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風の通り道 11月24日

昨日、久しぶりに裏山に入った。
裏山というよりは籔林か。とにかく夏に蜂に刺されて以来、
10月に入ってもパトロールに余念のないスズメバチの姿を見かけていたので
山に入るのはおろか、草刈りも手つかずのままになっていた。

それがここのところの朝晩の冷え込みによって、ようやくスズメバチの
姿が見えなくなって来た。本当はやっとの休みなのだから何もせずダラダラと過ごせばよいものを、こうして動いてしまうのは貧乏性というか、おそらく祖母譲りの性分なのだと思われる。自分のことながらやれやれである。

「風を通したい」
そんな風に思ったのは、映画「杜人」を観た影響だ。映画を見ただけで本質のところを理解したわけではないから、作業は結局のところいつもの草刈りのようなことをやっただけなのだが。それでも蔓が絡まり、笹竹や孟宗竹が幅を利かせていた籔林に風が少し通り、今まで陽が当たっていなかった場所に陽が射し込むようになって清々しく感じられるようになった。

山では小さな白い卵のような姿がかわいらしいスズメウリや、ドライフラワーのように美しく色が残った紫陽花を見つけることができたのが作業の収穫。
山から大事にいただいて、自宅やお店に飾ることにした。
ネックレスのような蔓状のスズメウリは、くるくる巻いてリースのように。
そのままでもかわいらしかったが、プレートの上で庭のハーブ、セージやローズマリー、ミントをあしらってささやかで素朴なクリスマスのリースに仕立ててみた。

土に触れるのはやはり気持ちがいい。こうして作業をするのも久しぶりで自然と呼吸も深くなるような気がするし、頭の中も少しではあるけれど整えられてきたような気がしている。ダラダラもしたかったが、これはこれで久しぶりのリフレッシュとなったのかもしれない。

母屋では体調が回復してきた夫君と、病人の見張り番?の任務を遂行するスイとモク。庭仕事を終えた私はハナレとなる「TONARI」で食事や洗濯などの家事をしては、割烹着を着てマスクをしながら母屋とTONARIを行ったり来たり。まるで婆やである。
夫君は熱を出し切ったのか、それが良いデトックスになったようで、一昨日あたりから身体が軽いと言い、すっかり回復したようだ。ここのところの疲れも溜まっていたのだろう。睡眠不足もこれでいくらか解消できたのではなかろうか。私も風邪を引くわけにはいかないので、今思いついてできることを総動員させたこの数日。油断はしないようにしているが、お陰で私は今のところピンピンしている。
今回、自分で漬けた二年物の梅干しとその梅酢が非常に役に立った。来年はやはりもう少し漬ける量を増やそうかと思ったほど。
梅酢を水で薄めたものでうがいをするのも良い気がする。
第一大根湯の熱を下げる力も効果てきめん!
とにかく口にするものってやっぱり大事だなとつくづく。
山や庭に風を通し、水が留まらないように流れを作り、光を当てる。
人間の身体に大事なのもまさに同じようなこと。人間はちっぽけで
自然の一部にすぎないのかもしれないなぁと思うばかり。

11月24日 晴れたり雨が時折パラついたり 最高気温13℃最低気温2℃
明日はガクンと気温が下がるらしい。内からも外からも身体を冷やさないように、そして睡眠もしっかり取らなければ。