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ひとり遊びのススメ #遅いインターネット

この記事は、「遅いインターネット」(宇野常寛、NewsPicks Book)について、僕自身の理解や備忘(あるいは不理解の確認)のために内容をまとめたものである。
なお、「遅いインターネット」は、SNSを中心とした2010年代のインターネット上のコミュニケーションになんとも言えない不快感、嫌悪感、違和感を覚えている人にとてもお勧めできる一冊だ。

以下に本書に通じて僕が受け取ったメッセージをまとめておく(誤読あったらすみません!)。

かつてSNSをはじめとするwebプラットホームに期待されたような、人を動員するだけで人間それ自体を成長させたり、より文化的な営みを生産したりできるという幻想はここ数年でいとも容易く崩れ去った。
SNSによって程よく無秩序な、文化的に多様な文明を維持するのは無理である、と。
SNSは確かに世界をとんでもなくシームレスに繋げることに成功したが、その結果とてもわかりやすく生命種としての人間の本質をあぶり出すことに成功してしまった。

したがって、プラットホームからのアプローチ(何かしらの装置やデザインを使ってどうやって人間を思い通りに動かすか)には限界があって、もっと人間の質的な部分を変えていかなければいけない。
つまり、情報環境的に自己が他者に侵食される中では、「人をどう動かすか」という問いから「人が自立し得るにはどうしたら良いか」という問いに問題をシフトする必要がある。

この問いに答えるために、人間を一旦は情報の海から切り離すことが不可欠だ。そして人間がもっと自分の物語の中を生きていくために、自分の頭で考え、自分の言葉で発信していくようにならなければいけない。
そのために著者は、必要な環境を整備し、自立した人間を育てるための活動を行なっていくと宣言する(「遅いインターネット」宣言)。本書はそうした活動のマニフェストだ。

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ところで、このエントリーのタイトルは著者の以下の記事を反映している。如何に自分を見失わずに自立するかという問いの回答が非常に端的かつ具体的に例示されているので、是非、オチまでしっかりと読んでほしい。

この記事にあるように、あらゆるコミュニティから自立する方法は案外素朴なものだ。問題設定から自明なことではあるが、個人が即座に実践できるこのような対抗手段が、個々人に閉じた手法であることに希望を覚える。

日常×自分の物語の可能性を信じて一番もっともらしい方法を試してみる。
答えを性急に求める必要はない。
代わりに、常にゆっくり思考しながら、変化しながら自分の足で歩き続ける必要がある。

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ちなみに遅いインターネット活動は既に始まっているので以下にそれらの関連リンクを貼っておく。とりあえず、無料Webマガジン「遅いインターネット」で興味深い記事たちをじっくりと読んでみてほしい。

遅いインターネット(「考える」ためのメディア)

PLANETS School(「考え、発信する」ための学校)

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「遅いインターネット」活動に賛同する方に聞いてみたいこと:
・遅いインターネット活動のどんな部分に共感しているか
・遅いインターネット活動に関連するあなた自身の問題設定は何か
・その問題を設定した理由は何か
・そのためにあなた自身はどう動くのか

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