理想の横断歩道

信号待ちをする人を見るのが好きだ。

 ほどほどに人が通る横断歩道がいい。こちら側にも、向こう側にも、5人くらい待っていてほしい。待っている人は、年齢も性別もなるべくバラバラな方がいい。その中に、友達や家族を連れた人がいてもいいけれど、あまり大人数でないほうが好ましい。全員が各々1人で歩いていてもいいくらいだ。そして、会話は少なく、静かに信号が変わるのを待っていてほしい。

 スマホを見ている人、

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包丁研ぎのおじさんの謎。

この町に引っ越してきて、5か月目に入った。マンションから出て、数歩てくてく進むと、「包丁研ぎ」の看板を掲げた古びた一軒家がある。
その家の前にいつも座っているおじさん。朝会社へ行くときも、夕方、会社から帰ったときも必ず座っている。

いつ見ても座っているだけのときが多いけれど、ちゃんと包丁を研いでいるときもある。そんなときは、「今日は仕事があるんだ。よかった。」なんて思うようになってしまった。

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親愛なるブレッソン

あなたに憧れて雨上がり、遠回りして夕焼けを映す水溜まりを探しました。もうアスファルトはところどころ乾いていて、当てもなく歩けど大きな水鏡とは出会えそうになく。

酔狂な、と独り含み笑いを浮かべながら辿る道はいつの間にか見知らぬ景色で、線路に突き当たる旧道は夕日に照らされてとても素敵に思えました。

日々、瞳に映るあらゆるものが決定的瞬間であり駆け足で逃げ去るイメージだと、凡庸な生活の中にも仄光るシ

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