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#71 秋空の下のディスタンス

「なるほどドラムが音源出しだから8チュンネルか。経済的でイイね。」


手際よく作業が進む。



サポートコーラスだけじゃなくて、PAとかローディー的なことなんかも出来るのか…


ハシビロコウ達はにわかに感心した。



グループ単体では絶対に活動しないという、サポート専門のコーラスグループ『浮輪鈴女(うきわすずめ)』が、このご時世に『サマーチュニック』という大型フェスをオーガナイズして大成功をおさめたのは有名な話。


インディーズ界隈では異例の逸話、いわゆる武勇伝であった。


ハシビロコウの意志とは無関係に、半ば自動更新的に続く飲み会の終盤で、話の流れからそのイベント運営の極意とノウハウとアティチュード(アティチュンド)を教えてもらえることになった。


ハシビロコウバンドのメンバーはそれぞれ、酔いもそこそこ、ツアーバスから機材を下ろしてセッティング。


ハニワのキーボードは電池駆動だから野外にピッタリ


落花盛も野外用のマイクを準備(SHURE58)





ハシビロコウは、自分の妙なこだわりを捨てようと思った。

悪い癖だよ。


浮輪鈴女たちの事、正直あんましよく思ってなかったけど、、、意固地になってちゃダメだ。


気のイイやつらだよね。


こうして、サポートされたりする事も、決して悪い事じゃないじゃない。


変わっていくの、恐れてちゃダメだよね。
前進していくことって、きっと、受け入れていくことだよ。

やや自分の方が薄いブルー




そんなこんなでとりあえず3人で「メリーアン」を演奏してみる。
浮輪鈴女たちもサポートでコーラスを入れてくれた。

Won't you stay for me~~


ゴージャスなアンサンブル



…to be continued


ハシビロコウバンド物語
「第七十一話 秋空の下のディスタンス」
初出 2021.11.15


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