クラブに通い始める_最前ド真ん中のブーム

前回の記事で、クラブへの入場を何とかかんとかできた事を書いた。

ようやく入場できた事への興奮も落ち着いて、私達は2階のロビーから1階のフロアに降りる事にした。

前回の記事でも書いたが、白川公園横にあったOZONはとても大きく、まるで体育館のようだった。そもそもで、クラブなのにキャパが1000人強なのだ。

2階にエントランス・ロビー・VIPルームがあり、1階の両脇にバーカウンターがあって、だだっぴろいメインフロアがど真ん中にあった。体育館のようと書いたが、その名の通りで、とにかく横にも縦にも上にも広かった。妖艶な照明も影響して、違う国に来たような感覚だった。それでいうと、私の中ではディズニーランドよりも夢の国だった。(過去記事:初めてのライブ_「着ぐるみ怖い」を越えて

私達は初めて見た広すぎる空間と、暗すぎる照明に驚いたが、とりあえず最前ど真ん中を陣取った。母は「疲れるし、ステージ見やすいから」という理由で、右側のバーカウンター横のハイチェアに座っていた。

クラブに来る客で、最前ど真ん中を陣取る客なんていないから、何とかかんとか入場できたとはいえ、クラブ内での行動でも初クラブ客という事がバレバレだ。
私達は見たことない照明や、天井に吊り下がった大きなミラーボールや、DJの音楽を聴きながらはしゃいだ。

我ながら可愛いと思う。クラブのメインキャストは1時頃に出てくるのに、それも知らず、ずっと最前ど真ん中にいた。一生懸命履いてきたヒールで足が痛くたって、眠くたって耐えた。それでも、待望のシーモネーター&DJ TAKI SHITのホームである主催イベントを、クラブで、最前ど真ん中で観たかったのだ。

ただ、ずっと最前ど真ん中にいた事で、その後の自分にとって良い事があった。シーモネーター&DJ TAKI SHITが出てくるまでに色んなアーティストが出てきたのだ。

まだ3人だったnobodyknows、メジャーデビュー前のHOME MADE家族などが出演していた。初めて行った「だんじりまつり」は、シーモネーター&DJ TAKI SHITのデビューシングルリリースパーティだったので、アーティストがみんな「塾長(シーモネーターの別名)、タキさん(DJ TAKI-SHIT)デビューおめでとう!」というお祝いに加え、2人とのエピソードMCをしたりして、お祭りムードだった。知らないアーティストとシーモネーター&DJ TAKI SHITとの関係性をMCから伺い知る事ができて、自然と親近感が湧いた。

それぞれシーモネーター&DJ TAKI SHITとは違う良さがあって、魅了された。

そして、私はまさか新しいアーティストをたくさん知る事になるとも思わず(まさかシーモネーター&DJ TAKI SHITがずっとライブやるなんて事はないのに)、その新しい刺激にも夢中になった。

ライブは、シーモネーター&DJ TAKI SHITの曲以外は全く知らずとも、言うまでもなく全て楽しんだし、DJタイムも色んな曲をでかすぎるスピーカーで浴びるように聴いて、トータル8時間はぶっ続けで音楽にまみれていた。

ロビーには、新しく知ったアーティストやシーモネーター&DJ TAKI SHITも居て直接話したり、写真を撮ってもらったりサインをもらったりした。

夜が明ける頃には、初めてのオールに目は開かないし、足はもげそうに痛かったけど、とてつもない満足感だった。多幸感の中、母の車で自宅まで帰らせてもらった。クラブなのに、終電を待たなくて良かった事については、クラブをやりきったとは言えないし、母に多大なる感謝しかない。甘えさせてもらった。

その後も引き続き「だんじりまつり」に通った。基本的に年に3回くらいの開催だったので、毎週のようにクラブに行きまくっていたわけではない。OZON通いは高校卒業まで続いたが、その間も昼イベには行っていたし、ラジオも毎週聞いていたし、ハガキも出していたし、インタビューを読んでいるのは変わらなかった。「だんじりまつり」に通った事で、シーモネーター&DJ TAKI SHIT以外にもたくさん推しが増えて、そのアーティストもクラスメイトへ啓蒙活動していた。

その間に元々わかば塾だったメンバーが追加になり、 nobodyknowsはnobodyknows+となって「ココロオドル」が大ヒットして紅白にも行った。HOME MADE家族はインディーズからメジャーデビューした。大きなムーブメントをコアファンとして体験できた。

その他にも、アルファKICKTHECANCREWBENNIE Kタサツ(ケツメイシ田中さん、アルファ坪井さん、佐々木さんのグループ)を知る事ができたし、若き日の加藤ミリヤちゃんとはシーモネーター界隈で出会って、少しの間遊んだりしていた。

シーモネーター&DJ TAKI SHITとの出会いは、新しいアーティストと出会わせてくれて、初めてのクラブ経験や、多くの体験をさせてくれた。この経験がなかったら、今生きてきている人生の半分は全く違ったと思う。自分の人生にとって本当に大きく影響したし、これからも大切にしたい記憶だ。


ハタノ











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