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夏のお花見


暑い。暑すぎる。夏に日傘をさすと太陽光で発電ができる理由を体感できる。日傘がないと日光に押される感じがある。日傘は便利だ。男性にもどんどん広まってほしい。ぼくはここ3年ぐらい日傘を使っていた。

「恥ずかしい」という感覚はまったくない。それよりも日傘で問題なのは、晴れているのに傘をさすもんだから高確率で無くすということだ。電車やカフェで無くす。デパートで買ったちょっといい日傘を4時間後には無くしたことがある。雨の日に傘を無くす人は、日傘はより無くすので要注意だ。

今年は日傘をあきらめてナイロン100%の速乾長袖シャツをTシャツの下に着るようにした。素肌を太陽にあてない砂漠の民の生活の知恵だ。これに帽子をかぶれば雨の日のカッパと似たようなもので暑さはだいぶやわらげる。おすすめだ。

よく晴れすぎた上野から浅草に移動する。隅田川の花火大会があるので地下鉄は激混みだ。どうやら100万人が集まるらしい。みんな隅田川に集まっちゃうけど同日には、東京のオアシス八王子でも花火大会がある。隅田川に比べたらスカスカなのでおすすめだ。

花火が上がる前の街がソワソワした雰囲気が好きだ。人がたのしそうにしているのっていいよね。向いのビルでは屋上に人が集まっている。高速道路を警察が封鎖している。機動隊のバスが何台も止まっている。スカイツリーの展望台には500人が集まっているそうだ。ヘリコプターもたくさん飛んでいる。

ぼくは激混みに耐えられるほど元気ではないけど、NAOT(ナオト)さんからお店で花火を見ませんかと誘われてやってきた。NAOTのお店は打ち上げ場所の目の前だ。居住者や関係者しか入れないエリアなので人混みとは無縁の場所だ。

NAOTはイスラエルの革靴のブランドで、へブライ語でオアシスという意味だ。社長の名前がナオトさんってわけじゃない。社長はアツシさん。

NAOTのサボは超いいですよ。ぼくは3足もってます。毎日履いています。今日もこれから履いて出かけます。革靴なんだけどサンダルみたいになってるから最高にラク。どこにでも履いていけてオシャレで上品。わかりやすくいえばクロックスの上位互換という感じ。

革靴なのに着脱がラクだけど、革靴なので足に馴染んでいく。出張にも撮影にも車の運転もいける。とくに新幹線や飛行機はラク。もうNAOT以外はあんまり履きたくない。ほんとおすすめ。

足の大きい男性はお店で採寸した方がいいかも。ぼくは28cmだけど一番大きなサイズでもかかとがちょっと当たる感じがあった。採寸して前か後を長くし伸ばしてもらってジャストフィットした。あと防水スプレーも頻繁にしている。

花火が上がった。いままでの人生でいちばん近い距離で花火を見ている。すごい。すごいなぁ。花火の写真の撮り方がよくわからないけど、とりあえずシャッター押せばうつるから写真はやさしい。

写真を撮ってるぼくは花火に感動をしているし、感動しているから写真を撮るわけだけど、写真を見た人には感動は伝わらないんだよね。

せいぜい綺麗だなって思うぐらいで感動はしない。目の前で見た花火の感動の1/20ぐらいじゃないかな。

だって音は聞こえないし、気温も湿度も感じない。火薬の匂いも音の衝撃も感じないでしょ。

写真って視覚だけなんだよね。しかも狭い範囲の視覚。ファインダー越しの世界って聞こえはいいんだけど、ファインダーってすんごい狭い世界なんだよね。

だけどこの写真を見返したら、一緒に花火をみた人は感動を思い出すんだよね。だから写真は撮ったほうがいい。だけど何枚か撮ったらあとは、肉眼で花火をしっかり見た方がいい。

たくさんの人がスマホを片手に花火を見ている。動画で花火を撮影をしつつ、画面は見ないで花火をしっかり肉眼で見ている。

なんていうかそっちの方がまったくもって正解な気がする。みんな自然とできちゃってるんだよね。

花火が終わった。夏が終わったかのように感じる。むしろ終わってほしい暑すぎる。

あちこちから拍手がわきおこって花火師さんたちに向けれる。いいよねこの瞬間。スマホのライトを点灯させて花火師さんたちに振っている人がいた。

マネをしてぼくたちもスマホのライトを振る。向いのビルの屋上でも、マンションの部屋からも振っている。高速道路を封鎖している人も高速道路から振っている。警備している人は手に持った懐中電灯を振っている。

スマホにライトが搭載されたことの新しい文化なんだと思った。「たーまやー」って掛け声をしている人はいなかった。「たーまやー」をXで検索すると、いっぱいでてくるけど現場では耳にはしない。これはもう文字の文化になったんだろうな。

支度を終えた花火師さんの船が帰るとき、周囲に知らせるように曳航しているタグボートが汽笛を鳴らした。

それに気づいて大きな声で感謝を伝える人やスマホを振る人がいっぱいいた。橋の上からは若い男性たちが声援を出していた。花火師さんたちは発煙灯を振って返礼している。タグボートの汽笛を鳴らした人は粋だよね。というかみんな粋だ。

花火を見るのは夏の花見っぽいなって思っているんだけど、花火の花より団子の団子の部分は粋なんだと思った。花火もいいけど粋もいいんだよね。


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