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『ミギとダリ』第11話「さかさまの女」感想 ミギとダリ、そして瑛二の誕生秘話 物語は更なる混沌へ…


◆これまでの感想

◆メトリー

そうはならんやろ!なっとるやろがならんやろ!!
前回イラストから今週アバンはシリアス全振りな雰囲気だった。いよいよメトリーについて真相が明かされるわけだが、初っ端からギャグブチ込むのはまあ確かに変なものがひとつ判明したんだが…

でもこの顔はちゃんとミギダリに遺伝されているんだなあとほっこり。メトリーは回想時点だとミステリアスな印象があったのだが、今回のドジっこムーブと併せてなんだか意外だ。可愛げもある。そうでありながら解像度が高かった。蛙の子は蛙。そりゃあミギダリもあんな子になるわけだわ。
…そのミギダリも最初はミステリアスな印象だったんだよな。う~む実に感慨深い。数年読み続けた原作読者なら猶更ソレだったろうな、とちょっと羨めている。

瑛二ママ、もとい怜子の目的は幸せな家庭を築くこと。
それがメアリーの登場によって打ち砕かれたそうだが、そんなふうには見えないどころか寧ろ仲睦まじい関係だ。ミギダリと瑛二くんもこのような可能性が有り得たのではないか?と思わせるように。

◆怜子に悲しい過去

自然妊娠は難しい、つまるところ子供が産めない体質だと判明した。
だから疑似家族を築いていたのか…それだけでなく、本当に自分が産んだようにミギや瑛二くんを赤子から育て直す様子が見られたのも極めて納得である。
まあだからってカワイソウとは同情できないほどやらかしやがったんだけどなこの人。『鬼滅の刃』の無惨さまのような、悲しい過去持ちでもそれ以上のやらかしのせいで救わせたくない、同情できない悪役なのは正しい判断である。みっちゃんを刺したのは絶対に赦さないよ。

家族が欲しい故に、怜子はメトリーを自分の旦那と身体を交えて出産させる。なんと言えばいいのだろうかこれは。代理出産?セルフNTR?いやそれよりもメトリーを自分の一部と捉える怜子の狂気がヤバすぎる。マジで道具扱いじゃん…こんなん同情できねえよ…

怜子脳破壊案件。
といってもこれ、旦那からすれば見事に浮気なんだけど、子供が産めない事情を知った上でのこの行動なんだろうか?よく今も一緒に寝ていられるなあ…責任重大だと思うが。

これが悪魔の女…
といってもあくまで怜子からすればこのように見えたわけで、メトリーは運命に踊らされた道化に過ぎない。こうして旦那とラブラブな関係になっても、勝手なことをやらかした怜子の自業自得じゃねーかとしか言いようがないわけで。逆恨みもいいところである。

◆罪と罪

コワイコワイコワイ!!もうお前だけラクーンシティで召喚されてろよ!!這い上がる姿が人間じゃないんだよ!!
この後ナイフをスッと掴んで投げ捨てるのも身体能力がエグすぎる。やっぱり人間じゃないだろこの人。

思い…出した!(全然関係ないけどワルブレも来月で9年前なんだなあ)

過ちは二度繰り返す。
だがそれを差し置くほどの衝撃が、「俺たちは兄弟だ」という爆弾発言だった。

◆三つ子

マジかよ…
これじゃあ『ミギとセンターとダリ』じゃん…

主人公と対となるライバルキャラが実は生き別れの兄弟ないし双子だったという衝撃の事実は稀によくある。『トリコ』『SKET DANCE』『キルラキル』あたりがぼくの中で連想させられる先駆者だろうか。まさか本作でもそのネタをやるとはな…
まあ瑛二くんの実親が知らない新キャラだとリアクションに困るし、実はミギダリと血を交わしていたほうが確実に衝撃を食らう。不慮の事故でありながら実際には親殺しだったという悲しき構図と成り立ったのだ。

ところで三つ子なのに何故瑛二くんだけ髪色が異なっているわけだが、これは実際有り得るケースらしい。先にミギダリ出生、その後に瑛二くんが出生といった流れが想定される。黒髪なのはやはり父親の影響なのだろう。

メトリーが頑張って産んだというのに、まるで自分が産んだと思い込むように勝手に瑛二くんを引き取る怜子マジサイコ。そしてメトリーとミギダリはここで暮らした…点と点が繋がった。

「瑛二」という名は怜子命名によるが、本来ならメトリーはなんと名付けるつもりだったのだろうか?そも何故ミギとダリなのかがまず解明すべき謎だが。三つ子であるはずが双子にされた事実を知れば、更なる意味を追求したくなる。

瑛二くん曰く、メアリーから「帰ろう兄弟の元へ」と声をかけられたとのこと。クリスマスの日に外から侵入してきたのは謎シチュだったが、そうしてまで実の息子のひとりを助けてあげたかったのだろう。…結果としては親子と知らず、あのような結末なのだが。

しかしミギダリは実の兄弟だとは信じ切れていないのか。まあ、信じられないよな。回想がなによりの証拠になっているが、実際にそれを見るメタ演出なんてやれるはずがないし、母を殺した瑛二くんの言うことを鵜呑みにするのは彼ららしくない。
丸太が兄弟の件に気にかけてくれたのはやっぱり良い奴。

◆逆転に次ぐ逆転

2階から突き落とされても意識はあった怜子。タフだな…と思いつつも、まあゾンビみたいなやつだからな…と変に納得している。しかし後頭部の出血エグすぎるな。

「終わらせないと…」…??

ええっ!?まじで!?
と思いきや、華怜ちゃんのおかげで実は死んだフリだと判明かつ、この場から逃げてミギダリたちを閉じ込めてしまった。せっかく追い詰められたというのに、ここで逆転かあ~…!だがこれはこれで面白い。

血涙流しているとブッ壊れ具合がよくわかるな…
ここまででも十分やべーやつだったのに、回想でヤバさが釈然として、突き落とされてもまだ平気で、死んだフリして…ラスボスとして徐々に格が高まってきた。しかしながらしぶといのでそろそろ終止符を打ってほしいのが正直な本音なのだが…

えっ

えええええええーーーーーーーーーーーーー!?
お前がラスボスになるの!?

いやもう、「終わらせないと…」という意味深発言から殺りかねないんじゃないかという気がしてきたが、本来救われるべき立場である瑛二くんが罪深くなってしまった。あとは怜子を倒して終わりだと無難すぎる展開なのも想定していたが、ここまでは想定してなかったよ…したくなかったよ…残り2話でどんな過程を歩むのかマジで想像できない。
瑛二くんは「すぐ後を追います」と心中覚悟のようだが、なんとしてでもミギダリが説得してそれを止める展開に入るのだろうか?だとしてもそれをするようなキャラとは思えないし、そも今閉じ込められているし…秋山くんが助けに来てくれるのを待つばかりだな。

ドジっこメトリーとか、華怜ちゃんの膝小僧芸とか、丸太のオフィシャルボーイフレンド発言とか、丸太が怜子に唯一スルーされる不遇っぷりとか、今週もギャグ描写はあったのだが、これといった特大ネタはなかった。
というかシリアス係数が9割を占めているどころかあまりにも重すぎて、ギャグアニメなことを忘れるほどに見入ってしまった。本来の見所さんだったギャグが邪魔なノイズになるくらいお話がとても面白い。

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