昨日見た夢の話を肴にするレベルくらいが心地よい

縁あって、大学同窓の後輩3人と新宿で飲むことになった。

歳でいうと、一番下の彼が7つほど離れていた。大学の在学年次が重なっていないのもあって、当時の悪事やら悪評やらの影響が少ないだろうと、それほど変な意識もはたらかず、単に歳の離れた飲み相手という感じで楽しくやる。

目的の店が開くまで間があり、ビックロで酒を調達してブラブラ出かけるとき、知らずに貯まってたビックカメラのポイントで会計をポーンと済ませ、歳上の威厳をなんとか保つ。

その、歳が7つ離れた彼が、「今日これだけは言いたかったことがあるんですよ!」と話し始めるので、何かと思ったら「昨日、橋本環奈とキスする夢を見ちゃって……」と嬉しそう。しかも、デート中にクルマの影に引っ張られて、向こうから迫ってくるというシチュエーションに大興奮したそうだ。

中学生かよ!ピュアかよ!

と、ツッコミたい気持ちはあれど、あまりにも目がキラキラしているので「かわいい」の気持ちが優ってしまって、平和な時間が僕らに降ってきた。昨日見たトキメキの夢で盛り上がれる精神は、良い。好きだ。

かぶせるように紅一点が「高橋一世と付き合ってからセックスするまでの夢を見た」と言い出し、そのフルコースっぷりに僕らは「羨ましい!」などと返す。よくある淫夢は行為中だけがクローズアップされがちだけれど、ちゃんと付き合うプロセスを経ているのはポイントが高い。淫夢として理想的なかたちといえる。

ここまで読んでいる方は「なんの話だよ、これ」って思うかもしれませんが、ぼくもなんの話だよ、これって思いながら書いてます。つまり、そういう取るに足らないものもので盛り上がれる、良い会だったということです。

ぼくの通っていた日本大学芸術学部は、本が好きだったり、言語センスが高い人が多いせいか、無益な会話をさせたら爆発的に面白くなる傾向がある気がする。母校で気に入っているところです、とても。

気分が良くなってしまい、みんなと分かれてから恋人の家へたどり着く。たぶんテンションが高すぎたはずで、何を話したかも、とんと覚えていないのだけれど、気づいたら寝てしまっていた。

#日記 #コラム #エッセイ

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