だめな僕でも、これなら痩せられる予感がしている

深い青色の、ワークコートを買った。厚手の麻でつくられていて、さっぱりした着触りで、見た目もどこか軽やかに感じる。丈が長くて、シルエットが縦長になるのも好みだ。ただ、これがもっと似合うなぁ、とおもえるためには、身につけるぼく自身がもうすこしスリムになっておきたいところ。

「よし、この服を着て、お花見したり、散歩したり、旅行したりするんだ」と頭のなかで、たのしいことをあれこれ考える。恋人にも笑ってほしいし、ぼくも健やかな気持ちでいたい。そういう日がくる願いを込めておくためにも、いま、ワークコートは部屋に飾っている。白い壁に映える。

頭のなかで「成りたい像」を描くのは結構な効果があるみたいで、ぼくはこの2018年の正月からゆるやかに、無理のない、糖質制限を復活しているのだけど、今まででいちばん「続けられる」予感がしている。

これまでは目的があんまりなくて、「あと○kg痩せたい」みたいな漠然としたものだったんだけど、それが「ああいうふうになるために○kg痩せたい」という具体的な目的から描くと、本人としては本当にそれに成りたいと思っているので、自分を説得できる。

これは弟がやっていた方法で、彼は「社会人サッカーチームでいいパフォーマンスを出すためには体をつくっておきたい」という具体的な理由があるので、太らないように意識しているんだそうだ。彼にとって大事なのは「痩せること」じゃなくて「いいパフォーマンスを出すこと」。そのための手段として「太らない」を選択しているというわけで、なるほど、とおもった。

で、男性はロールモデルを持たないが、女性はロールモデルを欲する、という話を以前に聞いたことがあるけれど、べつに男性だってロールモデルを持ってもいいのだ。それは男性でも女性でもいいんだろう。「成りたい像」を意識的にやると、ふしぎと自分の立ち居振る舞いも変わってくる。ぼくは2018年、それを(恥ずかしいから誰にも話さないけれど)やってみようとしている。

夜は、審査員を務めた、江古田文学賞の授賞式だった。ジャケットを着てくるのを忘れた。好評の挨拶では「自信には根拠があってはいけない」を話したけれど、学生さんはあまりピンときてなかったみたいで、ごめんなさい。

もしかしたら大学でも講義ができるかもしれない。そんな話も出た。そのときには現在も動きつつあるウェブメディアのことを伝えて、学生の間口や表現手法を広げてあげたい。毎回、連続して、ゲストを呼んで話すのも楽しそう。

春先に着るワークコート、2018年これからのこと、それに恋人からきた夜中のLINE。なんだか昨日は、にこにこすることが多い一日だった。

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