NHKの思惑にはまってクリエイティブの源泉を考える。

「おさるのジョージ」が録画されていた。
なにを録ろうとしたのか思い出せないけれど、間違っていることは確かだ。とりあえず、これもなにかの縁と思ってみた。

ジョージが破天荒にいたずらするストーリーかと思っていたが、意外にジョージはよく手伝いをするいいさるだった。原題は『Curious George』というらしい。「知りたがりジョージ」という感じだろうか。

天才科学者の女性とジョージがバザーのためのマフィンを作る。ジョージはさるだから仕方ないけれど、女性は「クリエイティブであるために」レシピを見ず、感性で材料をぶち込む。だからマフィンはまずい。
道具が問題だと考えたジョージは一通りキッチンツールをそろえるも、やはりまずい。最終的に女性はレシピとは設計図のようなもので、その通り正確に作らなければならない、その過程は科学と同じだと気づき、レシピ通りに作ったマフィンはバザーで好評を博した。

「クリエイティブであるために」は本当にやりがちなことで、身につまされる。
つい、アイディアを霊感みたいなものと思いたくなるけれど、実際は地道で繰り返しのトレーニングからしか生まれない。たまに圧倒的な才能とかセンスを前に、打ちのめされる気持ちになることがあるが、それだって使い方がわからなければなんの役にも立たないのだ。

「クリエイティブは感性に頼ることじゃない」か、「計画や設計通りに進めることは重要だ」かわからないけれど、意識して作られているんだろう。まんまとNHKの思惑にはまり、「やっぱり勉強しないとな」などと心を改めてしまって少し悔しい。

ちなみに2本立てで、料理の話は2本目だった。1本目は、ジョージの飼い主が子どものころ通った映画館の取り壊しを聞いて、立て直そうと奮闘する話。自分もしばらく利用してなかったくせに、センチメンタルで延命してどうする、カールと同じで気づくのが遅いんだよ、等イライラしながらみて、これはこれで思惑通りだろうな、と思った。

#エッセイ

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