昼間に裸でマクドナルドを

たしか新世紀エヴァンゲリオンのマンガ版のワンシーンだったと思うのだけれど、葛城ミサトと加持リョウジが付き合っている頃に、ふたりして何をするでもなく、ずっとベッドにいて裸のまま触れ合っていることが幸せ……っていうエピソードがあった、はずだ。

年端のいかないぼくは衝撃を受けたらしく、そのちいさなコマの描写がつよく残っている。たしか、貞本版エヴァだったんだけど、ちがったらすみません。

そのシーンは憧れになり、夢になり、たとえそれを叶えたことが過去にあったかもしれなくとも、何度となく「過ごしてみたい時間」であり、うれしいことのひとつになっていた。

無防備で、無邪気で、それでいて大人らしい恋に満ち、余裕を感じさせる過ごしかた。

それに加えて、裸のままでベッドでマクドナルドを頬張る(できれば平日の昼間に)という妄想もあって、これは影響を受けたシーンがあるわけではたぶんないんだけど、その「力の抜けた感じ」と「だらしなさ」に妙なワクワクがあったのだ。

今日はそんな機会が訪れて、ぜんぶそれを実行してみたら「なんか大学生みたいだよねー」とか恋人と言い合い、ぼくが頼んだパティが4枚も入ってるチーズバーガーは重たかったけど、くすぐったくてキッチュでのぼせる時間が、たしかに降ってきた。

恋はすこしだらしないくらいが、甘い時間になるんだなっておもった。葛城ミサトと加持リョウジは、こんな思い出を共有していたのかもしれない。

頼んだマクドナルドは、UberEATSで1700円くらいだった。たぶん人生でも、かなり上位に美味しいマクドナルドだった。こういうときはモスバーガーでもフレッシュネスでもなくて、マクドナルドが、いい。ぜったいに。

#日記 #コラム #エッセイ #恋愛

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