クマのチョコレートケーキを守り抜いて渋谷

日曜日のこと。

昼すぎに取材を終えて、近場だったので武蔵小山へ行く。ここにはぼくが銭湯温泉に目覚めるきっかけになった「清水湯」がある。

あれは4年前くらいだったかな、在籍していたライフハッカー[日本版]の当時の編集長だった米田智彦さんに教えてもらったのだ。良い風呂があるよ、と。

それですっかりハマって行くようになり、いつかのライフハッカー忘年会は清水湯に入ってから、隣にある焼肉屋の「和田」で開かれるということもあった(和田も美味しいお店です)。

サウナと水風呂、黒湯に露天風呂をぐるぐるしながら、あれこれ考えたり、恋人に会いたいなと思ったり、ぼーっとしたりしてすごす。ここのところ気持ちが張り詰めてるというか、ちょっと仕事がパンク気味なので、どうも疲れているらしい。割と「こころ」の調子が思わしくない。すこし手放すべき仕事も出てきている気がする。

そのあとで、編集者仲間で公私ともにお世話にもなっているモリジュンヤくんが誕生日ということで、ホームパーティに参加することに。ケーキ購入担当として、武蔵小山駅前のコージーコーナーで、可愛いクマのチョコレートケーキを買い求め、電車で移動。

ぶつかったら可愛いクマが台無しになってしまう。まさに「輸送」という表現だなと思えるくらい、神経をとがらせて必死に運ぶ。誕生日ケーキがワンパンチもらったようなクマだったら、さすがに悲しみがあふれてしまう。水平を保つように心がけ、渋谷の人ごみから守り抜き、どうにか無事に運び込む。

パーティのなかで、そういえば1年前にもこうやってジュンヤくんの誕生日きっかけで飲んでいて、そのときのぼくは「見ていて不安になるような飲み方」をしていた、とモリ夫妻に言われた。

楽しい席でそんな不安をかけて申し訳ないながら(さらにまだ付き合ってくれてることを感謝しつつ)、この夫妻はそんな状況でも人を見れる優しさがあって、すごいな、と素直におもう。

瑞穂さんが「でも、今のほうが元気があるように見えるよ」と言ってくれた。それは救いだ。

1年前のぼくは何をそんなに溜め込んでいたんだろう。こんなときに日記をつけておけば、何か手がかりがあったのかもしれないのに。自分のことだって、ぼくはすっかり忘れるし、記憶は改竄されていく。

「今日」という連なりを、そのつながりを、もうすこし大切にしたい。

#日記 #エッセイ #コラム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?