソ面白いのでみんなアンケ送って❤の話

◆鵺の陰陽師

週刊少年ジャンプで連載中『鵺の陰陽師』。
現在7話まで連載しており、今週で単行本1巻分が終了というラディカル・グッドタイミングなのでこの記事を書き始めた。
とてもすごく面白いのでぼくは贔屓にしている。アンケも毎週送っている。

実はジャンプ春の四大新連載ではあまり期待していなかった。
前身となる読切版『鵺ん家』が特に感想が湧いてこない虚無な出来だっただけに、連載が始まったらさてどうしようかなと少し悩んでいたのだが、いざ蓋を開けば良い意味で予想を裏切ってくれた。

というわけで今回、未読者想いじゃねえかと褒められるようなPR記事を書こうと筆を手に取ってみたわけだ。いけぇー!!全員で沼に追い込むぞ

◆変な漫画だが王道は押さえている第1話

第1話の流れを簡単にまとめると、主人公・夜島学郎がひょんなことにより、女性の姿をした幻妖・鵺と出会う。突如謎の幻妖が教室を襲撃し、奴を倒すために夜島は鵺と契約、これにて幻妖を祓った――――

如何にもジャンプ漫画の王道を往く構成だ。
人によってはテンプレと言ってもいいかもしれないし、それ自体は否定できない。「謎のクリーチャーが出現」「力を手にして敵を倒す」というのは如何にもジャンプ第1話のオーソドックスなフォーマットである。
別にジャンプだけに限らない黄金パターンなのだが。どちらかというと、ジャンプよりも昔の学園バトル系ライトノベルに近い印象を受けるかもしれない。そういうのが好きな人に刺さるならオススメだ。ぼくはMF文庫アニメが大好きです!

もうひとりの主人公・膳野くん

だがしかし、この第1話。
膳野くんがクッソかっこよさすぎて、マジに心を動かされてアンケ2位で送った。

ハッキリ言って、第1話は賛否両論なのは否めないし納得している。
特に目新しい要素がないという批判も、膳野くんが濃すぎて夜島くんや鵺さんの印象が薄まっているのも納得でしかない。何故ブリーフ装備なんだという一見ふざけている謎ノイズも批判点になるかもしれない。

だがそれを受け入れてまで、ぼくは膳野くんに惹かれた。
本作随一の邪道要素がまさに彼だ。外見はキノコヘアーメガネ。一見陰キャ扱いする奴はいるかもしれない。ところが導入部、モブにパシられたら逆に啖呵を切ったことからこの漫画は「少し普通ではないな…?」と雰囲気がふわっと変わっていく。

代わりに夜島くんが肩代わりにパシリを任せてやれば、膳野くんが夜島くんのメシ代もタダでやる良いヤツムーヴでさらに好感度急上昇。
ぼくは「これ膳野くん後半敵化しそうだよね」と邪推してしまったのだが、だがそんなマイナス要素を振り切るような予想の裏切り方が素晴らしかった。当然、良い意味でだ。

椅子を盾にして戦うのが地味にクレバー

幻妖が襲撃すればモブの腕がチョンパされるなどパニックホラーの体制を取りつつも(今見るとスゴい事態だったんだな…)、ここで膳野くんが非力なりに体を張ってくれたわけだ。

そんな彼に感化された夜島くんは助けなくてはと意思表明、これを鵺さんが気に入り契約、見事撃破という流れだ。この「力が欲しいか?ならばくれてやる」めいた一連の流れは黄金パターンである。
だが、「膳野くんを一刻も早く助けなくては」という必然性があるから展開にしっかりノレるのだ。

第1話でこれができているからぼくに刺さりまくった。
「王道」の二文字がいつの時代も廃れず現存している意味をわからせてくれたと言っていい。

◆マジのガチで愛すべきバカども

この漫画の最大の見所さんであり、ノイズにもなりかけない最高におかしい箇所として、膳野くん含む異様なテンションのモブ男子どもである。

第2話は担任の先生が幻妖に取り憑かれたのでこれをどうにかするよくある話なのだが、まず膳野くんをはじめとするクラスメイトの連中が押し相撲のように壁に追い込む。

実は掲載当時、こいつらも幻妖に取り憑かれているような異様なテンションに真面目に恐怖していた。なんだかクラスのみんなのノリが一気によくなっていたので正直ついていきづらかったのだが(最終決戦で一致団結するノリのようだった)、今現在読み直すとこれがこの漫画のデフォテンションなんだなと改めて受け入れられるようになった。もちろん、2話掲載時点では賛否両論だったのはまだ変わらない。

個人的に本作の評価が大きく高まったのは第5話だ。
夜島くんは本作のメインネームドのひとり・周防七咲に「こいこい」とジェスチャーをかけられたのだが、

東方定助のごとく「オレェ?」と自分のことだと勘違いするクラスメイト。

ここでこいつらが「愛すべきバカども」に印象が大きく転じた。
「もしかして俺に気があるんじゃね??」とワンチャン賭けちゃってるのが年相応のバカ男子らしくて、理解できなくはない可愛げもある。こいつらのことを一気に好きにさせるパワーがあった。
膳野くんたち…!お前らそんなノリのいい奴らだったのか!

続く第6話では新キャラ・藤之代葉が転校してきたのだが、「皆が気付かなくても俺には分かる」と謎のマウントスタンス。
こいつらは「この子は俺がいただく」と狙っているのだろうか、下心がミエミエにならないように謙虚な表情をしながら心の中で欲が出ていそうなのが面白いし、自分だけ気づいているとマウント取れているようで全然取れていないのがものすごくバカで可愛げがある。

個人的に超大好きなシーン。
夜島くんの隣の席が代葉ちゃんになったことで彼の席へ集まりにくくなったことに危惧するも、「でも集まろ」とポジティブシンキングになる膳野くんが好きすぎる。
面白いギャグとして描かれていると同時に、膳野くんがどんだけ友達想いなのかが伝わってくる、更なる好感度爆上げシーンなのだ。
正直な話、膳野くんは『チェンソーマン』のデンジくん以来にマジのガチで友達になりたい名脇役アイドルだ。

こんなふうに、毎週出番があるわけではないがクラスメイツが面白すぎる漫画だ。男子校のノリと言ってもいい。個人的には『バカとテストと召喚獣』『ぐらんぶる』の井上堅二先生の作風に近いのではないかと考えている。かわいい女の子と野郎(バカ)どものバランスが絶妙なのも共通点だ。

◆性癖がわかりやすいヒロイン

本来推すべき本作のウリも紹介すると、やはり女の子キャラだろう。ラノベっぽい作風も相まって、そっちを期待する人は多いかもしれない。現時点では三名の女性キャラが登場している。

タイトルを冠する、高Lvの幻妖・鵺さん

第3話から登場する、頼れる先輩にして陰陽師・周防七咲。

そして第6・7話に登場した謎の転校生、藤乃代葉

おっぱいがでかくて母性のある人外お姉さん、おっぱいがでかくてあざとさのある先輩、おっぱいがでかくてダウナーな転校生。
性癖を隠しきれていない三連星だが、ぼくは作者の性癖がモロに出ている漫画は清々しくて好感が持てるし応援したくなる。おねショタ大好き森島コン先生とか、いちゃらぶ100%の守月史貴先生とか、狙った需要を狙い撃ちしてくれる方は強く信頼している。

⚠️マゾ向けASMRのワンシーンではありません!⚠️

でもどちらかというと、作者の川江先生の性癖はASMRだと考えられる。
だって、鵺さんに膝枕されたり、代葉ちゃんに耳元で囁かれたり(本人は無自覚だと思う)、如何にもASMRあるあるシチュじゃん。特に後者はゲーマーカノジョが題材のASMRが元ネタっぽいじゃん。
ぼくは毎日ASMRを聴いている異常ASMR愛者だからわかる。皆が気づかなくてもぼくには分かる。

実は集英社は『あやかしトライアングル』『久保さんは僕を許さない』『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』といったアニメ化済ラブコメは精力的にASMR化しているので、本作も連載が続けばその可能性はなくはないだろう。
せな 令力を高める耳舐めASMRリリースせな集英社

因みに7月にはボイスコミックの配信が予定されている。ASMRではないし、これはジャンプ新連載恒例企画なのだが、あのシーンがどのように魂を吹き込まれるのか楽しみに待とう。なお既に読切版はボイスコミック化済だ。読切版と変わらないなら、鵺さんを演じるのは花守ゆみりさんで続投だろう。

ぼくはそこまでハーレムものは好きではないのだが、もれなく全員かわいい一面があっていずれも魅力的だ。鵺さんは自由気ままで徐々にフリーダム化していくのに今週ラストはかっこよかったし、七咲先輩は頼れる先輩でありながら忘れろビームの破壊力がすげえすごい。
代葉ちゃんはASMR適合者なので実際刺さっている。この漫画で笑いまくったと同時に素直にえっちだった。

というか、上述した野郎どものおかげでそんなに下品なハーレム漫画とは全く意識していないんだよな。そもそも、ぼくの中では膳野くんが面白かっこよさすぎる漫画だし。

◆やるときは決めてくれる主人公・夜島くん

序盤はあまり印象に残りづらい主人公の夜島くんだったが、それは基本的に彼が巻き込まれ役・流され役だからだ。非自発的ではないのだと言っておきたいし、徐々に主人公らしく印象が改まっていく。
第6話では代葉ちゃんに鵺さんと契約していることがバレそうになるも、握り拳で鋼の意志を見せるのは素直に主人公やっている。

話数を重ねるにつれて、自発的に主人公らしいピリオド担当になってくれる。あとここで述べるが、この漫画はアクションシーンも構図がかっこいいし、幻妖のデザインも使い捨てるには勿体ないくらい良い。なんというか、全然サンシタ感がないのだ。1話の奴もだったな。

でもこの子も生真面目なところが面白さを生み出せている。
この手のラキスケは健全たる青少年らしく、別に顔を赤らめたりしてもいいのだが、本人は真面目なキャラなのでそうならないどころか、クッソ必死に抵抗しようと面白い台詞回しを提供する、彼ならではの唯一無二の個性が生み出せている。
本筋とは関係ないシーンだが、意外とこういうのは大事だ。全然あって正解だった。夜島くんは4話でおもしれー主人公に覚醒しました。あと下心がない(本人がクソ真面目)なのでハーレム臭さが薄まっているのも地味に押さえておきたいポイントだ。

◆意外と高い構成力と読みやすさ

この漫画、5話までは1話完結形式であり、6話から縦展開として話が続いているのだが、今のところ変な造語がポンポン出てこないのでとっつきやすいし、とても読みやすいし。当たり前のこととはいえ、「最低限の情報を出す」エンタメに徹しているのはとても好感が持てる。

そも、情報はこれから少しずつ出していけばいいのだ。
ワンピだって、ブリーチだって、チェンソーマンだって、なにもいきなり1から10までこちらから説明を求めているわけではないからな。

令力ってなんだよ

…まあ最新7話でエロシチュやってる最中に「令力」なんて新概念が登場したんだけど、これはなんとなくの理解でいいだろう。呪力や巫力のような高いほどスゴイパラメータ的概念なのだと。ていうか川江先生はある程度読者を信頼してこの概念を出したんだろうなあ。

以前この記事を書いたのだが、本作は見事に好例に当てはまっている。
名前が覚えやすい、特に作中のみんなが幾度も「夜島」「学郎」「夜島学郎」と呼んでくれるのは地味にポイントが高い。出来ていて普通のようで、徹底づけるべきことが出来ている。

夜島や膳野は実在していない苗字だが、発音自体はいたって普通なので、もしかしたら実在しているかもしれない?という謎の錯覚に至れる。
膳野は膳野くんがマジに良いヤツなのを主張⇒善⇒膳野から来ていると考えられる。
また、これは皆が気づかなくてもぼくには分かることだが、「鵺(夜鳥)」「夜島」と似た漢字で構成されているのも地味にポイントが高い。今後対照的なライバルキャラが出てきたら上下漢字を組み合わせた高Lvの幻妖が出てくるのかもしれない。今週7話ラストでは「狂骨」が登場したが。
因みに参考までに、読切版の敵幻妖は玉藻だ。………どんな漢字で言葉遊びすえばいいのかわかんねえ!!

あとこればかりは君たちの目で確かみてみろ案件なのだが、今週7話は1巻分のトリを飾るだけあって、素直に続きが読みたくなるカッコイイヒキになっている。その点も計算していると思うとスゴイ。

◆まとめ

バトル、ギャグ、ラブコメ、ギャグ、ギャグ、ASMRが全部詰まった闇鍋新感覚漫画。

というわけで、恐らく今から読んでもついていける漫画だと思います。
よく分からない人は「王道の退魔もの」「モブが面白すぎてこれだけ楽しめれば大丈V」と受け取れれば楽しめると保証しておこう。
でもチートスキルみたいな存在している面白モブがいなくてもしっかり面白い漫画だと最新第7話で証明された。完璧じゃねーか。

アンケは…実際取れているのかどうかわかりません。
けれども今週7話掲載の今週号は20作品中5位。もう新連載補正切れしているかどうかはわからないが、控えめに言って結構高いほうだ。今週は『ワンピース』『呪術廻戦』が休載している影響もあるだろうし、次号で急落する可能性だって有り得なくはない。そこが本当に怖い。怖すぎる。先が読めないのだ。
毎週なぜかトレンド入りしているが、別にネットの反響がすべてではない。あまり鵜吞みにしないでおこう。

とりあえずセンターカラーを取ってから一安心したい。
最近はひとつふたつ取れてもフツーに打ち切られている漫画があるから、なかなか油断できなくてきびしいが。それでも精力的にアンケを送ろう。

本記事にスキを送っていただけると勿論大変嬉しいが、それ以上にアンケをよろしくお願いいたします。
ぼくは末永くこの漫画を読みてえんだよォ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!

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