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間違いだらけの手相占い

手相占いについては、様々な定説があります。

- 起源は約5000年前のインドである
- 手相は統計学という学問である
- 結婚線が二本あると二回結婚する
- 感情線が長い人は恋愛運が良い
- 運命線が濃い人は仕事運が良い
- 神秘十字線を持つ人は霊感がある

これらは一理ありますが、残念ながら「おっしゃる通り!」とは言えません。
よく言われる定説の所以や根拠を調べると、ちょっと違うんじゃないかな?と気づくことが多々あります。

今日は、上述の定説を一つ一つ、解説&反論(?)してみようと思います。
どうぞお付き合いください。

定説1:起源は5000年前のインドである 

そうかもしれません。

- 紀元前200年のヴァシシュタ法典に手相を含めた占いについての記述があること
- 6世紀のブリハット・サンヒータという書物に手に関する記述が存在すること
- インドの古い寺院に手形が残されていること

など、根拠があることは事実です。

インド

実際に、インドの文明はアジア大陸の東洋文化に影響を与えました。このことから、東洋手相術はインドが起源だったのかもしれません。
(東洋手相術は、平安時代ごろ仏教哲学と共に日本に渡来したと言われています)
 
しかしながら、現在の日本の手相占いの主流は、明治維新以降西洋文化と共に渡来した西洋手相術です。では、西洋の占術の発祥の地もインドなのでしょうか。
 
西洋手相術の特徴は、手のひらに7つの惑星(土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月)エネルギーが配置され、惑星の意味とギリシャ神話の神々の特徴をベースにリーディングします。
この事実から西洋占星術と密接に繋がっていることがわかります。
 
残念ながら、西洋手相学の古い文献(紀元前後)は存在しません。(存在しているかもしれませんが、見つけることができませんでした)そこで、私は、古典的占星術にそのヒントを得ようと、7年ほど前から古典的占星術と言われるホラリー占星術を学び、惑星の真意とその歴史背景を探ることにしました。

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諸説ありますが、古典的西洋占星術の起源はメソポタニア文明が栄えた今のレバノンあたり、紀元前3000年のカルディア地方であり、そこに居住していた古代カルディア人が7つの惑星のみを使う古典占星術(ホラリー占星術)を確立したとされています。
(ホラリー占星術とは、時の占星術と言われ、生年月日ではなく、占い師が占う場所と時間のホロスコープで具体的な質問への答えを出す古典的な占いです)
西洋占星術は、その後ギリシャからペルシャへ渡り、ヨーロッパで繁栄したとされます。

西洋の占星術と手相術は7惑星という共通点以外にも、ギリシャ神話の世界や5元素論二極論(意識と潜在意識)3つの世界(Body/Mind/Spirit)を提唱した古代ギリシャ哲学、医療占星術と医療手相術など、多くの共通項を持っています。
このことから、少なくとも西洋手相術は、占星術と同じ経路で発展&伝えられてきたのではないかと推察しています。

定説2:手相は統計学という学問である

統計学という側面もありますが、本質は哲学という学問です。

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手相学を語るには古代ギリシャ哲学が欠かせません。
 ・エンペドクロスが提唱した4つのエレメント(地・水・火・風)
 ・アリストテレスが提唱したとされる5元素論(地・水・火・風・エーテル体)
 ・プラトンの魂の三分割論(Physical, Practical, Intellect) 

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これらは、左右の手や指を観察する際に知っておくべき大切な理論です。
例えば、手の形を4つのタイプ(地のタイプ・火のタイプ・風のタイプ・水のタイプ)に分けて鑑定するという方法や、指の3節を三分割論で観察する方法など、手を読む法則のベースになっています。
 
また、医者でもあるヒポクラテスは、指の研究をしたと言われ、“ヒポクラテス指”という名称は今でも医学的に使われているそうです。(手相学では指も大切な観察ポイントです)
 
手に現れる現象と理論(哲学)を結びつけ、リーディング方法をまとめるためには、統計をとる必要があったのでしょう。そういう意味では統計学と言っても間違いではないと思います。

結婚線が二本あると二回結婚する

結婚線とは、小指の付け根の側面に現れる横線です。

結婚線

以前、こんな質問をされたことがあります。

「手相占いを勉強した友人に、二回結婚すると言われたのですが、本当ですか?
 今、家族仲良くとても幸せなのですが、もしそれが本当ならばいつか壊れてしまうのかも・・と心配なのです」

結婚線が現れる場所(小指の付け根)は、運命や宿命をみるエリアではありません。結婚線の本数は、結婚する回数ではなく、結婚観や結婚願望に関する情報を得るポイントです。

太い結婚線を持つ人は、結婚願望が強い人。
結婚したいと思っているので、異性を結婚対象と意識して生活しますから、結婚に結びつきやすく結婚運が良いなどと占うこともできるでしょう。

一方、薄い結婚線や結婚線がない人は、結婚願望があまり強くありません。
結婚を意識していないので、異性に関心がなく結婚しづらいので、結婚運が悪いなどと占うこともできます。でも、結婚線が薄くても結婚している人もいます。そうすると、手相占いが当たらない!となってしまうのです。

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では、何本もある人は?

結婚線の本数は、恋愛体質の表れ。その気持ちのまま行動したら離婚→結婚を繰り返すかもしれませんが、必ずしも離婚・再婚をするとは限りません。
 
結婚線が出てくる場所で結婚に関する情報を得る根拠は、水星という惑星の真意を理解すると納得できます。水星は繁殖能力を表します。(医療占星術において水星は精子を意味します)繁殖能力=男女の結びつき=結婚という繋がりがあると推察できるのです。

感情線が長い人は恋愛運が良い

感情線とは、手のひらの小指付け根から人差し指付け根の方へ向かって伸びる横線。

感情線

感情線は、英語でHeart Line。心(Heart)を表す線です。

感情線が長い人は、心を外に表現しないといられない、おしゃべりな人。
好きな人がいたら、その感情を抑えられず「好き」と言葉や態度で伝えないといられないのです。だから、気持ちが伝わりやすい→恋愛が成就しやすい。

これが、恋愛運が良いと言われる所以です。

 運命線が濃い人は仕事運が良い

運命線とは、手首の方から中指の付け根に向かって伸びてくる縦の線です。
一般の手相占いでは、

この線が太いと仕事運がよい。中指の付け根まで伸びていると生涯現役

などと占うことが多いようです。

運命線


 確かに運命線が太い人はバリバリ仕事をしている方が多いですが、仕事をしたくないのに「生涯現役!仕事をしなさい!」と鑑定されても困りますね。
 
運命線と仕事運を結びつけている根拠はどこにあるのでしょう。

洋書を観ると、運命線は “Workを観る線だ”と書かれていることがあります。
"Work"には仕事という意味がありますから、仕事と結びつけても無理はありませんね。
しかし、"Work"という英単語は、仕事の他に「営み」「生業」「よい行い」という意味を持っています。

運命線は、仕事ばかりではなく、人生の営み、人生の歩み方のヒントを得る線です。太い線の持ち主、細い線の持ち主、それぞれ、その人なりの人生の営み方があるのです。詳しくは、こちらのコラムをご参照ください。
 
運命線が仕事運を見る線ではない理由を詳しく書いたコラムです。

運命線に限らず、生活や人生に手相は活かしてこそ、意味があります。

神秘十字線を持つ人は霊感がある

ちょっと手相に興味がある人は誰でも知っている“神秘十字線”。手のひらの真ん中に現れる十字の印です。

でも、よく考えてみてください。
手のひらに縦線・横線・・・たくさん線が出ていたら、十字(バツ印)がどこかに見つかりますね(笑)

「霊感や直感は、右脳と左脳がクロスした場所で起こる」

とある本に書かれていました。

手のひらには、右脳域と左脳域があり、それらを結んでいる箇所がいくつかあります。その一つが神秘十字線です。
右脳から湧き上がるアイディアや発想は、ほっておくと忘れてしまいます。それらを左脳でしっかりキャッチする。それが直感と言われるものです。

あ!閃く


 十字印より神秘十字線が現れる“手のひらの真ん中”の方が、重要です。

手相学では、手のひらの真ん中は特殊であり大切なゾーン。人としての成長をみる目安なのです。凹めば窪むほど感性や知性に満ちていて、分別や包容力、発想力に富んでいることを意味します。

単なる十字(バツ印)を探すよりも、手のひらの真ん中の凹み状態の方が、手を見る上で重要な観察ポイントです。

まとめ

いかがでしたか?

手相学は奥深く、手相の見方はA = Bのような短絡的なものではなく、受験勉強のように暗記して覚えるような代物ではありません。
史的解釈やベースにあるエネルギーの根本、人としてのありようなどを知って、理解する学問です。

人間とはどんな存在なのか
この世に生を受けた人間一人ひとりがいかに生きるべきなのか

それを問うた人生哲学なのです。

左右の手の様相は、一人ひとり違う固有のもの。ここ記されているものは、あなたが生を全うするためのガイドラインであり、あなただけの羅針盤です。

上手に生きれば良い相が現れ、上手く生きられない状態の時には、そこから抜け出すヒントが記されています。人生で困った時には、是非、手からのメッセージに耳を傾けてくださいね。

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http://hasta-tesou.com 

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