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この世はエネルギーのフローでしかない

Energy Flow


Natureでは、毎週月曜日に全社定例Meetingをやっている。

その中で、今週のトピックとして、僕自身が考えていることやみんなに伝えたいことを話す時間がある。

以前に会社のメンバーから、「晴海さんが普段考えていることや思考のプロセスを共有することで、今なんでそれをやりたいのか、なぜそれが重要なのかがより伝わるのではないか」という提案をもらったことがある。

それもあって、全社定例では、事業を取り巻く環境のこと、組織のこと、プロダクトのこと、会社としての在り方のこと、トピックは毎週僕の心の赴くままにランダムに選んで話をさせてもらっている。

この数年は、組織のことをよく考えるようになり、その構成要素である人間のことを考えるようになり、そこからさらに生命や人類について考えるようになり、そしてその根源や意味を考える中で行き着いたのが、

この世はエネルギーのフローでしかない
This world is just a flow of energy

という結論だった。

今月の定例会では、冒頭で坂本龍一さんの「Energy Flow」のビデオを流しながらそんな話をしたので、備忘も兼ねてその内容を紹介したい。

(1999年に発売されたEnergy Flowの曲に20年の時を経て最近Music Videoが新しく創られている)


物質とエネルギー


「人間とは何か」ということを考えていく中で、人間を支配している意識がいかに幻想でそこから解く放たれることの重要性を感じていた。

これについてはアインシュタインの有名な言葉がその思想を的確に表現している。

人間は、私たちが"宇宙"と呼んでいるものの全体の一部です。時間も空間も限定された一部なのです。人は自分自身とか、自分の思考や感情などが、体のほかの部分とは切り離されているもののように考えています。これは自分の意識に対する一種の幻想です。

この幻想は一種の牢屋のようなもので、ここに入ると個人の欲望や自分に近い数人に対する愛情だけに縛られることになります。私たちは、あらゆる生きものと自然全体を、そのすばらしさゆえに抱擁するために、慈しみの輪を広げてこの牢屋から自分を解放しなければなりません。

そしてアインシュタインはこう続ける。

人間の真価は、自己からどのくらい解放されているかによって決まる。

意識的に、理性的に、切り離さない限り、人は意識の檻の中に閉じ込められていて、そこから抜け出せない。

意識を切り離して人間を捉えたときに、それはもう、DNAというアルゴリズムを持った物質(肉体)が環境の刺激によって化学反応を起こしながら生きている動物ということになる。そう考えていくうちに、物質が環境の刺激によって反応を起こすのことはまさにエネルギーのフローだ、結局この世の中は「物質とエネルギー」だ、と思うようになった。

さらにそこを掘り下げていくと、物質ですらアインシュタインの導いた質量とエネルギーの等価性(E=mc2の方程式)でエネルギーに変換できる。つまり、この世はエネルギーの流れ(フロー)でしかないということになるのだ。


東工大の未来年表


今年の8月に、甥っ子のキャンパスビジットに同行して、初めて東工大のキャンパスを訪問した。

その時にそこで面白いものを見つけた。

それがこの「東京工業大学 未来年表」というもの。

これを見ているといちばん右の2200年のところにこんな記載があった。

物質と生命の
根源が理解され、
持続可能な社会が実現する

東京工業大学 未来年表

このひょんな発見で、それまで考えていた「この世はエネルギーのフローでしかない」という見方(物質と生命の根源を理解しようとする試み)と「自然との共生をドライブする」をミッションに掲げるNatureが目指す「持続可能な社会」が僕の中で繋がった。


PurposeとEnergy Flow


Natureの経営思想で大切にしているPurpose(ここではミッションと同義で使っている)を大切にしている。そのPurposeを物質とエネルギーの観点から捉えると、ユニバーサルなエネルギーのフローの中での自分という物質の役割と解釈することもできる。

自分のPurposeが何か、それが見えずに苦労している人の話も良く聞くが、自分という人間を物質(素性 => DNA、反応 => 環境・経験)と捉えて、向き合うことでその役割が見えてくることがあるかもしれない。

「ティール組織」で有名なフレデリック・ラルーのPurpose Storyがまさにその解釈がハマる好例ではないかと思う。


NatureのEnergy Flow


では、Natureという組織のエネルギーのフローはどう流れているかというと、「地球を守るためのカーボンニュートラルの実践」というグローバル社会でのエネルギーのフローに強くアラインして流れていて、その細流に今手がけているスマートホームやエネルギーマネージメントの流れがあると整理することができる。

会社を人的リソースの観点から細分化すると、ここからさらにメンバーぞれぞれにPurposeとEnergy Flowがある。そのそれぞれとNatureのPurposeやEnergy Flowのアライメントを丁寧にとっていくことが、メンバーのやる気や充足感という幸福度を高めることだけではなく、組織を目指す方角に向かって、その持ち得るエネルギーを最大限に活用しながら進めるためにも重要になる。


最後に


最近、世の中や自分の身の回りの動きをエネルギーのフローとして捉えることの最大のメリットは、人間生活で避けては通れない煩悩の渦を客観的に捉え、冷静な自分を取り戻すことかもしれないと感じている。

だって、怒鳴り狂う上司も、泣き喚く恋人も、その行為が行き場を失ったエネルギーの発露だと心の底から思うことができたら、それに感情的に反応しそうな自分を制して相手に少し優しくなれるはずだから。


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