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【ゲーム市場編】她経済(ウーマノミクス)について

皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。先日の投稿で、她経済(ウーマノミクス)が中国の自動車市場に与える影響についてご紹介いたしました。本日は、她経済に関する特集第3弾ということで、中国ゲーム市場に与える影響をご紹介したいと思います。

女性向けゲーム市場規模の拡大
一昔前まで、「ゲームをする」と言えば圧倒的に男性を思い浮かべる方も多かったのではないでしょうか?「2019年中国ゲーム産業報告」によると、中国のゲームユーザー市場は2018年と比較して、2.5%増の6.4憶人となり、そのうち、女性ユーザーは3億人にも達し、ゲームユーザー全体の46.2%を占めるまでになりました。、大まかに言ってしまうと、男女半々、ということですね。

また、MobTech研究院が発表した「2020“她ゲーム”研究報告」によると、新型コロナウイルスの影響もあり、2020年2月末時点で、ゲームの女性月間アクティブユーザー数が3.9憶人に到達したそうです。

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歴史を振り返ると、2017年、女性をターゲットにした恋愛ゲーム「恋とプロデューサー〜EVOL×LOVE〜」がリリースされ、わずか1ヶ月のうちに、累積ダウンロード数が700万を突破し、月間アクティブユーザー数が200万人を超え、大ヒット作となったのが、女性のゲーム市場が広がる大きなきっかけとなったと言われています。

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さらに、2020年3月にド発売されたニンテンドー・スイッチ用ソフト「あつまれ どうぶつの森 」が中国でも大ヒットとなり、小紅書での関連トピック「#动物森友会」の閲覧数がこれまで、7,143万を超え、11.7万人がこのハッシュタグをつけて投稿しました。女性ユーザー数が8割を占めると言われている小紅書で、これほどの閲覧数があることからも、女性ユーザーが多くいることは間違いないと言ってよいでしょう。

女性のゲーム市場が急成長したことで、テンセント、網易、Ourpalm Co、盛大遊戯、ZlonGame、パーフェクトワールドなどの中国ゲーム大手企業も女性向けゲームの開発に熱心に取り込むようになりました。

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ゲーム大手会社の動き
2020年、各大手ゲーム企業は女性向けゲーム市場への投資を増やしています。
2020年初め、テンセントグループは「阿佩吉(Apogee games)」に大型投資を実施しました。この会社の創立者である劉子健(リュウ・シケン)は女性向けゲーム制作のトップ会社「Papergames」(ミラクルニキを開発・運営企業)の元広報担当者でした。

それ以外にも、「食之契約」「猫之城」など二次元コンテンツ女性向けゲームを運営している会社の「番糖游戏(Funtoy Games)」を含め、10社ほどの二次元コンテンツゲーム・女性向けゲームの制作会社に出資したことから、女性向けゲーム市場での成功に野望を抱いていることが分かりました。また、2020年末にショート動画アプリ大手の快手も女性向けゲーム市場に参入する動きがみられるようになりました。女性向けゲーム・エンターテインメントを事業の柱にしている「上海犀牛互動網絡科技有限会社」に出資し、快手の全額出資子会社である「北京慕遠科技有限会社」が持株比率25%の大株主になりました。

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女性向けゲームジャンルの多様化
着せ替えゲームから二次元コンテンツゲームへ、ヒットになる女性向けゲームのジャンルは年々多様化しています。2015年、着せ替えゲーム「ミラクルニキ」⇒2016年二次元コンテンツゲーム「陰陽師」⇒2017年RPGゲーム「恋とプロデューサー〜EVOL×LOVE〜」⇒2018年放置ゲーム「旅かえる」⇒2019年、リズムゲーム「音躍球球」⇒2020年、RPGゲーム「浮生為卿歌」という具合に、進化をしつつ、多様化をしています。

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重課金女性プレイヤーの特徴
MobTechの調査によりると、重課金女性プレイヤーは以下のような特徴があります。
① 一本のゲームをやり込む
② 二次元イラストのゲームを好む
③ 課金の意欲が高い

女性のゲームに対する様々なニーズに応じて、ゲーム大手各社も従来のゲームジャンルに満足せず、ヒットになりそうな革新的なコンテンツのゲーム制作に注力しています。

今年4月14日、バイトダンス傘下のゲームブランド「朝夕光年(Nuverse)」が、宮廷を題材にしたスマホ向け育成型乙女ゲーム「花亦山心之月」と、テンセントグループ傘下のテンセントゲームズが制作した古風RPGゲーム「代号:佳人」のOBT(オープンベータテスト)が始まりました。

同じく4月16日、網易「絶対演繹」という女優育成乙女ゲームのOBTが開始されました。余談ですが、テンセントゲームズが制作したゲーム「代号:佳人」は、4月15日からOBTが実施される予定でしたが、ゲームのターゲット層が似ている「花亦山心之约」とのバッティングを避け、「花亦山心之约」と同じ日にOBTが開始されました。

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以上、她シリーズ「ゲーム市場編」でした。着せ替えゲームやシミュレーションゲームなど従来の女性向けゲームジャンルでは満足できない女性プレイヤーが増えています。それに対して、ゲーム業界もそれらの女性プレイヤーのニーズに答えられるように女性消費者の心理研究を進めています。これから、どんなゲームが女性の間でヒットになるのか、今後も注目していきたいと思います。気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。


メール:hashimoto@enjoy-japan.jp

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