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もうスナック菓子な感情では満足できないの

たまに訪れる「全く眠れない夜」で、しかも次の日の予定がない(本当は予定のために空けていたのに、一向に連絡がこなくて泣きそう)。ぜんぶがあやふやなままに、YouTubeも飽きて、映画に手を出した。

まず、『舟を編む』を観て、自分の仕事を振り返りながら、純粋に楽しみきれない時間を過ごす。ウイスキーは2杯空いた。板前の宮崎あおい、っていう良さに気をそらしながら、ただ、これは文系男子の夢が詰まっていて、その点ではたしかに素晴らしきファンタジーだった。もう設定含めて2000年以前でないと夢なんて起きないのかもしれない。

それでも眠れず、『そこのみにて光輝く』を観て、ただ泣く。ウイスキーはさらに2杯だ。僕の中での二大イケメンである綾野剛と菅田将暉が揃ってる時点ですごいのだが、とにかくいやはや、あらゆる角度で心さざめかされ、粛々と泣く。

YouTubeでは泣けない。誰も泣こうと思っていない。でも、緻密に積み上げられた映画の先には、思ってもない感情がやってくる。もう、ネットでスナックに得られることなんて、とっくに限界がきていて、感情の揺れ動きをただ楽しむ意味でも、きっと映画や小説は十分機能しうる。

観なくちゃ、と思った。読まなくちゃ、とも思った。辞書編集者のように執拗に、そして限界の先でも希望を感じながら、いま、生きているひとりとして。だから、はやく連絡こないかな。ほんとうに。

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すき!
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長谷川賢人

86世代のフリーランス編集者/ライター。日本大学芸術学部文芸学科卒。noteでは音声配信も。ラジオのお仕事したい!ウェブメディアを中心に仕事しております。参考事例は → https://hasegawakento.com/

なるべく上等な劣等感日記

誰も劣等感を脱ぎ捨てることはできない。人生はけっして素晴らしいものではないが、どうせ生き続けなければならないのなら、なるべく上等な劣等感を身につけた方がいい。 ──吉行淳之介
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