ころがるえんぴつ/某コピーライターの独立とかの話_12

■第12話/返した借金の話と、返し続けるアレの話。

 さて、前回のラジオ出演を記念した特別版から随分と時間が経ってしまったけれど、また、ゆるりとえんぴつをころがしていきたいと思う。
 久しぶりと言うことで、ちょっと書きにくい話を書いてみよう。それはズバリ銭の話。もっと言えば「借金」の話だ。

 2016年現在、僕が代表を務める株式会社Rockakuは公な負債が1円もない優良企業である。いやまあ、

もっとみる

ころがるえんぴつ/某コピーライターの独立とかの話_11

特別編:川田十夢さんとの出会いとか登山とか密談とか

 実は2016年9月6日に、J-WAVEの「HANGOUT」にゲスト出演させていただくことになった。そこで今回は「特別編」として、パーソナリティである川田十夢さんとの出会いとか、受けた影響だとかを書いていこうと思う。

 本来の「ころがるえんぴつ」の時間軸から少し飛んだ次元の話になる。とりあえず10話現在の「ころがるえんぴつ」の時間軸は2007

もっとみる

ころがるえんぴつ/某コピーライターの独立とかの話_10

第10話/昼間から泣く29歳男子、ほぼ無職。

 久々に筆を執る。なぜに久々になったかと言えば、こっちの世界・・・・・・つまりこの文章を書いている2016年の僕が、はじめての書籍を出しててんてこ舞いだったからだ。出版イベントの打ちあわせ、Amazonのランキングチェック、出版イベント出演、Amazonのランキングチェック、本屋の平積み確認、Amazonのランキングチェック、Amazonのランキング

もっとみる

ころがるえんぴつ/某コピーライターの独立とかの話_09

第9話/会社を辞めたことを家族に伝えるってどうよ。

 さてさてさてさて、回りくどいお膳立ては経たものの、いよいよもって、僕は「Rockaku」なる屋号を掲げて、フリーランスのコピーライターとして第一歩を踏み出さざるを得ない状況になった。が、もうひとつ超えなければならない壁というか、クリアしなければならない試練のようなものが残されていた。
 同居人のK氏からはじまり、旧友の犬養、Web会社の社長・

もっとみる

ころがるえんぴつ/某コピーライターの独立とかの話_08

第8話/宙におわす“何か”に向かって陳謝する。

 さてさて、第6話でK氏に「仕事を手伝え」と言わせてしまい、全面的に謝罪した僕だったけれど、もう1人……いや、なんだろう、あれは人ではないか。もう1つ? もう1柱? いくら考えても、適切な単位は見つからないけれど、とにかく、K氏以外にも謝罪した相手がいた。今回はその「謝罪」についての話だ。

 あれは確か、名刺も刷り上がり、独立を細々と告知しはじめ

もっとみる

ころがるえんぴつ/某コピーライターの独立とかの話_07

第7話/ハローワークで指を切る。

 さて、前回までのお話で、めでたく「Rockaku誕生!」と相成り、「ここからが本当の戦いのはじまりだ!」的なシメでエンディングを迎えちゃえばそれでいいわけなんだろうけども、何となく、それからしばらく先の話を散発的に書いていこうと思う。

 まず、僕は2007年の4月、なし崩しに独立を決めた。ここまでは認めよう。ただし、高らかに宣言はしなかった。正確に言うと、自

もっとみる

ころがるえんぴつ/某コピーライターの独立とかの話_06

第6話/2007年4月下旬-六角形の内角の和を求めよ。

 立場、職業、精神ともに、全てが曖昧なまま、僕は頭をかきむしっていた。先日、無責任に発現した「刃」を振りかざした結果、その謎のキレ味を評価され、例のソフト会社のサイトのサイトマップとワイヤーフレーム、全ページのコピーを受注することになっていた。お金がないのだからそれは引き受ける。うん。志なんてそこにはない。僕はコピーライターを辞めたんだ。そ

もっとみる

ころがるえんぴつ/某コピーライターの独立とかの話_05

第5話/2007年4月中旬:笑われて、笑う。

「すぐに過去の仕事をまとめて、明日、原宿のN事務所に来い」
 犬養を怒鳴ってから3日後。あの勢いは、とうに消え失せ、K氏の命令口調に逆らう力はなかった。

 しかし、正直、今度ばかりは本当に、かなり、すごく嫌だった。気が重い。いや、もう、あれだ。全身全霊が重い。K氏の言う「原宿のN事務所」とは、K氏が仕事場として間借りしているウェブデザイン事務所のこ

もっとみる

ころがるえんぴつ/某コピーライターの独立とかの話_03

第3話/2007年4月中旬:覚醒したような、してないような。

 明け方、犬養が重い腰を上げて妻の待つ家に帰ると、再びやることが無くなった。仕方がないので、部屋の掃除をはじめ、やりかけで眠くなって、眠気に逆らう理由もないので、素直に眠った。目を覚ますと14時過ぎていて、日差しは残酷なほど心地よく、どうやら残念なことに春も半ばを過ぎていることがよくわかった。仕方がないので、さしたる意味もなく、400

もっとみる

ころがるえんぴつ/某コピーライターの独立とかの話_02

第2話/2007年4月初旬:同類相哀れむ。

 時を同じくして、職を失って倦んだ生活を送っている男がいた。我が麻布邸の元住人であり、フォトグラファーであり、ハタチからのつきあいになる犬養だ。
「てっちゃん、会社辞めたんだって?」
 ある日の午後、そんな連絡があって、その日の夜には、ウチの茶の間にいた。
「奥さんの目がさ、冷ややかでね……」
 犬養は情けない表情で、コタツにあたっていた。
 彼は約2

もっとみる