はせがわ

ライターとか編集をしています。

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最近の記事

友人

来週、友人に会う。最後に会ったのはもう1年以上前だ。 わたしたちが出会ったのは高校のとき。 成績はそこまで悪くなかったけれど、彼女はなんだかバカだった。わたしの話が理解できないとき、彼女は「きょとん」という顔をする。「どういうこと?」と直接聞かれることもある。自分の話し方に問題があるのかと悩んだこともあったけれど、他の友人には支障なく伝わるので、「こいつがバカなんだ」と結論づけた。 同じ話を繰り返し説明しなければならないのは面倒だった。それでもわたしは彼女と話すのをやめな

    • NHKの思惑にはまってクリエイティブの源泉を考える。

      「おさるのジョージ」が録画されていた。 なにを録ろうとしたのか思い出せないけれど、間違っていることは確かだ。とりあえず、これもなにかの縁と思ってみた。 ジョージが破天荒にいたずらするストーリーかと思っていたが、意外にジョージはよく手伝いをするいいさるだった。原題は『Curious George』というらしい。「知りたがりジョージ」という感じだろうか。 天才科学者の女性とジョージがバザーのためのマフィンを作る。ジョージはさるだから仕方ないけれど、女性は「クリエイティブである

      • グータッチ。

        土曜の午前、『ライオンのグータッチ』というテレビ番組がある。 「創設以来一度も勝ったことがない野球チーム」や、「どうしてもサーブが入らないテニス少女」など(ウロ覚え)、一生懸命がんばっているのに伸び悩む子どもたちのもとへ、プロのアスリートがコーチとして訪れる。指導された子どもたちが成長する様子を追うドキュメントバラエティーだ。 「一流の選手が一流のコーチになるわけではない」という言葉はよく聞くが、番組に出るアスリートはみんな教え方がうまい。ふだんの練習や試合の様子から、フ

        • 細胞と機能がビッチな件

          自分の長所をあげるとき、とりあえず「丈夫です」と答えることにしている。反感を買いにくいし、わたしは本当に丈夫だ。それに、社会に出てからは知識がたくさんあるより、手先が器用なことより、丈夫であることが役に立つ場面がたくさんある。 1年近く前、以前からあった子宮筋腫が「小さいながらもよくない位置にある」ことがわかって、わたしは手術を受けることにした。これがある限り不快な症状は続き、今の段階なら開腹しなくても切除できるという。じゃあ取るでしょ。 術前治療は大変だった。できるだけ

          母にディスられたついでに結婚について考える。

          ちょっとした用事があって実家に電話した。母とわたしは比較的仲良しだけれど、それはわたしが気を遣って付き合っているからだと思っている。一般的な親子だ。 電話の途中、つけっぱなしのテレビから「眞子さま婚約」のニュースが流れる。単純に「あら、よかったね」と思った。だからそのまま口に出した。すると母は「そろそろあんたも寿の話のでも聞かせてくださいよ」と言った。長めのため息をつきながら。 34歳だから世間的には立派な行き遅れだ。実家は地方で、高校生の子どもがいる同級生すらいる。肩身

          母にディスられたついでに結婚について考える。

          闘病記のようなもの

          #子宮筋腫 #エッセイ #病気 2016年の8月、小さな診察室でわたしは医師と向き合っていた。 2人の目線の先はPCのディスプレイなので、膝付き合わせてはいるけれど正確には向き合ってはいない。 薄ピンクの壁や椅子は、いかにも街の婦人科という感じ。痩せた駄馬のような風貌の男性医師は、口数少なく特に愛想がいいわけでもないが、実直な感じがするのでわりと気に入っている。 そう思う人が多いのか、メインの通りを入ってすぐという立地のせいか、受付してから1時間以上が過ぎていた。 「

          闘病記のようなもの