食べて寝て食べる平和と、親子丼の「頭」

月曜日から水曜日までわたわたと過ごしてしまって、しかも行く先々で疲れが顔に滲んでいたらしく、ご心配をいただいたりして、よろしくないとおもう。

満足に日記も書けないし、何があったかも記憶が薄くて、でも予定だけは落とさずに完遂したからGoogleカレンダーだけがぼくの生きている証拠みたいになっている気がする。その裏には仕事の移動中に「恋人とご飯食べたい」とか「読みたい本がある」とか、いろいろあるはずのにこぼれてる感じ。

ぼくは予定のすべて、〆切のすべてをGoogleカレンダーに入れていて、特に〆切は「終日」の予定欄に書き込んでいるので、それが4つも5つもダルマ落としみたいに重なっているだけで心がクサクサしてしまっていた。バズっていたこんなツイートを目にして、これは福音とばかりに試してみたら、たしかに気が楽になったような感じがある。

水曜日に、恋人が家に遊びに来てくれる。東京は雪がふるほどすごくすごく寒くて、申し訳ない気持ちはあるけれど、やっぱり会えると嬉しい。ひとりの部屋で感じていた寒さもずいぶんと消える。もちろん、エアコンだのヒーターだのをガンガンつけて、寒いなか来てくれた恋人がちょっとでもあったまるようにしたかったのもある。

恋人はあまり眠れていなかったらしく、一緒にお昼を食べたら、ソファでうとうとと眠りについていた。ぼくはそばで椅子に座って、仕事を進める。ひとりだったら眠気がきたり、邪な気持ちが起きて手が止まったりするものだけど、すぐそばに恋人がいるだけで気の持ちようがちがうのか、ずっとパソコンで何事かに向き合うことが出来た。恋人は監視しているでもなく、ただそこにいて寝息を立てているだけのに。なんとぼくはシンプルで単純な精神力だろう。

恋人が、数時間の眠りからさめると、部屋は暗くなりかけていた。ぼーっとした表情でいるので「どうしたの?」と声をかけると、「お昼ごはん食べて、昼寝して、起きたら夕ご飯どうしようかなって思えるの、平和すぎて幸せ」みたいに言うのでぼくにも平和が満ち足りて嬉しくなる。

いま、この部屋には外敵もいないし、何事かを言ってくる輩もいない。ぼくらがルールで、ぼくらが世界。そんな時間があるだけで、なんというか、乾燥していた自分自身の心がゆっくり水を吸って膨らんでいくよう。

夜ご飯は、恋人が買い物に行って、何品かこしらえてくれる。この家に引っ越してきて、初めて誰かに食事をつくってもらった。とても久しぶりに恋人は料理をしたらしくて、その出来栄えには納得がいかず、ぼくが「おいしいよー」と言っても「ごめんね」と返すので、「信じてほしいのになぁ」なんて声に出さずに美味しく食べながらストロングゼロを飲む。

「親子丼の頭だけ」みたいな鳥もも肉の卵とじ、味付けがとてもよかった。鮭とキノコのホイルバター焼きは、塩加減がちょっとつよかったようで恋人は不服そうだけど、ぼくはストロングゼロとごはんでおいしく楽しむ。

たとえ調理のミスがあったとしても、味付けが好みなら、きっと今後もすごくうまくい気がするんだけどな。美味しくて嬉しくなったのと、やっぱりストロングゼロが疲れにきいたのか、とろりとまぶたが落ちていく。

恋人が布団を敷いてくれて、ただただ、甘える。

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