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【インテリアコーディネーター】名作椅子の世界-vol.2 バルセロナチェア-

以前の記事で富山県美術館の「20世紀の椅子コレクション」を紹介しました。

今回は私が実際に訪れて見た名作椅子の中から、インテリアコーディネーター試験に頻出の椅子を紹介したいと思います。

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名作椅子vol.2 バルセロナチェア

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【試験の暗記ポイント】
作品名:バルセロナチェア
デザイナー:ミース・ファン・デル・ローエ
年代:バウハウス(1929)
特徴:バルセロナ万博のためにデザインされた。フラットバーのフレーム。

バウハウスは、1919年にドイツで設立された造形学校。機能性や量産をテーマにしたモダン・デザインが生み出された。

バルセロナチェアは「シモン・ゴールドベルクの過ごした部屋」という別のコレクションに展示してありました。シモン・ゴールドベルクは、ヴァイオリニスト・指揮者で、このバルセロナチェアを愛用していたそうです。1993年に立山山麓のホテルで84歳の生涯を閉じました。

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バルセロナチェアは名称は覚えやすかったです。でも、ミース・ファン・デル・ローエは覚えにくい!ミースで覚えようか・・・。
スペイン国王が座るためにデザインした椅子だけあってレザーの高級感が漂います。クロスした脚部と一体になったフレームが特徴。曲線美です。背もたれと座面は、それぞれ20枚のカーフレザーとくるみボタンを手縫いでつなぎ合わせているそうです。

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(画像お借りしました)

正しい解説をどうぞ

20世紀を代表する名作チェアのひとつ、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナチェア。モダンデザインのアイコンともいえるこのチェアは、もともと1929年にバルセロナ万博のドイツパビリオンで、当時のスペイン国王アルフォンソ13世夫妻を迎えるために生まれました。

フランク・ロイド・ライト、ル・コルビュジェとともに、近代建築三大巨匠と言われるミース・ファン・デル・ローエ。彼は「less is more(より少ないことは、より豊かである)」「God is in the detail(神は細部に宿る)」という名言を残したことでも知られています。バルセロナチェアのシンプルでエレガントな佇まいは、まさにそれらの言葉を体現する存在です。

このチェアが誕生したのは1929年。ミースが設計し、モダニズム建築の傑作として有名なバルセロナ万博のドイツ館、バルセロナパビリオンのためにデザインしたものでした。クロスしたメタルが脚部から背もたれへと延びる形状は、当時の椅子としてはかなり斬新でセンセーショナルなものだったといいます。その後、ドイツからアメリカへ亡命したミースはアーマー大学(現在のイリノイ工科大学)で教鞭を執り、生徒であったフローレンス・ノルを通じてノル社にバルセロナチェアの製造を依頼します。そこでノル社はミースのこだわりであったX字のフレーム加工にステンレススチールを使い、他社がこれまで実現できなかった高いクオリティをかなえます。このことがきっかけで、ノル社はミースからすべての家具のライセンスを取得することになりました。

こうして誕生した20世紀を代表するマスターピースは多くのデザイナーたちに影響を与え、のちにポール・ケアホルムの「PK22」や、コンスタンチン・グルチッチの「BENCH_B」などが生まれるきっかけともなっています。

出典「Pen online 名作椅子に恋して。」

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