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【インテリアコーディネーター】名作椅子の世界-vol.1 ワシリーチェア-

前回の記事で富山県美術館の「20世紀の椅子コレクション」を紹介しました。

今回は私が実際に訪れて見た名作椅子の中から、インテリアコーディネーター試験に頻出の椅子を紹介したいと思います。

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名作椅子vol.1  ワシリーチェア

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【試験の暗記ポイント】
作品名:ワシリーチェア
デザイナー名:マルセル・ブロイヤー
年代:バウハウス(1925)
特徴:画家のワシリー・カンディンスキーのためにデザインされた。スチールパイプとレザーを使い、線と面だけで構成されたデザイン。

バウハウスは、1919年にドイツで設立された造形学校。機能性や量産をテーマにしたモダン・デザインが生み出された。

最初は、ワシリーチェアってワシリーさんが作ったんじゃないんかい!って思いました。友達のワシリーさんが気に入った椅子だったんですか。意外と作者の名前をつける椅子って少ないのでしょうか。
今でこそパイプ椅子は当たり前の存在ですが、木の椅子が主流だった当時は画期的だったんですね。芸術と産業を調和させるというバウハウスの思想を具現化した形です。ピンと張ったレザーのシートが徐々に身体に馴染んでゆき、心地良さそう。アウトドア感あるので、晴れた日はウッドデッキなんかに置いてものんびり過ごせそうです。

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(画像お借りしました)

正しい解説をどうぞ

バウハウスの家具工房で教官をしていたマルセル・ブロイヤーが、自転車のハンドルにインスピレーションを得てデザインしたと言われる「ワシリーチェア」。モダンデザインを語る上で外せない名作はスチールパイプを使用した最初の椅子であり、バウハウスのデザインを象徴する存在でもあります。

ハンガリー出身のマルセル・ブロイヤーはバウハウスの一期生として学び、初代校長であったヴァルター・グロピウスに見出され世界を股にかけて活躍することとなります。卒業後は家具工房でも教鞭をとった彼は、家具と建築の両分野において大きな功績を残しています。

世界初のスチールパイプ製のチェアとして、デザイン界に衝撃を与えた「ワシリーチェア」は、ブロイヤーがバウハウスの教官であった1925年に誕生しました。自転車のハンドルにヒントを得て、バウハウスのあったデッサウの配管工に協力をあおいで作られたといいます。線と面のみで構成されるデザインは、ブロイヤーがデ・ステイルや構成主義の影響を受けて生まれたもの。椅子といえば木製が主流であった時代に、工業素材のスチールパイプを用いたチェアは、軽く、大量生産が可能で、製作工程において金型などの大規模な設備投資を必要としない点でも優れています。このチェアが発表されると、ウォルター・グロピウス、ル・コルビュジェやミース・ファン・デル・ローエら、巨匠たちも追随。20年代後半には続々とスチールパイプ製のチェアが発表されました。

ワシリーチェアは当初、「クラブチェア B3」という名称でした。ブロイヤーとバウハウスの同僚で親交のあった画家のワシリー・カンディンスキーが愛用したことにちなみ、後にイタリアのガヴィーナ社が製造した時代に「ワシリーチェア」という名前がつけられたのです。68年以降はガヴィーナ社を買収したノルが製造を担うようになり、現在までロングセラーとして世界中で愛されています。

出典「Pen online 名作椅子に恋して。」

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どうでしたか?
皆さまもお好きな椅子を見つけてみてはいかがでしょうか。

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