爽快なタクシー運転手はルートと料金を言う

木曜日のこと。

白金台から渋谷までタクシーに乗る。手を挙げて止めた瞬間、フロントガラス越しに運転手さんが頬を上げて笑ったのが見えて、何やら良い予感がした。

「渋谷の宮益坂上までお願いします」

「はい!これはルートが腕の見せ所ですね」

面白い返しをするなぁと思っていたら、するすると運転手のIさんによるルート解説がはじまった。

「明治通りを抜けて六本木通りから宮益坂に上がっていくのが最短ですが、こちらは混んでいる可能性が高いです。もしくは160円高くなってしまいますが、並木橋を右折して青山通りから下っていく。こちらのが混雑は少なく僕なら迷わず選びます」

急いでいたので後者をお願いすると、Iさんは意を得たりという感じで軽快に車を走らせていく。とてもシンプルなルートだし、難しい行き先ではないのだけれど、ちゃんと「160円高くなる」と具体的に言ってくれるところに頼もしさと安心感が出る。爽快だ。

Iさんは右翼団体の車が朝からこのあたりでうるさかったことに文句を言い、ぼくからの「今までで一番遠かった目的地」の質問に答え(ぼくがタクシーに乗ると決まって聞いていること)、最後には「お客さんも10年後くらいにタクシー運転手どうですか、悪い仕事じゃないですよ」と勧めていった。

その話をもっと聞きたかったところで宮益坂上に到着。いつも目黒あたりにいるそうです。また会うことがあったらいいな。

夜は、国立へ行って、クラシコムの青木耕平さんと久しぶりに食事をご一緒させていただく。

センスとスキルのちがい、センスは広げられず磨くものである、好き嫌いのうち「嫌い」を克服しないことの強さ……みたいなことをノンストップで話しまくること気づけば3時間という、とてつもない学びのひと時になった。

青木さんの話はいつも、ぼくがもやもやっと思っていたり、みんながなんとなく感じていたであろう要素を「あぁ!そういうことだったのか!」と言い表してくれる、爽快さにも似た心地がある。

ぜいたくな時間をいただいた。とかく今日は爽快な気持ちで過ごせた一日だった。

#日記 #コラム #エッセイ

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最後まで、ありがとうございます。また、あした!

すき!
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長谷川賢人

なるべく上等な劣等感日記

誰も劣等感を脱ぎ捨てることはできない。人生はけっして素晴らしいものではないが、どうせ生き続けなければならないのなら、なるべく上等な劣等感を身につけた方がいい。 ──吉行淳之介
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