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ロンドン観劇雑感、その1。マイクを使った演出に、あなたは抵抗がありますか?

 ロンドンでは四本の芝居を観た。そのうち二本『キャバレー』と『オープニング・ナイト』はミュージカルなので、マイクをつかうのは特別なことではない。けれど、ヤエル・ファーバー演出の『リア王』、トーマス・オスターマイヤー演出の『民衆の敵』の両方で、マイクを使っていたのには驚いた。

 もちろん、俳優の声量をおぎなうためではない。『リア王』では、三人の娘がリアへの愛情をアピールする場面で、演説会のように、スタンドマイクが林立していた。『民衆の敵』では、冒頭の場面、ホームパーティで登場人物たちが、アマチュアバンドを組んでいるしつらえだった。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。