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インペリアルカレッジ ロンドン大学院インタビュー体験記

2/27追記:無事に合格連絡が大学からきた。

インペリアルカレッジ ロンドンの大学院アプリケーションはラウンド制を取っていて、複数のデッドラインごとにそれぞれにアプライした中から優秀な学生を漸次採用していく。各ラウンドごとに最初は書類選考で絞込み、(多くの場合においては)面接を行ったうえで取っていく。私は1月のデッドライン(一番早く、その分有利と言われる)にアプライして、三週間後にオンライン面接への招待が来た。使いやすい面接予約用のインターフェースへのリンクがメールで送られてきて、こんなところも技術屋大学という感じだった。連絡が来た日が春節の開始と被っているので、私が中国系だったらそわそわして全然休めなかったかもしれないな。


予約サイト上の説明では、面接は30分続くというということ、また、私がコースのことを知り、コース主催側が私のバックグラウンドや前提知識について良く知ることを目的に行われることが伝えられていた。合わせて、面接担当者の名前(コース主催者ではなく一番専門分野が近い教員)が面接を担当することが伝えられていた。

また、その一方でadmission officerからのメールには、事務連絡に紛れてちょろっとプログラミングのテストがあって、面接の30分前には問題が送られてくるからね、と書かれていた。

当日、30分前に問題そのものではなく、そのサンプルが送られてきた。2x2の行列の逆行列を求められるかの質問だったり、中央値の概念が分かっているか尋ねる問題で、ええ…なんで?という感じ。さすがにちょっと簡単すぎじゃないか?まあ確かに急に聞かれたらど忘れするかも…。

オンライン面接の当日は、気のいい担当者が一人で面接対応してくれた。30分の持ち時間で、一問一答に10分、クイズに15分、残り5分で私から質問する時間だった。基本的にこちらの話を遮ることはせず、うなずいて聞いてくれるのですごく話しやすかった。

ケンブリッジもそうだったが、「書類に書いてあることが全部本当なら是非採りたいけど、一応お話しして様子を見ようかな」くらいのつもりで実施しているのかもしれない。


一問一答

Q. なんで受けたの?
A. Personal Statementに書いたことを少し深堀して回答。

Q. 学校の成績の悪かったところに関して言い訳ある?
A. 2011の大震災前はあまり熱心ではなかった。

Q. 最近の研究プロジェクトで一つ説明してみて。
A. 仕事のプロジェクトを話した。面接者も同じ分野の人なので、専門用語も交えて詳しく話した。

2問目に関して…おそらくインペリアルカレッジはコース教員の裁量の範囲ながら『文脈を考慮して』学生を採っているための質問だろう。大学の成績への言い訳について話した後、面接担当官から「全員に聞くことになっているから聞いたけど、言い訳が要る成績じゃないよ」と言われたのだ。もし、私が家庭の事情で全然勉学に集中できない期間があったと伝えたら、少し点を甘くしてくれたのかもしれない。オクスブリッジ始め、名門校ほど質問項目が多くて細かいのは、学生の出身階層やバックグラウンドの偏りの是正という目的があるのだろう。日本国内とはいえ貧しい地区の団地育ちとしては、何となく身に染みるところがある。まあ、対象はボツワナのスラム育ちとかなんだろうけど。

簡単なクイズ

2x2の行列と2x1の行列の積を求めて。
Az=xの行列が解を持つときとそうでない時、どうやって見分ける?

50%の意味を説明してみて。
ガウス分布って何かわかる?

値段と売れた個数の時系列から、値段の中央値を求めるコードを考えてみて。

いずれも、「うせやろ」というくらい簡単でびっくりしたが、数学の問題では英語の用語が出てこなかったので、紙を面接担当者に見せて解を示したことにした。無事納得してくれた。ちょっと笑ってたけど。

国内滑り止めとして受けた東大院の試験問題と比較して落差にびっくりするぐらいの簡単さだった。おそらく、東大のほうは成績表よりも試験のパフォーマンスで学生を選び、インペリアルは提出書類ベースで選ぶけど、書類が本物かどうか見立てるためだけに面接試験を実施しているのだろう。

終始和やかに進み、まあまあの出来だったかなという形で面接は終わった。結果は来週の早いうちにはわかるそうである。受かっていたら嬉しいけど、ケンブリッジとどっちを選べばいいかすごく悩むことになりそうだ。とりあえず週末は温泉にでも行って自分をいたわろうと思う。

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