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「苦労」して初めて、「相手のこと」がわかる。

先日、職場の同僚(とは言え、私より一回り若い)が結婚式をあげた。

入籍はしていたものの、コロナ禍でなかなか式が挙げられなかったそうだ。

「最後のスピーチは原稿を見るなと奥さんに言われているんですよ」と、とっても嬉しそうに話していて、なんだか温かい気持ちになった。

結婚式の翌日は、「お休みいただきます」とのこと。そら、1日中ドタバタするし、たくさん飲まされるし、疲れるから、そんな日くらい休んでもバチは当たらない。

そう思いながら、自分の結婚式を思い出してみた。私たち夫婦も同様、先に入籍し、1年後に式を挙げる予定だったのだが、その間に、長女を妊娠、式の当日は、妊娠5カ月だった。

身重の体での結婚式はなかなかハードだったのを覚えているが、もっと衝撃的だったのは翌日の朝の出来事である。

先に書いた同僚の新郎のように、私も有休を取るつもりでいたのだが、朝起きてきた夫に、

「人さまに迷惑をかけるな。
 病気でもないねんから、仕事を休むな」

と、言われた。

確かに元気だけれど、「今日くらい休んでもよくないか??」と心の中で思ったが、参列してくださった方々に仕事の負担がいくのは申し訳ないなぁと思い、出勤した。

職場に着くやいなや、上司や同僚に、

「昨日の花嫁さんが仕事に来てる~!
 今日くらい休んでもよかったのに~!」

と、驚かれた。

やっぱり、そうですよね。
それが普通の反応ですよね。

後にも先にも、キラキラした爪で仕事をしたのは、その日だけである。

なんて厳しい夫と結婚したのだろうかと、その当時は思ったものの、「はあー、しんどー」と思いつつも、仕事に行った苦労があったからこそ、「結婚式の翌日くらい、ゆっくりしたらいいよー」と、同僚の若者に言ってあげられたのかもしれない。

自分で苦労を経験しなきゃ、相手のことをわかってあげることなんてできない。

そんな思い出話をしていたら、隣で「子どもが40度の熱!帰らなあかん」と、若いパパさんが。

子どもが発熱したからって、「うちの夫は、帰ってきてくれたっけ?」と思いながら、

「それは奥さんが大変!!早く帰ってあげて!」と、職場のみんなでフォローする。

誰かひとりが熱出したら、3人とも連れて、必死で病院へ行った。「だれかが、上の子たちを見ていてくれたら、助かるんだけどなぁ。」と思いつつ、何度病院に行ったことか。

でも、その苦労した経験があるからこそ、今の自分があるし、「こっち(職場)はなんとかなるから、はよ帰ってあげて」と、言えるようになったのだろう。

今時の優しいだんなさまやパパさんを密かにうらやましく思う反面、厳しく私を育ててくれた夫には感謝している。

おかげさまで、無駄にずぶとく、人に優しくなれました。

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