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ゴルフ好きさん要注意!「ゴルフ場利用税の誤計上」

「いやぁ、今日のゴルフは最高だった。お客さんとも仲良くなれて、次の仕事に繋がりそうだ。利用料は交際費に計上しよう」
(後日、税務署から電話が・・)
「経費が過大に計上されていますよ。修正申告してください」

実際のところ、こんな経験をしたことがある方は少数派でしょう。しかし実際に起きうる話です。何が問題だったのでしょうか。
シリーズ「犬も歩けば税に当たるー経営者なら一度は悩むことー」では、日常で疑問に感じつつスルーしがちな税のアレコレを解説します。


税務署から指導を受けたハナシ

私が税理士法人に入社して最初の仕事が、税務署からのゴルフ場利用料に対する指導への対応でした。指導を受けた経営者さんは大のゴルフ愛好家で、毎週のように取引先の方々とゴルフに出かけていました。そして、その費用を交際費として計上していました。しかし税務調査が入り、ゴルフ場利用料がやり玉に!理由は「ゴルフ場利用税」が課税仕入として計上されていたからです。
課税仕入とは、その名の通り税金がかかる支出です。例えば飲食店の場合、仕入食材や消耗品には消費税がかかっているので課税仕入れです。一方で、家賃には消費税がかかっておらず、課税の対象外です。
課税仕入額が大きいほど、納税額は小さくなります。もし誤って、確定申告で家賃を課税仕入として計上したら、どうなるでしょうか。仕入税額控除の金額が大きくなるので、納税額は小さくなります。税務署からは水増ししているように見られるでしょう。
ゴルフ愛好家さんの税務調査で指摘されたのは、この点でした。もちろん、その方は意図してやったのではないでしょう。実際に領収書を見ると、ゴルフ場利用税も含めた金額がまるごと記載されており、明細がありませんでした。無理もない気がします。
しかしそこからが大変。駆け出しだった私の仕事は、数年分の領収書を発行した全てのゴルフ場を調べて(場合によっては電話をかけ)、ゴルフ場利用税を割り出す作業でした。かなり大変な作業ですので、「こんな経験をするのはゴメンだ!」という方は気を付けてください。

ゴルフ場利用税とは?

ゴルフ場利用税とは、昔からある地方税です。
消費税が平成元年から始まるまでは、娯楽施設利用税というものがありました。ダンスホール、ボーリング場、ゴルフ場などの利用料に10%がかかっていたのです。しかし消費税の開始により適用先がゴルフ場に限定され、ゴルフ場利用税という名前で残りました。
税額はゴルフ場の規模や整備状況によって違っていますが、1日1人あたり400円~1,200円が課されます。70歳以上や身体障がい者の方など、非課税のケースもあります。ちなみにゴルフ練習場は対象外です。

ゴルフ頻度が高い人向け!経費計上時にやること

ゴルフ場利用税は1回あたりが少額なので、通常であれば税務署から指摘されることは、ほとんどありません。年に数回程度しか行かない人の場合は、まとめて課税仕入で計上しても問題はないくらいです。しかし利用頻度が多い方は、こちらを実践することをお勧めします。

1.領収書に利用明細があるか確認

しっかりしたゴルフ場であれば、利用明細にプレー代とゴルフ場利用税を分けて記載してくれています。もし記載されていなければ、その場で記載された領収書の発行を依頼しましょう。チェックするのを忘れて、後で未記載に気付いた時は、電話などで問い合わせて、税額を控えておきます。

2.課税仕入分と課税対象外の仕入を分けて仕分ける

ゴルフ場利用料といっても、様々なサービス料が含まれています。課税される分と、課税対象外の分を整理しておきましょう。
ゴルフのプレー代や飲食費、宿泊費、ロッカー代などは課税仕入に計上します。ゴルフ場利用税は不課税仕入です。場合によっては、入湯税、ゴルフ振興基金、緑化協力金などが記載されていることがあります。これらも課税対象外なので注意してください。

とはいえ、一つ一つの領収書をチェックし、自分で仕分けて計上する作業は面倒なものです。ゴルフ場利用税の存在を知っておく必要はあると思いますが、作業は身近な財務パートナーの方にお任せするのをお勧めします。

橋本美菜税理士事務所は、
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