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再会できた~陶器まつりにて~

 行こうか行こまいか
 3大陶器まつりの一つと言われる土岐の美濃焼まつり最終日の朝。こどもの日だけど、息子は友人のところへ飛んでいった。だから気兼ねなく存分に陶器を見ることができる。
 1ヶ月前から今年は行くぞーと仕事を休みにしてはりきっていたおとさん。
 だがしかし、初日の様子を新聞で見てひるんでいる。人混み。どこを見ても人の頭でいっぱいなのだ。天気予報も雨マークがついている。いっそ常滑とか瀬戸へ行こうかとかつぶやいている。ちょっとやけっぱちだ。
 陶器を見ていい出会いを見つけることが楽しみだから、常滑でも瀬戸でもいいのだけれど、陶器まつりならではの出会いがあるんだよなぁとぶつぶつ。
 ドライブするだけでも楽しいよねと言う声を背中で聞きながら、今日はどんな日になるかなーと家事をすませる。
 おとさんのところへ戻ると、さあ出発という。どうするのか聞いたら、陶器まつりへ行くって言わなかった?だって。
 そうかあれは陶器まつりへ行くための儀式だったんだな。
 ナビを道の駅に設定して出発。土岐インターはアウトレットや新しくできたイオンへ行く人も多いから間違いなく渋滞するだろうから使わないようにと避ける。
 あんまり渋滞するようだったら引き返そうなんて言いながら車を走らせる。天気はもちそうだ。むしろ暑いかも。
 到着予想時刻が12時なので、どこかで食べてから行こうかなんて話していたけど、なんだかスイスイ車が進む。
 近くまで来たのに、陶器まつりへの案内もないし、車もあまりいないしで、目的地を間違えたかと慌てて調べ直していたら、目的地に設定した道の駅に着いた。陶器まつり駐車場の案内も出た。駐車場はぐるーっと遠くまでだったけど、シャトルバスが出ていて、とても丁寧に案内してくださった。驚くほどに順調に到着。
 バスを降りて会場に向かうとおとさんの大好きな作家さんが、ほうきとちりとりを持って現れた。
 遠巻きに眺めながら幸先いいねと大興奮する私たち。どんどんテンションがあがっていく。
 道の両脇にたくさんのテントが並んでいる。最終日だから、だいぶん売れちゃってーという人もいらしたけど、寂しいほどではない。十分に目を楽しませてくれる。
 これいいね、キープだねなんて言いながら、次々見ていくけど3本の大通りの両脇に似たようなテントが並んでいるので、どの店かわからなくなる。そして、陶器ばかり見ているので、どこをどう歩いたかもわからなくなって、さっきもここを通ったねとウロウロ。落ち着いて回り方を決める。
 テントを1つ1つゆっくり眺めながら、他のお客様の買い物風景も楽しむ。他のお客様と店主さんとの会話も楽しい。
 うさぎと月の絵はうさぎがツキを運んでくれるという言葉遊びで描いてるんだと楽しそうに話す店主さんと、ああなるほどと聞くお客様。ワクワクが伝わってくる。
 おとさんは好みのマグカップに出会って買った。さあ財布の口が開いたら、勢いがつく。

どくだみの花がやさしい

 作家さんのテントも楽しいけれど、メーカーさんのところの安売りもまた楽し嬉し。いいなあと思って手に取ると、300円。2人でそれぞれに選んで買った。私の選んだのはB品らしく模様ににじみがある。それが味わいがあって日常にぴったりだと気に入った。 

そうめんでもどうかしら
おとさん好みのブルー



 何年か前に来た時は、大きめのティーポットを探して歩いた。でも、ティーポットがあまりなくて、ようよう見つけて買ったものだった。今年はティーポットがたくさんあって、あれもいいなあこれもいいなあと思いつつ、最近買ったばかりのを欠けさせてしまったばかりなので、手にとることができなかった。 
 そしたら、前回ティーポットを買って帰る直前に理想的なティーポットがあった窯元さんのテントを見つけた。おとさんにも見せたかったのだ。今年も素敵。ちょっと芸術品。日常使いにはもったいない。欠けさせたばかりだし。
 一度は離れたけれど、やっぱり何か心ひかれて、もう一度ゆっくり見ると、出会ってしまった。ティーカップ。持ってみると、意外に軽い。聞くと、中に物を入れた時の重さも考えて作っているとのこと。釉薬も独自配合だとか。渋いどっしりした色ばかり。訴えてくるものがある。京都の窯元さんで毎年出店されているとか。今日はこの窯元さんに出会えて満足。再会できてよかった。クジラの置物に心を残して、また次回。

ずっしり見えるのに軽い


クジラ

 次は地元のメーカーさんへ。おとさんはぞうの置物に飛びついた。前からほしがっていたものだ。持ち帰ることができるか、持たせてくださいというと、快く持たせてくださった。お金を払って最後に取りに来ることにした。さて、この店を覚えていられるか。 
 

さて、どこに置こう

 自分のはもう満足したので、息子の月のものを探す。気がつくと3時近い。脳内アドレナリン大噴出中でお腹がへらない。結局お昼も食べないで、陶器を見て回る。月が喜びそうな器を見つけて値段を聞くと、1600円の4割引。レジに持っていったら、これは5000円の品だと言われて、腰がひけてしまった。ごめんよ月。 あちこちまわって、月にはお皿と小鉢を買った。 

ちょっとゴールド。持った感じもいい。
おとさん好みのブルー
月におとさんとおそろい


 おとさんはB品コーナーのフリーカップと目があった。なんだか陶器は呼ぶのだ。呼ばれて、手にとって、吸い寄せられると、財布を開いてしまう。 

さわやかなフリーカップ
 
 
 

 最終日で、お店の人は暑さもあって、ぐったりしてみえる方もいらしたけど、陶器を買いにみえるお客様の熱気で、とても活気づいている。 
 子どもたちは大道芸や出店を楽しんでいるよう。ろくろ体験や、タイルの詰め放題もあった。 
 穏やかな活気ある美濃焼まつりで、みなさん大事に袋を抱えて、にこやかにシャトルバス乗り場に向かっていく。 
 私たちもぞうさんを引き取りに向かう。やっぱりお店の場所がわからない。同じ店の前を何度も歩いて、お店にたどり着くと、持ち運びしやすく梱包してくださっていた。重いぞうさんを運びながら、今度はシャトルバス乗り場がわからずに、歩き回る。それでも、陶器を見ているのが楽しくて、いくらでも歩けてしまうのだ。陶器を焼く人たちのエネルギーをわけてもらっている感じ。 無事シャトルバスに乗って、帰路につく。家に着く頃窓に雨粒。 
 来年からは、駐車場代が必要とアナウンスされていた。あれだけシャトルバスを出して、たくさん警備員さんがいらして、丁寧な案内をしていらっしゃるからね。おかげで楽に気持ちよく会場に行くことができた。 
 1日を振り返りながら、今日の出会いを広げる。何を入れようか、どこに置こうか明日からの楽しみが増す。
 明日は、のんびりティータイム。おいしいコーヒーを心をこめていれようっと。

小さいけどずっしり
庭のアジサイを挿してみた
今日の気分はこちら側
お乙女心のおとさん

  

#わたしの旅行記

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