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中国物流業界の最大手・S.F.エクスプレスが食配サービス事業をスタート、美団点評のライバルになるか?

皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。最近、中国の物流業界の最大手・S.F.エクスプレス(顺丰速运)が出前事業を始めたことが話題になりました。食配サービスに特化した「美団点評」と「餓了麼(Ele.me)」の市場に大きな変化をもたらすのではないかと騒がれています。

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S.F.エクスプレスは「丰食(フェンシー)」というプラットフォームを立ち上げ、企業に勤めている会社員向けの食配サービスをメインに事業をスタートさせました。団体でも個人でも「丰食(フェンシー)」を通じて食事の出前が可能となり、現在約100軒の飲食企業が丰食に出店しています。中国でも有名なお店だと、「ピザハット」、「德克士(Dicos)」、「真功夫 (ツンコンフー)」、「吉野家」、「ドミノ・ピザ」、「云海肴(ユンハイヤォ)」、「周黒鴨(ツォヘイヤー)」等の大手ファーストフードチェーン店が出店しています。

また、今時点ではS.F.エクスプレスは飲食店に対して、「無料」で丰食に出店できるサービスを実施しています。新型コロナウィルスの影響でイートインが出来なくなった現在、各企業の「団体出前」が新たなビジネスチャンスとなり、S.F.エクスプレスもこの機会を見逃さなかったということが言えるでしょう。

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出前サービスを利用する企業は「カレンダーオーダー」という機能を使って、曜日ごとにオーダーを予約することも可能です。S.F.エクスプレスは「企業向け」に特化していると公に発表していますが、これから個人にまで手を伸ばすのではないかと予測されています。その証拠に、今でも一定の配送条件に満たしていれば、個人でも利用することができるのです。

もしS.F.エクスプレスが個人にまで事業展開をしたとしたら、「美団点評」と「餓了麼(Ele.me)」にとって大いに影響するのではないでしょうか?

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ここ最近、多くの飲食企業は「美団点評」への出店費用が高いため、「美団点評」に対して不満を持っている様子です。そんな中、S.F.エクスプレスは「出店費用無料」、「団体オーダー割引」の2つのポイントをメインに宣伝しています。「出店費用無料」にすれば、「美団点評」の出店費用に不満を持つ飲食企業は自然にS.F.エクスプレスに流れていき、「団体オーダー割引」は消費者の心を掴むポイントになります。まさに、「B」も「C」も両方を手にする策略だと思います。

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先日、S.F.エクスプレスは丰食で「瓜分500万(グァフェン500万)」というイベントを開催しました。ユーザーはあらかじめ「出店して欲しいお店」と「団体出前を注文して欲しい企業」を選び、もし出店して欲しいお店が実際に出店した場合、該当ユーザーは1元(日本円15円)のキャッシュバックがもらえます。また、団体出前を注文して欲しい企業が2020年6月30日までに実際に丰食で団体出前を1,000元以上(日本円約15,000円)を注文した場合、該当ユーザーは500元(日本円約7,500円)のキャッシュバックがもらえます。

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より認知度を上げるため、丰食で「成为分销员(営業マンになろう)」というイベントも開催されました。ユーザーは自身のお薦め食事メニューを友人に転送し、転送を受けた友人が実際にそのメニューを注文した場合、該当ユーザーは売上の一部をキャッシュバックしてもらえます。こういった消費者をうまく巻き込んだプロモーション手法は日本ではあまり見かけない中国ならではのやり方で面白いですね。

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S.F.エクスプレスは物流業界でトップの座にいますが、これから食配サービス業界でどのような実績を残すのでしょうか?今後の展開が楽しみですね。個人的に日本の食配サービスをもっと普及させて欲しいです。(笑)

以上中国最近のニュースでした。S.F.エクスプレスの新規事業は現在中国国内で注目されています。今後、新規事業は拡大していくのか、はたまた消えていくのか、皆さんはどう思いますか?

もし気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。

メール:hashimoto@enjoy-japan.jp

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